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【アニメ化決定】報われなかった村人A、貴族に拾われて溺愛される上に、実は持っていた伝説級の神スキルも覚醒した  作者: 三木なずな
第二章 大地の守護者

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28.精霊の偏愛

皆様の応援のおかげで月間総合二位になりました、ありがとうございます!

もう一つで夢の月間一位です、頑張って更新していきます!!

 オノドリムが俺を見つめている。


 探るような、期待するような。

 そんな目だ。


 どうしたもんかな……って思っていると。


「みゅーみゅー」


 窓が叩かれて、そっちを見ると、チビに戻ったエヴァが窓ガラスの向こうに張り付いていた。

 近づいて窓を開けてやると、エヴァは俺に飛びついてスリスリしてきた。


「どうした」

「みゅっ」

「そうか、魔力がきれて戻ったか。じゃあ今日はもういいから、後は休んでて」

「みゅっ!」


 エヴァは小さく鳴いて、俺から降りて、足元で丸まった。

 俺に飛びついてじゃれつくのも好きだけど、足元で丸まって寝るのはそれ以上に好きらしい。


 つくづく、その姿を見ていると「ワンコだなあ」と思ってしまう。


「その子……」

「うん?」


 振り向く。

 オノドリムがエヴァをみて不思議がってるのが見えた。


「どっかであった? なんか見覚えがあるけど」

「霊的には同じくみえるんだね」


 俺は納得しつつ、説明をする。


「さっき、僕の後ろにレッドドラゴンがいたよね。それがこの子なんだ」

「あっ、本当だ。かなり弱ってるけどあれと一緒だ……あれ?」


 一つ納得したと思えば、また次の疑問が生まれたような感じになるオノドリム。

 彼女は目を細めて、見えにくいものを見るような仕草をした。


「なんで、小さくなってんの?」

「これがエヴァの本来の姿だよ。産まれたばっかだから」

「じゃあさっきのは?」

「僕が魔力をそそいで、大きくしてあげた」

「えええ!? そんな事もできるの?」

「うん、まあ」


 俺は曖昧に頷いた。

 つい素直に答えたが、ここはぼかした方が良かったかな――とは思ったが。

 ぼかしても意味がないと、すぐに思い知った。


「むろんじゃ、マテオじゃからのう」

「凡夫には不可能だろうが、マテオならそれくらいは当然の様にやってのけるのだ」


 じいさんと皇帝、二人がものすごく息のあったコンビネーションで俺の事を褒め称えた。

 そうだった、この二人が同席してた。

 この二人がいる限り、俺がいくら謙遜しようとしても無駄な努力で終わってしまうだろう。


「ねえ、それをちょっと見せてもらえる?」

「うん、いいよ。ちょっと場所を取るから、ここをあけて――あっちに座っててくれる?」

「わかった」


 オノドリムは俺に言われた通りに、少し離れた所のソファーに座った。


 俺はエヴァの方を向いた。

 どうせいじいさんと皇帝がいるし、断っても無駄だから俺は素直にうなずいた。


「エヴァ、ちょっといい?」

「みゅー」


 エヴァは起き上がった。

 四本足で立って、俺を見あげる。


「ちょっとだけ、前みたいに前足だけね」

「みゅっ!」

「いくよーーえい!」


 俺はエヴァに触れて、魔力をそそいだ。

 前にチンピラを制圧したときのように、前足一本だけ元の姿に戻した。

 ぎりぎり室内に収まった、本来の姿のエヴァの足。


「おおっ、さすがじゃ」

「このようなテクニカルな事もできるのか、さすがだ」


 じいさんと皇帝はいつも通りだから、軽くスルーして。

 オノドリムをむいた。


「す、すごいわね。人間とは思えないわ」


 彼女は驚きと感心の間くらいの反応をしていた。


「そう?」

「そうよ。普通はこんな事できないし、ましてや足一本だけなんて。いままで何千万・何億の人間とみてきたけど、こんなの知らない」

「何億」


 そう来たか。

 大地の精霊で数百年間人間を見守ってきたのなら、それくらいの数になるのか?


 彼女が感嘆しているうちに、エヴァは元に戻った。

 子犬の様な愛くるしい姿に。


「……」


 ふと、頭の中である事がひらめいた。

 エヴァは、自分の力であの姿になることができない。

 俺の魔力じゃ無きゃダメだ。


 それと同じように、オノドリムも……?


「ねえ、一つ聞いていいかな」

「なに?」

「さっき、僕の魔法で、オノドリムがまた繋がって、普通の人間にも見えるし声が聞こえる様になったんだよね」

「うん」

「それって、何百年かぶりなんだよね」

「そだよ」


 それが? って顔をする。


「なんで自分でしなかったの? 何百年ぶりも、人間で言うとお腹を空かしたままで。大地の魔力が使えるんでしょ」

「なんだ、その事か」


 オノドリムはあっけらかんと頷いた。


「あたし人間じゃないから、魔力の変換できないんだもん」

「魔力の変換が出来ない?」

「うん、白の魔力しか使えない」

「……黒に変換ができないから、魔力が使えない、ってこと?」

「そ、だから人間と契約して、あれこれな形で人間から黒の魔力を提供してもらう、そういう契約だったんだけどねえ」


 オノドリムはそう言って、深い……深い深いため息をついた。


 そういうことだったのか……。


「不便なんだね」

「精霊ってそういうものだから」

「……って事はさ」

「なに?」

「僕が魔力を提供すれば、オノドリムも魔法を使える様になるって事?」

「理屈はね」

「理屈?」

精霊(あたし)は燃費が悪いの。白の魔力は余るほどあるから、節約とかしてこなかったしね。だからちょっとした魔法でもものすごい魔力をつかう」

「ふむ、まるで甘やかされた貴族の子供のようじゃな。二十皿の料理作らせて全部に一口食べて満足する、そのような輩と似ている」

「最初から恵まれていればそうもなる、精霊殿に非はない」


 じいさんと皇帝の会話が間に割り込んできた。

 じいさんのたとえが実に的確で、俺はものすごく納得した。


 まあそれはともかく。

 理屈ではできるのは分かった。


 だったら――試してみるまでだ。


 俺はさっきの事を思い出した。

 オノドリムが俺に大地の魔力との「つながり」を授けてくれた時の事を。


 その時の事を思い出して、オノドリムに近づき、頬にそっと手を当てながら。


「だから、あたしには――」


 何かを言いかけるオノドリムの頬にちゅっ、ってキスをした。

 さっきしてくれたように、頬に触れるキス。


「ああっ! ま、また!!」


 皇帝がまたも声をあげた。


 次の瞬間、俺とオノドリムの間が光った。

 さっきと同じように、おそらくは契約の光。


「こ、これって……」


 戸惑うオノドリム、自分の手を見つめる。


「これでオッケー、さっきしてくれた事と同じだから心配しないで」

「それ知ってたの?」

「ううん、見よう見まね。なんか間違ってた?」

「間違ってないけど……ええ、うそぉ!?」

「マテオじゃからな」

「……」


 じいさんはいつものように俺を褒めたが、皇帝は何故か黙ったままだ。


「見よう見まねでそんな事が……」

「それよりも、やってみて」

「え?」

「魔法を使えるかどうか。僕の魔力、黒の魔力を使える様になったはずだから」

「で、でも、人間一人分じゃ無理だよ」

「やってみようよ」

「うむ、やってみるがいい。そして驚きおののけ」


 じいさんがノリノリだった。

 なんか確信めいた口ぶりでもあった。


 俺とじいさんにせっつかれて、オノドリムは――


「じゃ、じゃあ、ちょっとだけ」


 そう言って、部屋の中を見回した。

 学園長室の隅っこに、鉢に入った観葉植物がある。

 それに近づき、手をかざすオノドリム。


 次の瞬間、光が観葉植物を包む。

 そして――一気に育つ!


 ほどほどの大きさだった観葉植物が、一気に天井まで届く位に育った。


「本当に使えた……」

「良かったね」

「そ、それより大丈夫なの?」

「うん。予想よりちょっと多めに魔力持って行かれたけど、大丈夫」


 レイフにチェックしてもらって、俺の魔力は圧倒的みたいだからな。

 だから大丈夫だと思ったんだけど、本当に大丈夫で良かった。


「……」


 オノドリムは驚いたまま、俺を見つめる。


 そして……。


「……ありがとう」


 と、今までのとはちょっと違った感じで、しっとりとした感じでお礼を言ってきた。


 そして、俺をじっと見つめる。

 その目もやっぱり今までのとは違って、なにやら真剣な目だった。


 どういう目なんだろう、って思っていると。


「ねえ、もうちょっと、魔力を使わせてもらっていい?」

「いいよ。なにをするの?」

「すぐに分かるよ。そだ、君の名前は? できればフルネームで」

「え? うん、」


 オノドリムは魔法陣を開く。

 繋がった俺とオノドリムは、ふれあわずに魔力の受け渡しができる。


 それでオノドリムは魔法を使った。


 次の瞬間。


『我が名はオノドリム、大地を司る白き精霊なり』


「むっ、これは」

「精霊どのの声が頭の中から声が聞こえる」


 目の前にいるのにもかかわらず、オノドリムの声が頭から聞こえてくる事に戸惑うじいさんと皇帝。

 そして、外もざわついた。


 おそらく、同じように聞こえてるんだろう、と状況から判断する俺。


 それはいいんだけど、なにをするんだ?


『我が名において、マテオ・ローレンス・ロックウェルに、帝国と同等の加護を授ける』


 ……へ?

 なにそれ、どういう事?


 と、俺の理解よりも早く。


「「「うおおおおおお!!」」」


 外から大歓声が轟いた。


 それで、理解した。


 精霊は、帝国と同じ加護を俺にくれるって宣言した。

 帝国に向けるものと同じものを、俺という個人に。


 それを言ったオノドリムは。


「どうかな」


 と、何か期待するような目で見てきたが。


 それ……やり過ぎ!

 じいさんと皇帝が今までやってきたことが霞むくらいのやりすぎで、すごいことだった。

「面白い!」

「続きが気になる!」

「精霊の溺愛も気になる!」


とか思いましたら

下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。

面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、素直に感じた気持ちでまったく構いません!

何卒よろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 「さっき、僕の後ろにレッドドラゴンがいたよね。それがこの子なんだ」 「あっ、本当だ。かなり弱ってるけどあれと一緒だ……あれ?」 ⇒「かなり弱ってるけど」って、普段のエヴァは精霊から見る…
[気になる点] 「僕が魔力を提供すれば、オノドリムも魔法を使える様になるって事?」 「理屈はね」 ⇒「理屈は」って事は実際はやったことがないと自分で言ってるよね? 「精霊は燃費が悪いの。白の魔力は…
[気になる点] ふと、頭の中である事がひらめいた。  エヴァは、自分の力であの姿になることができない。  俺の魔力じゃ無きゃダメだ。 ⇒「自分の力であの姿になることができない」って、子供なんだから無…
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