9ー2
更新、遅くなりました。
すいません。
「えっ」
と言って、浅草はボーとすると、「ううん。何で?」と戸惑いながら笑った。
…はぁ。
いつも通り。いつも通りすぎるんだな。
それも、疑っている僕が馬鹿らしくなるくらい…でも、絶対何か隠してる。
「それならいいよ。」
僕は前に向き直ると、さっきと同じように歩き始めた。
「いつか、私から言うよ。」
後ろで浅草はたしかにそう言った。
僕は「え?」と振り返る。
そこには浅草が静かにほほえんでいた。
「さっ、早く行こ!」
そう言って僕を抜いて駆け出していく。
「は?ちょっと待てって!」
僕も後を追いかける。
山へと続く道は電灯の明かりのみで照らされている。
やけに山が遠く思えた。
聞こえるのは浅草と僕の声のみ。
家々が並ぶのに人が住んでないのかと感じるくらい静かだ。
浅草を追いかけている途中…一つの電灯の影かざわりと動いた。
【やっぱり来た。】
無機質な声が頭の中に響き、体がビクッと震え、足を止める。
声の主がどこにいるのかは分からない。
けど、この声は知っている。
「丸山りお」
電灯の下から音もなく丸山りおは現れた。
「ひさしぶりね。マル。」
そう言っては浅草を見る顔は、笑っているだけで何も感情が感じられなかった。