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C、それこそが。
冬の夕焼けが好きです
お気に入りの音楽って…あるかな?
常々思うんだけどさ。ホラ、好きな曲聞くヤツいるじゃん?あれ止めて欲しいんだよね。
「委員長がそんな曲聞くの!?ヤッバ〜イ!!」
何がヤバいんだろうね?君の語彙力かな?とか言いそうになるのも、鉄面皮の下に隠して。
その日を境にしてかな、趣味…じゃないけど、好きな曲を偽るようになった。でもさ、ずっとそれで通しちゃうんだよね。それといった意図は無いんだけど。
「へ〜!委員長、そういうのが好みなんだ〜!!」
いい曲だよね。偽って答えた割に好きになってる。「オレ達はいつでも2人で一つだった」ね。何とは無しに笑みが零れちゃうよ、全く。
「また歌ってたの…?」
おっと、気付けばもうお迎えが来る時間だったか。…夕焼けの朱が眩しいね。荷物も纏めてたし、帰る準備万端で暇だったから歌ってたんだけど、暇潰しの割に2、30分も同じ曲歌ってたみたいだね。
「…変なの。帰ろ。……千尋君。」
お、やっと名前呼びしてくれた。この須藤、感謝の極み。いやぁ、夕日が眩しいねぇ。