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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第四章 裏切りと忠誠と俺たちの夏休み
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真央とマオ

「なにすんのよ‼」


 マオのいきなりの攻撃に真央は同じく6つの玉を作り出して相殺を試みる。そのうちの一発が真央の魔法を避け赤い槍が真央へと迫る。真央は障壁を強化するとそこに魔法が激突した。目の前で爆発し爆風が真央にぶつかりその熱に顔をしかめる。


「ちゃんと対処できてるわね。さすが私」


「話聞きなさいよ‼」


 マオが距離を取って戦闘態勢に入っているのを見て真央はマオの魔法に警戒して出方をうかがう。


「勝てば全て教えるわ。傀儡よ埋め尽くせ バブルボム」


「ああ‼ もう‼ めんどうな!?」


 マオの周りの地面から唐突にシャボン玉のような泡が形成され辺りを漂う。そして、それは集まり出して人形になると真央に向かって歩き始めた。


「アースウォール‼ ロックブラスト‼」


 真央は魔力を込めて地面を踏みつけると進行を妨げるように正面に岩が隆起する。そして、まとまって固まっている人形の下から石の礫が散弾のように飛び出した。石の礫が人形に触れると人形が爆発した。その爆発がさらに他の泡の人形にぶつかり連鎖的に爆発の威力を高めていく。


 バブルボム。それは対象の魔力に触れると爆発するその名の通りの爆弾である。人型を取っているのは過去で魔法の検証実験の時にシャボン玉で維持していると風で飛ばされてしまって一緒に居たケイスケに誤爆してしまったためだ。まとまったシャボン玉が連鎖的に爆発して非常に危険だったことによって一対多以外では使わなくなった魔法である。


「どうしたの? そっちが来ないならこっちから行くわよ?」


「絶対に倒してやるわ‼」


 真央は声を張り上げる。2つの初歩的な魔法で少ない消費で防ぎはしたが真央は今の状態が非常に不利であることを序盤の流れで感じ取っていた。いくら同じ記憶、魔力を持っているとしても相手の魔力の扱い方のほうが1枚上手だったのだ。マオの放った魔法。それは真央も使える魔法ではあるが真央が先程放った2発の魔法と同じ魔力消費なのである。そうなれば長期戦は必然的にマオに止めを刺されるであろうことに行きつき真央は短期決戦をすることに覚悟を決める。そのためにはどうやって魔力を練り上げる時間を稼ぐかである。


「はぁ‼」


 真央は考えをまとめて魔力を身体強化に回す。そして、大地を蹴ると真央は分身を作り出しマオをかく乱し始める。


「あら? 近接戦? いいわ。一緒に踊ってあげる」


 マオは同じ存在である真央が近接戦を仕掛けてくることを不思議に思うが突っ込んでくる真央の分身に対して余裕を持って躱す。そして躱した後、瞬時に魔力の槍を分身に叩きこむ。しかし、分身の何体かは槍をすり抜けた。


「感知も誤魔化されているし実体のない分身もいるわね。これは厄介だわ」


 突っ込んできた分身に何体か実体がある者が混ざっていることでマオは鬱陶しそうに魔法槍を飛ばしまわる。それによって実体のある分身の何体かに当たるが本体でないために消えるのみである。それを何度か繰り返しているとやはりマオも真央と同じ存在であるのかマオはイライラし始める。


「じれったいわ‼ 纏めて消えなさい‼ ソニックウェーブ‼」


 風の波がマオを中心に無差別に放たれるその衝撃によって実体を持った真央たちに当たりまとめて1か所になる様に吹き飛ばされる。それと同時に幻影である分身も消え去る。


「これで止めよ。中で燃え尽きなさい。テンペストブレイズ」


1か所にまとまった真央を中心に炎でできた竜巻が起きる。1分ぐらいであろうかマオの放った魔法は魔力を使い切って消え去るとその中は誰も居なかった。


「全部ニセモノ‼ じゃあ‼ 本体は!?」


「ここよ。私」


 後ろの方から声がしてマオは振り返る。そこには最初に立っていた位置から1歩も動いていない真央が立っていた。


「幻術……」

 マオはここにきて初めてしてやられたというような顔をした。どのように隠蔽をしたのかは知らないが大規模な魔法をくみ上げているはずなのにマオは微塵も気が付かなかったのである。


「ええ。あなたが私で助かったわ。どう? 私を殺せた感想は? いきなり襲いかかってくるし楽しそうに私を正直腹が立ったわ。だから……」


 隠蔽していた魔法を真央は解く。すると、黒い太陽が真央の上で煌々と輝く。それと同時に不意を突いてすぐには逃げられない様に魔力で出来た枷でマオを拘束する。


「そう。それがケイスケの言っていた私の死んだ後に出来た魔法ね。……正直それは私でもどうなってるのか分からないわ」


「ええ。そうでしょうね。死なないようにはするけどもう一度痛い目を見なさい。改良版‼黒太陽(カオス)‼」


「それでもタダではやられないわ‼ 魔力収束‼ 防ぎきってやる‼」


 真央によって放たれた黒い光線に対して咄嗟にマオは自身の障壁を一点に集中させ黒太陽とマオの障壁は衝突した。


「はあぁぁぁぁぁぁ‼」


 マオはこの攻撃を受け着るために自分に眠る魔力を総動員して真央の黒太陽を防ぐ。


「あああぁぁぁ‼」


 真央はマオに勝つためにこの魔法に回復した魔力を超えた量の魔力を捻り出しては黒太陽に注ぐ。完全に2人の力が拮抗しているのか衝突した先が一向に動かない。


「「負けるかぁぁぁ‼」」


2人の力は拮抗する。そして、その拮抗が崩れる時間もそうはかからなかった。


「……そうか。私の負けね」


 マオの障壁はひび割れて次第に大きくなっていく。


「私の……勝ちよ‼」


 真央がそう言っている内に真央の障壁のヒビは全体にまで生じて砕けマオを飲み込んだ。

いつも読んで下さりありがとうございます。

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