参道下り
こんな格式高そうな名前をしていますが、ただの日常系?な物語です。心は暖まりますよ!!
小説 参道下り
賽銭箱の前でじゃらじゃらとお金の音を鳴らしながら、立派な本殿の前からいそいそと立ち去っている。
これが初めてではないが嬉しい気持ちは変わらないのであろう。
石畳のど真ん中を軽快なステップで打ちつけ下っていく。ホフホフとした懐を抑えつつ、鳥居を礼もせず通り去っている。
石で出来た階段を子供のように降りていく。
屋台たちの醸し出す、焼きそばの匂い、鈴カステラの甘い香り、射的の火薬の臭いたちに現を抜かしている。
先ほどの財布を取り出し焼きそばを購入したあと、割り箸を割りながら、最後の鳥居を抜け出そうとする。
さすがに、彼をここで止めようと走りだし、漢らしく焼きそばをガツガツと喰らう彼を止めた。
『どうした?焼きそば食べるかい?』
「どうした?じゃないです!そんなキムタクみたいな顔で言わないでください!もっとあなたは自覚すべきなんですよ!この神社の神ということを!」
『え~。別にいいじゃんか焼きそば程度。』
「いやいや、そのお金が私たちの給料とか生活費とか諸々のお金なんですからね!無駄遣いは厳禁ですよ!あと絶対外からでないで下さいよ。貴方は一応この神社で祀られているですよ!!」
『ハイハイ。承知しましたよ。お巫女様。』
「そうですか…。ちょっと裏行きましょうか。」
『…ゴメンナサイ。』
「ん?何か文句でもあるんですか?」
『ア…ナイデス。行キマス…。』
巫女の仕事は大変だ。逃げ出そうとする神を止めなければならない。
見て下さり、ありがとうございます。心が暖まった人はコメント等頂けると幸いです。




