ベルボ戦争は醜い
悪い悪い、待たせちまったな。って俺こんなキャラだったか? まあいいや。
前回の後書きで親指が治ったことを報告したと思うが、その代わりか分からんが身体をノミに15箇所くらい食われて発狂してるぜ。
靴の中って蒸れるよな。
そんな中左足2箇所と右足3箇所ノミられてんだぜ。マジで気が狂いそうだぜ。
猫、外に出してないのに。たまに逃げることはあるけど。もしかしてその時に連れてきたのか?
ケツとか背中とかも痒くて死にそうだ。蚊と違って血が出るまで掻いちまうんだ。もうほんと、最悪だぜ。
「次!」
忘れてた。普通に日記書きそうになってたわ。次は出席番号4番の田中崎だな。田中か中崎かどっちかにしろよ。長崎と言い間違えやすいのもどうにかしてくれ。
「はい! 田中崎 麦わら海賊団です!」
待って? そんなのアリ? ONEPIECEだよね? アリなの!?
「変わった名前だとよく言われます! これは両親がONEPIECE大好き人間なので、こうなったらしいです! よろしくお願いします!」
俺もONEPIECE好きだけど理解出来ねぇわ。正気じゃないんだろうな、田中崎くんの両親。
「強そうでいい名前だと思うぞ! 次!」
湯川先生は優しいな。俺だったら絶対突っ込みまくってたわ。ていうか俺喋らなすぎじゃね? 何のために湯川先生の隣に立ってるんだ?
「出席番号5番、田中崎 セクハラわいせつマンです!」
「は?」
しまった、つい「は?」が出てしまった! でも100人いたら全員「は?」だと思うから許してくれ!
「あ、すみません、変な名前ですよね」
「いや、そんなことは⋯⋯ごめんよ」
マジでごめん。君は悪くないもんな。親が悪いんだもんな。ていうか田中崎って苗字被ることある? あとセクハラわいせつマンって役所で通るのか?
セクハラとわいせつとマンが入ってんだぞ? 卑猥カーニバルじゃねぇか。いや、マンは別に変な言葉じゃなくて男って意味だったな。ごめん、今の忘れて。
「お前、すげー名前だな」
湯川先生、オブラートに包まないんだな。案外真っ直ぐな方が好かれるのかな。
「実は僕、麦わら海賊団の双子の弟なんでけど、ほら、双子って似た名前つけがちじゃないですか。そういうことです。死にたいです」
双子だったのか。全然似てないな。二卵性か。
それにしても、似た名前って⋯⋯
確かに音は似てるかもしれないけど、兄と弟とで差がありすぎるだろ。まあ麦わら海賊団も大概だけど。
「おもしれーなお前のとーちゃんかーちゃん」
湯川先生みたいなフレンドリーに喋ってみたいものだ。というかフレンドリー以前の問題だよな俺。まだ「は?」しか喋ってないもんな。あ、その後の謝罪もあったわ。
「次!」
「俺の名前は三場シチュー307助。93歳だ。よろしくな」
これってさ、こいつら全員本名なのかな。俺にドッキリを仕掛けてる可能性とかないのかな。まあないよな。俺も名前300円だし。
それにしても、名前にアラビア数字入ってんのヤバいな。と思ったけど俺も300円だったわ。あと37じゃなくて30と7で「さんじゅうなな」って読むのヤバいな。気は確かか?
んでこいつ、93歳な訳ないよな。普通にガキの見た目してるもん。なんでこんな意味の分からん嘘つくんだろうな。
「シチュー食いたくなってきたな。次!」
俺も。
「出席番号7番! 藤野エリです! 好きな食べ物はヌッチョコベルボです! よろしくお願いします!」
やっとまともな名前の子が出てきたと思ったらなんなんだその好物は。とにかく汚いイメージが湧くんだが。
「俺はマッチョコ派だ! 失せろ!」
湯川先生どうしたの? ヌッチョコ派とマッチョコ派がいるの? きのこたけのこみたいな? だとしてもこんな小さな女の子に失せろはちょっと⋯⋯
「貴様こそ失せよ! ベルボの恥さらしめ!」
この子もこの子ですごいなぁ。ていうか恥さらしまで言われちゃうんだ。きのこたけのこみたいに同じ会社が作ってるんだろ? だとしたら片方のファンを恥さらし呼ばわりしたらその会社のこと敵に回しちゃうんじゃないか?
「なんだその口の利き方はクソガキがァ! 俺ァ今年46だぞ! ガキがァ!」
めっちゃ怒ってる。ベルボ戦争は醜いなぁ。
「次のガキィ!」
次の子に飛び火してる。かわいそ。
「はい! 出席番号8番、ヌッチョコベルボです! 趣味は魚釣りです!」
マジで!?
苗字とかないの?
ていうかこれ、我々で言うところのたけのこの里みたいなもんなんだよね? 自分の子にそんな名前つけるか? つけるか。麦わら海賊団いたもんな。セクハラわいせつマンと双子だし。
「次!」
「キリンです」
なわけないだろ。
「次!」
「ストーップ!」
むむ、この声は!
「ストップストップストップストップストーップゥ!」
俺の耳元で叫びまくっているこの声は!!!!!!!!
副副担任・秘技うんこ剥がし先生!!!
「秘技先生、急にどうしたんです?」
湯川先生、耳押さえてる。
「いや、飽きたなと思って」
こいつヤベェな。
「俺もそう思ってたとこだわ」
こいつもヤバいじゃん!
急だけど俺、めっちゃエビ食べたい! どうしよう!
「自己紹介はこのへんで終わりにして、おっぱい行きましょ!」
「お! いいな! 行こ行こ! てことで吉田先生、俺ちょっと秘技先生と駅前の妹ちゅぱちゅぱクラブに行ってくるから、あとお願いね!」
湯川先生、自由すぎない?
「あの、僕今めっちゃエビ食べたいんですけど」
俺も自由にいってやる。
「吉田先生、これ⋯⋯」
湯川先生がポケットに手を突っ込んでなにやら言っている。
「どうぞ」
ポケットからは、エビフライが出てきた。
「なんでポケットにエビフライ入れてるんですか」
ヤバいよ。それを人にあげるのもヤバいよ。んで生徒おとなしいな。
「昨日の夜ご飯多かったからさ、残しちゃったの」
「そうですか、ありがたく頂戴しますね。行ってらっしゃい」
もう関わりたくなくなってきた。俺1人で進行するわ。
「行ってきまーす! ひゃっほーい! おっぱいおっぱい〜!」
「おっぱおっぱおっぱおっぱオッヒョッヒョ〜!」
腕組んでスキップで行きやがった。あいつら怖いものなしか?
「先生! 続きをやりましょう!」
ん? この子は確か⋯⋯だれだ? 恐竜に似てるな。
「そうですね。では次、出席番号10番のお前」
「はい! 続く!」
胃が痛い。