星の瞬く夜
貴方は夜が好きですか?
この作品は、夜を主体にしたミステリーラブコメディになってます。
夜が好きな方に是非読んで頂きたいと思います。
星の瞬く夜、僕は君と出会った。
暑い日差しに叩き起こされ、
つまらない1日の幕を上げる。
僕は、夏が嫌いだ1日が長く感じるから。
いやこの言い方は少し間違っている。
僕は、この世界が嫌いだ。
僕は、昔から人と関わるとこが苦手だ、いつもうまく馴染めず、高校生になった今でも友達は1人もいない、言うまでもないがもちろん恋人もいない。
世界が僕を嫌っているのだろう、卑屈かもしれないが僕は本気でそう思っている。
世界が僕を否定するなら、僕も全力で世界を否定しよう、これが、捻くれ者の僕が出来るせめてもの抵抗だ。
まぁ朝からこんな御託を並べていても仕方ないことだ。
今日という日はもう始まってしまったのだから。
重い身体を起こし、制服に着替え居間に降りると、キッチンから「おはよう、星」と祖母の声。
言い忘れていたが、僕の名前は”夜守 星”
つまり祖母は僕に向けて朝の挨拶をしてきているというわけだ。
「おはよう、ばぁちゃん…」と僕もお決まりのフレーズを返す、祖母はこの世界で唯一、心の許せる相手だ。
そう僕には、父も母もいない。
母は僕が幼い頃、交通事故で亡くなった。
父もその後を追うように幼い僕を残して自殺した。
そうして身寄りのなくなった僕を引き取ってくれたのが、母方の祖母と祖父だった。
祖母と祖父には感謝している、何不自由のない生活を送らせてくれた。高校に通えているのも2人のお陰だ。
っとそんなことを考えている間に朝食ができたようだ。
「いただきます…」祖母の作ってくれた朝食を食べながら眺めるようにニュースを見る。
だらだらとくだらないニュースが流れていく、今のところ僕の関心を引く話題は1つもない。
朝食を食べ終わり、テレビを消そうとしたその時、
興味深いニュースが耳に入ってきた。
どうやら地球からそう遠くない恒星が消滅している可能性があり、また恒星が消滅する際に発生する光は凄まじく数十年にわたって地球を照らすだろうという内容だった。
僕には、唯一と言っても過言ではない趣味が1つある。それは、”星を眺める”ことだ。といっても普通の感性の人のいう”星を眺める”とは少し違う。
星を眺めると、自分や世界が如何に小さくどうでもいいモノであるかということを教えてくれるような気がして、とても安心する。
それに付随して、僕は夜が好きだ。
夜になれば人は寝静まり、世界に僕1人しかいない感覚に陥れるとても幸せな時間だ。
星を夜を奪われては堪ったものではない、実際数十年地球を照らすなど、現実味もないし、有り得ないと思ったが、少し不安ではあった。
嫌なニュースを聞いた後の登校はいつにも増して憂鬱だ。
だが今日は頑張れる、今夜は雲一つない夜空が見えるらしい。
いつも通り変わりのないつまらない学校は終わり、
太陽が沈み始める。
この時を待っていたと言わんばかりに僕は支度を済ませて、家を出る。
家から数分歩いた先に小さな山がある。
そこの頂上が僕のお気に入りの天体観測スポットだ。
いつものように山を登っていると騒がし音がする。
何やら近くで祭りが行われているらしい、僕の憩いの時間を邪魔されているような気がして腹立たしく思ったが、そんなことを言っても仕方のないことだ。
早く頂上を目指そう…
頂上付近にまで辿り着いた時、頂上を見上げると、白く輝くモノがそこにはあった。
正確には、”あった”ではなく”いた”というのが正解だろう。
そこには月明かりに照らされ、白く透き通るような肌の少女が立っていた。
その姿はとても美しく、この世のモノとは思えない輝きを放っていた。
感情の起伏が少ない僕の心が踊っているようだった。
思わず声を掛けてしまいそうになったが、すんでの所で我に返った。
やめよう、人と関わりを持ってもろくなことがない。
と思った瞬間、少女と目が合ってしまった。
少女は少し驚いたように目を見開いた後、
口を開いた。
「御主、こんな所で何をしておる?」
この出会いが後に、僕の世界を変えるなどこの頃の僕は、思ってもみなかった。
本作品を読んで頂き誠に有難う御座います。
初めての試みなので、読みにくい部分や文法がおかしい部分多々あるかと思いますが、温かい目で見て頂けると幸いです。
コメント等して頂けると、とても励みになりますので、よかったらコメントしてやって下さい。