ハーレム形成後の描写の不十分さに対する提言
なろうで書かれているハーレムに対する不満は今までいくつも見てきた。
ハーレム自体が気持ち悪い、主人公にハーレムを作ることができるほどの魅力がない、ヒロインがコピー人形で誰が誰だかわからないなどだ。
それに対するエッセイは十分に見受けられたので、私は主人公も含めた登場人物のハーレムでの欲望による行動の結果の描写の不十分さについても不満を示そうと思う。
*つまり私はハーレム容認派であり、ハーレム自体が嫌いな人はあわないエッセイである可能性が高いので冷静に読むかブラウザバックをおこなって欲しい。
まずはじめに、何故ハーレムを作るのか。
A.いろんな異性とヤりたいから。
それならR18なお店に行けばいいじゃねえか!
というのはまあおいておくとして、多くはモテてる俺カッケー!というものからだろう。
はっきり言ってこれはクソである。
ただモテる描写がしたいなら付き合ってハーレムに入れる必要もないし、ハーレム要因の人間性の描写が必要だと感じているが、こういった作品でそんなものを書いているものは皆無である。
ハーレムに入る入れるの理由が羽よりも軽いものに期待するなと言われればそれまででしかないが。
そも多くの人間にとって人と付き合うのに理由は必要だろう。
好きに理由は必要ねぇ!というものもあるが、好きであるということ自体が理由となる。
で、主人公の魅力の無さやヒロインただのお人形については他のエッセイで熱意ある作者が十分に語られているので省く。
そもハーレムに入る理由とは何か。
オンリーワンになれなくてもそれでも付き合いたい、金銭的理由、政治的理由、その他になるだろうか。
1つ目については、先に他の作者が語られているように主人公の魅力でハーレムを形成するほどの魅力がないので無理。
2つ目の金銭的理由に拒否感を示す人も多いとは思うが、私はそれ自体が悪いとは思わない。
何故ならば世界観が異世界だからである。
現代日本ならハーレムなど色々と異様な人間しかいないだろうから、自分は関わらないように避けるだけである。
だが異世界。これは大きな問題と可能性を秘めている。
まず現代日本の平均的な生活をしていれば格差を感じることはあるだろうが、その格差があっても命の危機を感じたりはしないだろう。
しかしいわゆる中世ナーロッパであるならば、寒村の村人なら不作や盗賊やら魔物により、王侯貴族よりも遥かに命の危機が身近にあるだろう。
であるからこそ主人公自体が強いので守ってもらえたり、主人公のお金で護衛が雇えたりすること、食料の輸入や生産力の向上のために異性があてがわれるのはどこにも違和感は感じない。
集団が生き残るための責任の押し付け合いの結果と見ればなんとも見苦しくもあるが、そんなものはどの時代どの地域にでもあるものなので仕方ないとも言える。
3つ目の政治的理由。これは2つ目と同じようなものではあるので、2つ目は主人公自らハーレムを作ろうとしたものとし、3つ目は周りや上から押し付けられたものとして書かれたものを指すことにする。
上位の商家や貴族、王族に押し付けられたヒロイン。
これに関しては主人公が著しく功績を挙げた結果であるときちんと描写されていれば、押し付けられた時点では違和感は全く感じられない。
もちろん現代日本で上司から押し付けられそうな相手が地雷ならいっそ会社をやめるかとも考えるだろうが、流石に小説であるのでヒロインは最低限の魅力があるものとする。
だが逆に考えてみる。
そのヒロインとは付き合う必要があるのか。
もちろん在地領主で領民を見捨てられないだとか著しい力関係であり拒否ができないということなら何も問題はない。
だがそうでないのならば付き合う必要性がかなり薄くなる。
何らかの組織でも個人でもいいが、政治的理由では責任が伴う。(1対1での結婚に責任がないということではない。)
結婚によって生まれる利益と損失。
それぞれに出費や配慮が必要となり、それにかかるのは利益や税と人手である。
それを周囲の人間が納得するかという問題だ。
周囲の人間全員がイエスマンとかいうクソは論外であるとして、組織に新たな要素が入ると押し退けられるのは組織に元いた人間である。
絶対に反対意見に溢れる。
軍隊で親戚となった家に遠征に行くと自分の領内の治安か兵隊の休日が犠牲となる。
商売で親戚に配慮をし商品を売るとなると、買い付け先か生産所か別の売り手に負担がかかる。
予算を増やして新しい部署を作るまでできるとする。
なら先にやっとけや!
人手が足りなかったなどもあるかもしれない。
なら人事総務の人間も足りねえだろうが!
そこの描写もほんの少しでいいから匂わせて欲しい。
さてここまではハーレムの形成理由について触れたが、次はハーレム形成後について語りたい。
なろうによくあるしょうもないイチャコラだったり脳みそハッピーなお友達感覚だったりする登場人物!
全員○ね!くたばれ!滅びろ!
個人的な感情を失礼。
だがよく考えて欲しい。登場人物の欲望の描写が十分になされているだろうか。
どのような理由のヒロインでも捨てられないように自分を上げるか周りを下げるかするだろう。
それ以外でもしたいことしたくないこと、やらなければならないことなどでもただ主人公に従ってはいとしか言わずに機械のようなヒロイン。
そして何より異性としてではなく仕事が十分にできるハーレム要因。こいつはハーレムに入る必要性が一切ないだろう。
仕事ができるのならばわざわざ結婚する必要がないだろうし、仮に必要な世界観であったとしてもわざわざハーレムに入らず別にまともな異性を見つけて捕まえればいいだけの話である。
こんな状態で主人公と結婚するとなればそれこそ主人公がマジカルなものや超絶名器を持っていないと納得ができない。
そしてハーレム形成後しばらくの描写についても不満がある。
結婚とは小さく見れば1対1の物だが、大きいものでは国対国の非常に大きな周囲に影響を与えるものである。
そこまでではなかったとしても、家対家の付き合いは必ず発生するものだろう。
もちろん町人同士の幼馴染でファンタジーバトルものであったりするならば、金に困っただとか親族の就職や結婚について相談があったりするくらいだろう。
だが身分が上がるとその程度では済まないことは容易に想像できるだろう。
軍事なり商売なり政治なりなんでも問題は発生するのが世の中であるのに、そこで問題が発生しない超絶有能な味方親族。
ありえない。以上。
まあこれに関しては、物語の密度が非常に濃く一月で起こったことを大長編で書いた物語などであれば、まあまだ問題が起こらないことに納得はいく。
そんな短期間にハーレム増やしまくることや立て続けにハーレム以外で問題が起きる中ハーレムを増やせることに問題を感じることは間違いないけどね!
いつもどおりとっちらかった文章になってしまったが、結論としてはハーレムをただただ楽しいだけのものにはしてほしくないということである。
ノクターンであればエロ描写以外に書くことはない!ということにも納得がいくが、逆に言えば内容がエロでないならばハーレムの必要性が薄いし、必要性があるとなればそれを十分に描写して欲しい。
それを描写していくとただ楽しいだけの脳みそハッピーなハーレムはありえないだろうし、より濃厚な人間関係が描写されることになるだろう。
それならば登場人物お人形問題なども起こらなくなるだろうし、それぞれの書き手によっていろいろな面白い登場人物が表現されるようになるだろう。
後日訂正の可能性あり