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説明的で長くなってしまったけど、最初なんて許してくださいm(__)m次回からは短くしてペースもあげていきたいですヽ(´▽`)/
…俺は今驚いている。
それは今俺が触っている凄く柔らかい物に対してではない。…いや、これもかなりの驚きなのだが、そんなことよりも
「…くしゃみが、でない?」
そう、今俺は女の子に触れているのだ。アレルギーあるのに。一体どういうことなんだ?
俺は右手にある物体を軽く握った。
…やわらかい。これは、明らかに『アレ』のはず。
いや、でも俺がこんなの触って大丈夫なわけない。
と、いうわけで今度はしっかりと触る。
うーん、やっぱりこれは…
この間約5秒。きっと俺はバカだ。
「…ちょ、ちょってめぇ!」
この声で俺は正気を取り戻すことができた。
「ご、ごめん!つい夢中に…」
ってなにいってんだ俺は。
あわてて立ち上がる。 そして下を見る。そこにはさっきひかれそうになってた本人が確かにいた。
Tシャツにジーパン、髪は短髪と格好は男っぽいが、よくよく見ると顔立ちは同い年くらいの女の子だ。背は高いけれど、体付きが確かに女の子らしかった。
胸は小さいが。
しかも、今はなぜか頬を赤くして恥ずかしがっており、まるで知らない男におっぱいを触られたかのようなリアクションをしている。
…まぁ、触ったが。
そんなことよりだ。俺はなんで彼女に触れたんだ?もしかして、この子は特殊な人間なのか?
「…えーと、君って女の子?」探り探り質問してみる。それにしてもひどい質問だ。
「当たりめぇだろ!人のむ、…胸触っておいて何いってんだよ!」
…多分女の子だ。口調が気になるが。
となると、なぜくしゃみがでないのか?
…まさか。
俺は今日病院であったことを思い出していた。
・・・・・・・
「君の病気の事が少しわかった」
先生はカルテを見ながらそういった。
「君はどうやら、若い女の子特有の女性ホルモンに反応するらしい」
…はぁ、と、いいますと?
「つまり、だいたい10〜20代の女の子には弱いということだよ。」
確かに少し感じていた。母親は近くにいても特にくしゃみはでないし、近所のおばちゃんとかもなるべく避けてるけど、話をしても支障があるわけではない。
「だから極端にいうと、若い子によくある色気だとか女の子らしさとかに君の体は反応しているんだよ。
だからもし40歳くらいの女性でも、若々しいしてたら反応してしまうし、10代でも行動が若くなかったり、男みたいな性格の子だったら反応しないんだよ」
「…なるほど」
「まぁ、つまりだ」
そういって先生はメガネのズレを少しなおした。どうやら決めポーズみたいだ。
「女の子っぽくない女性に出会えば、それが運命の人になるかもしれないってことさ!」
…先生、あんましかっこよくないです。
口にはしないがそんなことを思っていた。
・・・・・・・
「…まさか、本当に出会うなんて…」
俺は思わず呟いた。
「…ん?何いってんだよ?」
彼女は少し戸惑っていた。まぁ無理もないが。
ってことは、先生曰くこの子には女の子的色気とかが全然ないってことか。
…ひどいアレルギーだな。
いや、でもこれは俺にとっては奇跡的な出来事。ならば…
このとき、俺は呆れるほどバカな考えを思いついた。
きっと普通なら名前聞いてお話してデートしたりしてお付き合いなんて夢見るべきだろう。
だがその時の俺は、助けるときに頭を打ってしまったのか、はっきりいっておかしかった。
「あ、あの!ちょっといいですか!?」
「…ん?なにか?」
「こんな機会、滅多にないんで…
もう一回おっぱい触らしてください!!」
…ね?おかしいでしょ? ほら、見る見るうちに彼女の顔が赤くなってゆく。
「……
へ、変態めー!!!!」
その声があまりにでかかったので、俺はすぐに理性を取り戻すことができた。
そして気付く。
ヤヴァイ。
「す、すいませーん!」
俺は猛ダッシュで逃げた。
泣きながら。
せっかく近くで話せる女の子を見つけたのに…
もう、会えないだろう。 そう思っていた。
次の日までは。