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全て知ってる私

「でもミィ、護衛を付けずに出掛けたのは兄として看過できない。一言言ってくれたら俺がついて行ったのに」

「私の護衛は私がしてるんで大丈夫です。それに、我が家の騎士様達は皆かっこいいから、うっかり恋しちゃったらどうするんですか」


 ただでさえ私は惚れっぽいのに、私の護衛って響きだけで恋しそうだ。


「女性騎士もいるだろ?」

「私が新しい扉開いちゃったらどうするんです」

「…………」


 両親に孫を見せてあげたいから、新しい扉を開くわけにはいかないし。


「無事だったからよかったけど、一応君は公爵令嬢で聖女の妹なんだよ?そんな君を攫いたい奴なんて大勢いるんだから、もっと気を付けないとね~」

「そうですね。私も家でのんびりしていたいです。ただ、邪魔者が多いから仕方なく出掛けただけなんで、邪魔者さえ家に来なきゃ問題ないんですよ邪魔者さん」

「え〜?邪魔者って酷くない?ミファナと結婚したら、ずっとこの家で一緒に暮らすのにさ〜」

「ミザリオ様は侯爵家を継ぐんだから、この家では暮らさないでしょ」


 次期侯爵がなにアホな事言ってるの?もし万が一姉とミザリオが結婚したとしても、姉は聖女として神殿で生涯暮らさなければならない。つまりミザリオが侯爵家を継がなくても、住むのは神殿だ。我が家じゃない。


「ミファナ様は結婚する気がないみたいだよ。好きな人がいるけど、その人とは結婚出来ないから生涯独身を貫く、って神官に話していたらしい」

「なに!?そいつは誰だ!?」


 ノールの爆弾発言に、食堂の気温が下がってしまった。


「調べたけど見つけられなかった。ミファナ様が望むなら大抵のことは叶う筈なのに、結婚出来ないって事は、相手は平民か、敵国か…それとも同性か…」

「ど、同性?ならば法を変えさせればいいだけだ。父上もミファナの頼みなら法だって変えるだろ」

「じゃあ平民とか?敵国の者とは流石に接点なんてないだろうし、片思い、なんて事もないよね?」

「ふむ…あの女が好意を寄せて断る者はいないだろうからな」


 なんだか皆真剣に悩んでるけど、私はその相手を知っているよ。そう、姉は自分と結婚したいけど出来ないから独身でいるのだ。だからあまり大事にしないでほしい。


「傑作だな」

「しっ!お兄様、笑ったら可哀想ですよ」


 やっと針の筵から解放されたんだ、このままアホな話し合いで終了してほしい。

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