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平凡な女子高生の私に起こった不思議な以下略

 こんにちわ! 私、月読美琴! 十六歳のピッチピチ(死語)の高校二年生!

 どこにでもいる普通の女子高生だけど、強いて他の人と違うことを挙げるとするなら、恋のキューピッドをやってることかな!

 なのに私自身は誰にも告白されたことないの! なんでだろう?

 そんな私は今日も元気に学校に行って、いつものように恋する乙女を捕まえて場をセッティングして、普通に帰ってご飯を食べて、お風呂に入ってお休みなさい!

 明日もいい日になりますように!







――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――






「確かだいたいこんな感じだったよね」


 昨日のことを思い返しながら一人言を呟く私、月読美琴。

 ちなみに、テンションがおかしいことを除けばおよそ先ほどの表現はほぼ正しいのである。もちろん告白経験がないのも事実である。悲しいなぁ…。


「ふぐぅ」


 要らないことも思い出して無駄にダメージを食らいつつ、自分の周囲を見回してみる。




 ……森である。まごうことなき森である。

 いつの間にか私の部屋は森の中の広場へと超悲劇的なビフォーアフターを成し遂げてしまったらしい。

 夢だと思って頬をつねったのに現実はいつも私に厳しい。超痛かった。


 しかも、さっきから木々の隙間から首が二つある犬とかがチラチラ見えるので、私が急激な環境の変化によるストレスで幻覚を見てるとかじゃない限り、この森は少なくとも私の常識が通じるところではないらしい。

 ちなみに、私の中で現在の状況は本命痛かったけどやっぱり夢、対抗どっかの国の秘密の実験場、大穴異世界ないし地球以外の星。


「何にせよ、とりあえず水場を探さないと……どんな理由でこんなみるからに深い森に置いてかれてるのかは知らないけど、助けは来なさそうだし」


 確か、水は三日飲まないと死ぬんだっけ? あとは色々消毒とかあった気がするんだけど……いや、とりあえず今は川か何かでも探そう。とにかく水場を見つけないと消毒も何もないし。


 あー、夢だったら学校で話の種になるのになー。





――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――






「なんか、おかしくない…?」


 歩き始めたのはいいけど、何か妙な違和感があることに気付く。

 なんだろう、何がおかしいのかはわからないけど、とにかく何かおかしい。

 周りの木が妙に大きい……? いやでも、そもそもこの辺りの木が私の知ってる木とは限らないし……何がおかしいんだろう?




 そんな疑問を抱えながら歩くこと数分。私の耳に、水が流れる感じの音が聞こえてきた。


「水の音、かな? 多分、こっちの方っぽい」


 自分の耳を頼りに水の音がすると思われる方向へ進む。

 そこには、なんかこう…いい感じの川があった。体にいいか悪いかはわからないけど、少なくとも濁ったり、変な色が付いてたりはしてないし、見た目では大丈夫そう。


「ちょっと口に含んでみようか……って、あれ?」


 口に含んで変な味がしないか確認しようと俯くと、視界に何か金色の細い何かが映る。

 ……というか、位置からしてこれって私の髪? 私、普通に黒髪だったはずなんだけど。

 えっ、何が起きてるの? 私自身も匠に劇的ビフォーアフターされてたの?


「――――ええい、女は度胸!」


 川の流れが弱いところを探して手を入れて流れを止める。

 そして水を鏡がわりに自分の顔を覗き込む。


「えっ誰これ。っていうかやっぱりちっちゃい!?」


 するとそこには、金髪で赤い目をした小さい女の子がキョトンとした顔でこちらを覗き込むように写っていたのでした。


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