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百円の彼女  作者: 上村俊貴
出会い
6/23

その5

 結局、アンドロイドの音声案内が始まるまでの時間で、掃除・洗濯と軽い夕食を済ませた。

 マニュアルによると、音声案内が始まるまで約5時間かかるらしい。

 ACアダプターを接続したのが午後6時ごろで今は午後8時を少しまわったところなので、あのくそマニュアルが正しければ、あと3時間ほどで音声案内が開始されるはずだ。

「風呂でも入るか」

 とにかく待っているだけでは時間がもったいないと考えた俺は、風呂に入ることにした。

 掃除は済ましてあるのであとは、声で指示出せば、5分ほどで湯張りが完了する。

「コマンド:湯張り」

 俺の声に反応して電子音が響きそれに続いて

『コマンド受領、湯張りを開始します』

「さて」

 たかだか5分である。できることなどほとんど無い。

 俺は、特に何をするでもなく今日のことを思い出していた。

 朝、いつも通りに家の前の坂を下って学校に行き、特になにも起こらないまま、明日から行われる定期テストの連絡を受けて、帰路についた。

 問題はここからだ。

 帰りに涼みに入った百均でこのアンドロイドを見つけた。

 大変なのはその後だった。

 俺は徒歩通学だ。

 車など持っているはずがない。

 そうなれば必然的に、購入したもの、つまり普通に人間一人と変わらない重さのアンドロイドを自力で運ばなければいけなかった。

 しかも、家の前には坂があり、登校時に下りだということは………いやこの話しはもう終わりにしよう。

 正直思い出したくもない。

 と、思い出したら急激に激しい疲労感に襲われた。

 それと同時に睡魔も。

「や………ば……………い」

『湯張りが完了しました。すぐに入浴しない場合は、――――――――――』

 湯張りが完了したと伝えてくる給湯器からのアナウンスが徐々に小さくなり………抵抗むなしく俺の意識は遠退き、やがて規則正しい寝息をたてるだけとなった。





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