第七章 思い
健とりかこと慎吾と裕美で遊んで以来、1週間ぶりに健に会う。
今日は、みんなで前から、計画を立ててた。
ディズニーシーに行く。
「みんな!!おはよー」
「おはよー」
「よっ!!」
健が居ない。遅刻かなぁ??
「あれ!!まだ、健は来てないの??」
この時、何で気づかなかったんだろう。
みんなの表現が変わったことに…。
「今日は、あいつ休みみたい…。」
「えっ!!何で??」
「風邪みたい…」
昨日、電話したけど、そんな事言ってなかった。
「そっかぁ―!!健に電話かけて来る!!」
健…大丈夫かなぁ??
何回も何回も電話をかける…呼び出しされてるのに出ない。
何で??
「健…出なかった!!」
「まぢかぁ―」
「あっ!!でも、心配しないで行って来いって、言ってたで…。」
「そっかぁ!!じゃあ、行こう」
何で、この時のりかこは一つも疑わなかったんだろう。
この時、気づいて居れば、まだ、状況は変わったかもしれない。
ディズニーシーに着いた。
「何乗るか??」
「ん〜アリエルのショーみたい!!」
「よっし!!行こう!!」
今日、一日みんな…りかこの好きな所に連れて行ってくれて、
好きな乗り物に乗らしてくれた。
「今日はありがとうね!!とっても、楽しかった」
「おぅ!!」
「じゃあな」
「バイバーイ」
さっそく、今日のことを報告しようと思って、健に電話をかける。
「もしもーし」
「もしもし」
「風邪大丈夫??」
「おぅ!!」
「ディズニーシーとっても、楽しかったよ!!」
「良かったな」
「ねぇ―!!今日…会えなかったから、今週の日曜日遊ぼー??」
「おぅ」
「じゃあ、13時にハチ公ね!!」
「おぅ!!じゃあな」
「バイバーイ」
何か、冷たい。
まっ!!今週の日曜日、た―くさん遊べるから、我慢しよう。
日曜日。
朝から…めっちゃウキウキ。
待ち合わせ場所に行くと、健は居ない。
15分後、健が来た。
「久しぶり!!」
「おぅ」
「どこ行く―??」
「お前、俺のこと好きかぁ??」
「好きに決まってんじゃん!!」
「行きたい場所がある!!」
「えっ!!どこに―??」
「着いてこい!!」
「うん」
着いた場所はラブホテル!!
何で、分かんない。
個室に入る。
「脱げ!!」
「何言ってるの??」
「早く!!」
「けん??」
「俺のこと好きだったら、脱げよ!!」
健の言葉が理解できない。
でも、気づいた時は、健に脱がされていて、健と体を重ねていた。
1つ1つ確かめるように、キスをする。
何回も、何回も、ベットの中で、1つになった。
でも、いつもの健じゃない!!
こんなの変だよ。
一方的なんて、変だよ。
「健…??」
「何!!」
「何か、あったの??」
「別に…。」
「健はりかこのこと好き??」
「おぅ」
「良かった」
そして、また体を重ねた。
気づいたら、2人とも寝ていた。起きたら、20時…。
「健…起きてる??」
「おぅ!!」
「帰らなきゃ!!」
「何時??」
「20時…。」
「送るよ!!」
「ありがとう」
家まで、送ってくれた…。
結局、今日はラブホテルにずっと居た。
それでも、りかこは良かった。
健が好きだから。
あれから…何回も会った。
いつか、また、前みたいに健が優しくしてくれるって、信じて…。
でも、行く場所は変わらなかった。今のうちらって何??
何回も考えてた。
でも、分かんない。
今日は、たまり場に行く。
健が最近、態度が冷たいことを相談にのって欲しかった。
1人でたまり場に行くのは、初めて…。
だって、隣には健が居たから。
着いた!!
ピンポーン
「はいよ!!今、開けるで」
「誰や??」
今日は、みんなを驚かそうと思って、何も言わないで来た。
ドアが開いた。
「りかこだょ!!」
中から出て来たのは、海斗だ。
海斗は一気に挙動不審になって、顔色を変えながら言う。
「今日、帰った方が良いで!!」
「何で??」
「聞かない方がいいと思う」
ふっと、下を見ると…。
…健の靴がある。
「中に健居るの??」
海斗の返事を待たないで、中に入る。
「お邪魔します―」
中に入る。
一瞬夢かと思った。
夢であって欲しかった。
見たくなかった。
健が知らない女の子とキスをしている。
床にはたくさんの薬が散らかっている。
部屋から…飛び出した。
走って、走って、どこまで走り続けた。
知らない、場所に着いた。
頭の中、整理出来ない。
その場に座りこんだ。
こういう時に限って、健がくれた…香水の匂いがいつもよりする。
健がくれた…ネックレスも、健がくれた…指輪も…いつもより輝いて見える。
健はりかこ以外の人とキスをして、抱き合っていた。
薬もあった、どういう事??
健はきっと、気づいてなかったよね。
「好き」って、言ってたのは嘘??
もう、健はりかこに振り向いてはくれないのかなぁ??
その場に泣き崩れた。
指輪とネックレスを外した。
ネックレスは、投げ捨てた。
指輪は、健に会って直接、返す。
もう、終わりなのかな??