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善とか悪とか

子供の頃、RPGを作ることのできるゲームを持っている友人がいた。

彼の家に遊びに行くと、大人っぽいRPGがいくつか置いてあり、彼はそのゲームをやりながらいろいろと説明してくれた。

ゲームについて語る彼は生き生きとして、私は圧倒されるばかりである。

次第に興が乗ってきたのか、RPGを作ることのできるゲームの話をした時に、「これで僕が作ったゲームで賞金が出て、そのお金でこの家を建てたんだ」と言っていた。

当時はすごいと感心したものだが、大人になって「あれはホラ話だったのだろうなあ」と思うたび、不思議に寂しくなる。

彼はどうしてそんな話をせざるを得なかったのだろう。

その場の勢いなのか。

人に尊敬される自分になりたかったのか。

ゲームの説明だけでは思ったほどの反応が得られず、慌てて話を付け足したのか。


私が彼を信じて感心したのは正解だったのか。


未だに分からずにいる。

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