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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第四章 裏切りと忠誠と俺たちの夏休み
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そして2人は1人となる

短いですが更新です。

 戦いに勝利したはずの真央は自身の思っていたことよりもマオが深刻な状態であることを理解した。


「そう。そう言う事なのね。何で言わなかったの‼」


 体にはいたるところに亀裂が入りそこから徐々に崩壊し光の粒子になっていくマオを見て彼女の状態を今更ながらに理解したのである。出会ったのは短い間であったが同じ半身。真央はマオの元へと駆け寄る。マオに近付くたびに光に触れるたびに力と欠落した記憶が戻っていくことを感じ取る。それと同時にマオが長くないという事も。


「ふふ。酷い顔ね。……でも、間に合ってよかったわ」


 真央の悲しそうな顔とは対照的にマオの顔はまるで最初から死ぬことが分かっていたかのように穏やかであった。


「なにが死なないよ。……うそつき」


 真央がそう呟くとマオの記憶がながれてくる。彼女は既に肉体としての限界を超え魔力のみで無理矢理体を維持していたのだ。それが、黒太陽によって魔力障壁を貫かれマオの魔力が尽きたことが決定打となりマオは今も粒子となって徐々に消えようとしている。そのことが許せなくて真央は罵倒を続ける。


「あんたから吹っ掛けておいて何1人で消えようとしてんの‼ あんたにはまだ聞きたいことがあるの‼」


 それが意味のないことだと分かっている。これから起こるであろうことも今の真央には手に取る様に。そして、それを自分がどうすることが出来ないことも。


「それが私の望んでいたこと。知りたいことはその内嫌でもあなたの頭の中に入ってくる。それにあなたが涙する必要はないわ」

「それでもよ‼ 融合といっても一緒に共にあるという選択肢もあったはずでしょ‼」


 このような力だけの譲渡に近い融合ではなく2人の意思を同調させるという手段で一つになるという手段も取れたはずである。もちろん、こちらの方が今完遂しようとしている方法よりも難易度は高くなるし完全に一つになるとは言い難いために力は2人の意思で同調しないと完全に切り離されてしまうのだが。


「優しいのね。私はあなたの力を奪うつもりだったのに」

「うそつき」


 真央にはマオの記憶が流れ込んでくるために彼女が本気で言っているのではないことが分かる。そんな真央にマオは優しい表情を向けて言った。


「そう。でも満足したわ。思いっきり戦えたんだもの」


 マオは満足そうに笑みを浮かべる。そこに嘘がないこと分かるし、真央自身も満足していたがためにうなずいた。そして、喋るたびに体は光になっていき首から下が消えた。


「まだ‼ まだ、何か方法があるはず‼」

「まだそんなこと言って……。そんなことないのは私が一番知っているでしょう? せめて最後くらいは静かに見送って欲しいわ」

「駄目‼ 絶対に助けるって決めたんだから大人しくしてなさい‼」


 マオの呼びかけに真央は戻りつつある魔力をマオに譲渡を試みる。しかし、それは空しくもマオに補給されることはなかった。


「駄目よ‼ 私はあなたの力になるって決めたの‼ それは敗者に対する冒涜‼ それに助けに行くんでしょ?」

「っ‼」


 真央は初めて強く感情を出して叫んだマオに肩を震わせた。マオの言葉で冷静になったのか真央はマオを見つめる。真央は覚悟が決まったのか魔力を譲渡しようとしていた手の魔力を解放して粒子が真央の周りに集まる様に仕向ける。


「そう。それでいいの。これはさよならじゃないわ。私たちの再誕よ」


 そう言ってマオの全ては何も物言わぬ光となり真央の掌の上に集まり光の玉となって渦巻く。同時に記憶が真央に集約され自身を一体化する方法を理解する。


「私と共に」


 真央はそう言って光の玉を抱き込む。すると、真央の中へと抵抗もなく入り込んでいき真央の姿が変わっていく。姿はあの時の若返りの薬の時と大きくは変わらない。しかし、細部にはこれまでとは違いが出ていた。あの時には蝙蝠のような羽が一対あるだけだった。だが、その羽が左右二つずつの二対へと変貌していた。ドレスも細部が微妙に異なり両手には金の腕輪が真央の腕を通して浮いている。


「魔力が……」


 変身を終えると使い切ったはずの魔力が完全に戻ってきていることを感じ取る。そして、真央はそのまま空へと飛び出して塔の外へと出る。こちらからも同じように真央のいた世界が見える。真央はそれを眺めてふと思い出したかのように泉の塔へと視線を向けた。


「本に関してはマオがいたから何も問題なかったけど、これで誰も居なくなっちゃうわね。隠世界(ハイド)大図書館(ライブラリ)


 真央は自身の魔法により異空間に仮想領域を作り上げそこに大量の本棚が出現する。


収納(クローズド)


 そう言うと泉の塔の中に有った禁書を含む本が一斉に真央の創りだした異空間の本棚に収納されていくことを知覚していく。本棚が本で埋まった姿は名前の通り大きな図書館である。


「これでよし、と……」


 塔内の本を全て回収したことを探知魔法で確認すると元の世界へと戻るために陣を形成する。


「ケイスケを助ける事とあいつに一発加えないと私の怒りが収まらないわ。覚悟しなさい‼ 私を本気にさせるという事がどういうことなのか思い知らせてあげるわ‼ 転移陣‼ 起動‼」


 真央は魔法を発動させると元の世界へと戻るために起動させた魔法陣へと飛び込むのであった。

いつも読んで下さりありがとうございます。

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