じゅーさん
時はすぎ放課後、なんとか元気を取り戻した俺はこうして図書室で勉強している。また誰かに見られてる気がするがそれはシカト。
「ぶぃくしゅ」
「あれ?先輩風邪でもひいたんですか?」
「い、いや、大丈夫大丈夫」
んー、未だに唇の辺りがむずむずする。胡椒かなんか着いてんのかな?
「しかし元気な変態として有名な佐藤先輩がぶったおれるなんて驚きですね〜」
「…おまえ、さり気なく変態っていっただろ」
「…違うんですか!?」
「ちげぇよ!そんなに驚くなよ!」
そんな事実はまったくないぞ!皆信じるな!
「でもホントに大丈夫なんですか?佐藤変態」
「ん?なんか俺先輩じゃなくなってないか?」
「気にしちゃダメですよ、変態」
「もう本名すら呼ばれないのか!?」
なんだよ!最近おっぱいに関する事件多いからって、変態変態言うなよ!
…決して喜んでなんてないんだからな、そんなおっぱいくらいで
「まぁともかく、なんとか無事でよかったよ」
「ホントです、青木先輩に感謝してください」
あぁ、してるとも。俺が共学の高校で生きていけるのはあいつのおかげだ。
って
「…お前、なんで青木が俺を助けたのを知ってんだ?」
「私も学食にいましたもの、青木先輩が大声出して周りの男子に佐藤先輩を運ばせてましたもん」
そうだったのか、あいつ俺が意識失ってる間もそんな気遣いしてくれたんだな。
明日なんかおごってやるか。
「まぁ、私は森野先輩のおにぎりをどうしてあげるか考えてましたけど」
そこまで見てたのか!?だからホントにごめんって!
森野にも明日おにぎり勝手あげなきゃな。
「ところでです。」
なんか急に小倉が真面目な顔つきをした。凄く違和感がある。
「先輩と紅さんって、ホントに何の関係もないんですか?」
「ねぇよ、この前もいっただろ、ただの友達だ。」
小倉はふむと納得した様子をした、そしてまた俺の顔を見る。
「じゃあ、青木先輩は?」
「…ん?
おまえも知ってんだろ?おれらはただの幼なじみだよ。」
「ただの幼なじみかぁ」
そういうと小倉は何かを考える素振りをした。こんな真面目そうな表情する小倉ははじめてみたかも。なんか面白い。
それからはっと閃いたような顔をして、ぼそりと呟いた。
「じゃあ、さっきの保健室のは…」
「え?保健室って?」
「い、いや!気にしないでくださ…」
「佐藤君!!こんなところにいたんだ!!」
「「…え?」」
静かな図書室の中で一際大きな声が響いた。そしてその声の発信源は、今日俺を殺しかけた人間だった。
「佐藤く〜ん!ちょっと話あるから来て〜」
「ちょ、ま、ぶぇくちょい!!」
嫌がる俺を構わずひっぱろうとする筑紫委員長。やめてくれ!ちゃんとついていくからHA☆NA☆SE!!
「…かわいそう」
同情するように俺を見つめる小倉。そうだろ?かわいそうだろ?
「かわいそう、青木先輩」
なんでだよ!!そこは俺だろ!!流れ的に!!