表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/25

じゅーよん

「いやぁ、皆帰ったあとの教室で二人きりって雰囲気あるよね〜」


「……」


「なんかドキドキしない?」


そういってニコニコしながら俺をみる筑紫さん。あぁ、もう凄くドキドキしてるよ、吐き気つきで。カッターシャツの中は汗や蕁麻疹で大変なことになってるし。


「うむ、じゃあ本題にはいろっかな?」


そういって教壇の方に行きどんと構えた。俺は一番前の席でそんな彼女を眺める。授業かよ。


「委員長〜、はじめてくださーい」


…って、俺もノリノリだし。


「いくつか話すことがあるけど、まず一つね」


そういって彼女は俺に歩み寄ってきた。

そして妙な笑みを浮かべて言った。


「…佐藤くん、女の子に触れないんでしょ?」


「んな!…くっしゅいよ!!」


え?まてまて今何ていった?ってか何でばれてんだよ!?

俺はあわてて彼女から離れた。なんだこのシチュは?筑紫さんがまるで小悪魔のように見える。


「ま、まてよ、どーいう意味だよ?」


「ん?そんな無理しないでいいんだよ?私あなたの病気のこと知ってんだから」

「な、なんのことだよ!?」


なんだこの尋常じゃない汗は。これはアレルギーによるものだけじゃない。俺はかなりテンパっていた。


「ならいいわ、無理やりはかせてあ、げ、る」


するといきなり筑紫さんが俺に飛び付いてきた。俺は何も抵抗できずに後ろに倒れてしまう。

なんか襲われてるみたいだ!!


って興奮してる暇ないぞ!めちゃくちゃ気持ち悪くなってきやがった。


「さぁ、佐藤くんはこの状況に耐えられるかしら?」


「う、うぇ…」


やばい、口から何か出そうだ。死んでしまう。

えぇい、この際秘密にしてる利点なんてねぇ!もう早く病気のことを話して離れてもらわないと!

俺は決心を固め、擦れた声で彼女に訴えようとした。



「わ、わかった!話すから!俺のことを話すか…」



「先ぱーい、図書室閉めますけど荷物忘れて…」



今の状況を説明しよう。

俺が倒れこんでいて、筑紫さんが馬乗りになっている。しかもアレルギーのせいで俺は物凄い汗だく、筑紫さんは相変わらず小悪魔みたいな表情を浮かべてる。

そこに小倉登場。はい説明終わり。



教室に乱入した小倉は何も発することなく数秒静止、そしてきれいに回れ右をしてしまった。


「…荷物は図書室前に置いときますね、変態」



…もう変態じゃないと言えないな。

また意識が遠退いていく中、俺はそんなことを冷静に分析していた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ