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サイコパスと私

「おはよぉ〜」


 食堂の扉を開けると、我が物顔した部外者が我が家で食事を摂っていた。


「マーシャ!?お前帰ったはずじゃ…」

「うん、帰ったよ!でも直ぐに戻ってきたんだぁ〜。魔法の鏡、僕も使ってみたくってさ!」

「はぁ…」


 明日どころか速攻来るとは予想外だった。家の使用人達はいったい何をしているんだろう。


「魔法の鏡は?」

「部屋にありますよ」

「じゃあ僕が持ってきてあげる!」

「いや、後で…」


 私の言葉は最後まで続かず、マーシャは目にも留まらぬ速さで食堂から飛び出していった。マーシャは私が9歳の時に婚約していた人だ。明るく元気で子供っぽい人だと好きだった時は思っていたけど、今はただのサイコパスだとしか思えない。恋は盲目過ぎて怖いね。マーシャを追いかけるのは面倒なので、兄と食事をしながら待つことにした。


「見て見て!叩き落したら割れちゃったぁ~」


 直ぐに戻ってきたマーシャは、笑いながら意味のわからない事を言い、割れた鏡を見せてきた。


「叩き落したら割れるのは当然じゃないですか…」

「そう?魔法の鏡なのに、保護魔法は付いてないんだねぇ。これどうするの?捨てる?」

「取り敢えず返してください」

「割れた鏡なんてどうするの?要らないでしょ!僕が捨てといてあげるよぉ〜!その代わり今日は僕のお話聞いてね!」

「サイコパスの押し売りって意味不明過ぎますね。先ずは謝罪と弁償のお話しが先でしょうが」


 謝罪も反省もしないマーシャを睨むと、マーシャは不思議そうに首を傾げた。


「わかったよ!謝っといて、ミファ様に!弁償は家に請求しといてね。兄様か姉様が払ってくれると思うからぁ~」

「お姉様じゃなくて私に謝罪してください。弁償も貴方がするんですよ。18歳にもなって家族に迷惑かけるなんて、みっともないと思わないんですか」

「ミィちゃん怒ってるの?僕だって怒ってるよ!ミファ様の好きな人が誰か教えてくれないの、酷過ぎるでしょ!僕がずっとミファ様の事好きなの知ってるくせに!家族になろうって約束したのにぃ〜!!」

「うるせぇ…」

「お兄様、このサイコパス早く追い出してくださいよ」


 ヒスを起こしだしたマーシャを止められる人は今ここにいないので、私と兄は出来るだけマーシャから離れ、マーシャが落ち着くのを待つ。というか、家族になろうって約束は、私とマーシャが婚約してた時にした約束だ。大切な思い出を汚さないでほしい。

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