1.夢のような本当の日
あれ…ここからどうなったんだっけ?
さっきまであんなに鮮明に思い出せたのにここからはまったく思い出せない。幼い記憶は思ったよりあやふやだ。この記憶だってあっているか自信がない…だって、
僕は引き出しの中から赤い石を取り出す。
「実際…石は僕が持ってるんだよなぁ。」
そこにはずっと前から大切に保管してある石があった。
なぜ、こんな昔のことを思い出していたかというと『今まで一番驚いたこと』が英作の宿題になったからだ。
とは言っても、僕は小さい頃に謎の生き物に会いました!なんて…爆笑されそうで発表できる内容じゃないよなぁ。
あの出来事は確か、小学一年生になる前…。いや、なった後だったけ?まぁ、それくらいだった気がする。未だにあれが何だったのかよく分からないが、僕の勝手な推測で、横たわった機体に謎の生き物を見るに宇宙人らしき生き物があそこに墜落でもしたんじゃないかと思っている。
実際、証拠の石はあるからあれは夢ではない!…はずだ。
「ご飯できたわよー!」
「はぁーい!」
一階から大声で呼ばれて、返事を返した。今日は家に母さんもいるし、あの頃のことを直接聞いてみればいっか。
そう思って、石をジーンズのポケットにいれて起き上がった。