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善か悪なら魔王だろ?  作者: You Re;
1章
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6.魔王(幼児)家前進出中

生まれて早2年。

肉体的にはすでに自由自在に動けるようになった。

毎日我が家の前で朝から夕方まで走り回っている。

この世界には魔物がやはりいるってのはだいぶ前からわかっていた。

食事にたまに肉が入っていて、おかんに

「これは何の肉?」

って聞いたら

「ホーンラージラビットの肉よ。」

って言われた。

詳しく聞くと体長1mくらいのツノの生えたウサギに似た魔物とのこと。

まあエルフもいて魔法もある世界に魔物も付きものかと納得はしたが、気軽に外には出して貰えないかなと心配になった。

である日、おかんに

「ユーリはお外で遊びたい?」

って聞かれて、期待を込めて

「うん」

と返事をしたら、

「じゃあ一つだけ約束を守ってくれたら、お外で遊んでもいいわよ。」

と言われ外への扉を開けて俺を連れ出した。

扉を出たところから家の前の広場と森の境を指さして

「森の中へ入らないでおうちの前の広場だけで我慢出来るならいいわよ。」

と言われた。

もちろん家の中だけで満足できていなかった俺は

「うん、約束する。」

と返事をした。

「ええ、約束よ。じゃあ遊んでいらっしゃい。」

そう言われて俺は広場の真ん中へと走り出した。

広場とは言っても半径20mくらいの何もない空間なんだけど、2歳児には十分すぎる空間だろう。

とりあえずきょろきょろと周りを見渡して家の周りの状況を確認してみる。

まずは我が家だ。

我が家を外から全体を見るのは初めてだが、家の中から想像していた通りのサイズで壁は石を積み上げたもので屋根は木で三角に作られている。

思ったりよりも外観はきれいでまだこの家が出来てから数年しか経っていないように見えた。

我が家とは室内ではつなっがていない寄り添うように建てられたすべて木で作られた3畳ほどの小屋もあった。

俺が約束を守れるか確認するつもりの扉の前に立ったままこちらを見ているおかんに訊いてみた。

「あの小屋はグリンの作業小屋よ。中には刃物だとか危ないものもあるから入っては駄目よ。」

とのことで、どうやら獲って来た魔物をさばいたり家具の修繕なんかをする小屋のようだ。

次に我が家を囲む森だ。

だいぶ深い森のようでどの木も見上げてもてっぺんが見えないほど高く、木々に阻まれて遠くまで見通すことは出来ない。

ただやはり植生からある程度の高さがある場所なのは間違いようだ。

見上げてみた空は雲一つない晴天で眩しさで思わず手をかざした隙間から太陽が輝いていた。

うん、やっぱり家の中で魔法の訓練や微筋トレをするより健全だね。

二人にはまだ俺が魔法が使えることは気付かれていないと思う。

二人が魔法を使っているのを見たことも相変わらずないけどね。

それにここの方が体を動かすにはいいね。いくら体がまだ小さいからといって狭い家の中ではあまり動き回っての運動は出来ないからね。

おかんは相変わらず俺を見ているが、これから毎日俺が外にいる間に見張っているわけにもいかないだろう。

家の裏に小さいながら家族3人が食べれるだけのサイズの畑があり、その世話をするのはおかんの日中の仕事だかね。

今までも日中はおかんのいない家の中で魔法の練習や微筋トレをしていたんだよ。

俺が森の中へ入るようなそぶりを見せなければ2,3日で俺一人で家の前に出る事も出来るだろう。

2歳児だけどわがままも言ったことがないし、二人の言いつけは破ったことはないし、基本自分で出来る事は自分でやるし信頼されているって確信はある。

何回も言うけど、異常な2歳児だけどね。二人はやっぱり気付いていない。

俺一人で出れるようになれば、大きな魔法はばれそうだから無理だけど、今までよりは規模の大きな魔法の練習は出来るし、体の鍛錬もよりしやすくなるから楽しみだ。

この体は出来がいいのか、そなたさんが何か手を加えてくれたのか解らないがやればやっただけ力がつく。筋力であったり魔力であったり体を自由自在に動かす力であったり。

《力を得る事が出来る》

うん、そなたさんの言った通りだった。

これからもしっかり鍛えて力を得続けようと思う。

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