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1.ばけものがうまれたひ
そのばけものはなんてことない、ただのふつうのしあわせな夫婦のあいだにうまれました。
あまり小さいころのことはおもいだせませんが、もうその頃からなにかふつうのひととはちがっていたようにおもわれます。
そして、ばけものもその両親も、ばけものとはまだきづいてませんでした。
ばけものはおおきくなって、まちでひととあそぶようになりました。
しかし、ばけものは「ニンゲン」とはちがうので、うまくみんなにあわせられなかったり、きずつけたりするようになりました。
さいしょ、みんなはいっしょなかよくあそんでいましたが、そのうちそのばけものをいじめるようになりました。
それでもばけものはじぶんのせいとはきづきません。