2ー4
完全に目があってる。終わった。
僕は硬直して固まった。その様子に違和感を感じたのか陽希も後ろを見る。
「わぁぁぁあ!!宇宙人だぁぁあ!!」
この緊張感の中、嬉しそうに高い声を上げる。その声はピリピリとした空気を破った。
僕は我に返る。『今はそれどころじゃない。逃げないと』と。これが幼いか幼くないかの違いだと思う。幼い子どもは何にでも躊躇なく飛び込む能力が備わっている。
「すごいすごい!!」
「待てって!!」
陽希が駆けだしていく。ろくな事をしないっ!!
宇宙人は手を銃へと伸ばしている。いつでも銃を取り出す準備をしているんだ。
僕は駆け出す陽希へと手を伸ばす。
その手はリュックをかすって空気を掴んだ。
すべての光景がスローモーションに感じる。駆け出していく陽希。銃を構えだす宇宙人。手を伸ばす僕。そして、
さっそうと空から現れ、宇宙人2匹を蹴り飛ばす黒のフードのワンピース。
ん?今何が起きた?
僕の目の前には立ち尽くす陽希と、蹴り飛ばされて白目をむいている二匹の宇宙人。
その前で突然現れた救世主は「ふぅ…。」と息を吐いて、スカートをパタパタとはらうと後ろを振り返った。
フードの中には、垂れ下がったウサギのような長く垂れた耳、イルカのような口…そして、くりッとしてきれいな瞳がこっちを見ていた。
更新はできる時にするスタイルです。
一回一回の話が短いので月に最低8回以上をノルマにして頑張ります。