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はるか傍らの少女  作者: つづら日和
第三章 浅草百笑
63/63

9ー3

「よしっ!行こうか。」

 結局、浅草は何度揺らしても起きなかった。

 本を勝手に拝借するのは忍びないため、写真だけ撮ってしまっておいたけど…。


「兄ちゃん!」

「は?…うわぁっ!」

「どしたの?」

 お前がどうしたんだよ!幽霊でも見たかと思ったぞ?

「みんなは?」

「あぁ…と。後ろ」 

 ホントだ。ソーヤと律、それからカエラちゃんと丸山さんまでいる。ほんと人騒がせな奴らめ。

「心配したんだからな?」

「はーい。」

 申し訳なさそうに言うのはいいけどもうはぐれるなよ?

 


「丸山さんも手伝ってくれたの?ありがとう?」

「えぇ…。」

「それに、浅草にコートまで貸してもらって。…コイツ全然起きないんだよ。」

「大分、疲れていたみたいだったから。…ねぇ、起きて百笑ちゃん!」

「んん…。あれ…りおちゃん?」

 嘘…さっきまで起きる気配も無かったのにサクッと起きた。僕の起こし方が悪いのか…丸山さんが凄いのか…。


「カエラちゃん…大丈夫?」

 丸山さんに、手をつないで連れられてきたカエラちゃんはボーと焦点がさだまって無い感じの表情をしている。心配だ。

「えぇ。たまにどこ見てるかわからない時があるから。」

「へ、へぇ…。」

 そういうものなのか?

「お前らどこ行ってたんだよ?」

「夢の中?」

 えぇ…。真面目そうな律がそう言う返答して来ると思わなかった。

「頭が寝起きみたいに重たい感じがする。」

「大丈夫か?」

「はい。」

 で、結局どこにいてたんだよ?まさか、ついこの間の僕等のように覚えたさて無いなんてことないよな?

「ソーヤ?」

「えっ?…あぁ、祐希兄ちゃん?」

「ソーヤも相当ぼんやりしてるな。大丈夫?」

「あ、うん!僕の頭は多分大丈夫じゃないと思う。」

 それか…そうなのか…。大丈夫と聞いて大丈夫では無いと言う返答が帰ってきたときが正直一番困る。

「あぁ…そっか。安静にしとけよ?」

 どう返していいのかわからずとりあえずそう言っておいた。

 

「みんな、昼食食べてる頃だと思うから。急ごっか?」

「えっ!ご飯!?ヤッター!!」

「早く行かないと予約した時間、過ぎるけどな?」

「え!急がないと!」


 なんか、置いてけぼりな気がするのは気のせいだろうか?

 僕が心配する必要もないくらい陽希はアッサリと3人を連れ戻してくれたんだ。

 

「げっ…みぞれが降ってきた。」

 とりあえず、みんなで小走りで昼食場所へと向かった。


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