「 HOPE 」
「HOPE」
例の女神がふざけて窓際の安いけれど俺の好きなピアノに座って、悪くない不協和音、尻で弾きながら
聴きたい曲は?って生意気にもほざくんだ
俺の聴きたいのは曲じゃねえ、
歌でも、歌でも、
うたえってったら、急になりをただして、不意に外を指差した
あそこにある
盗ってきて
あそこにある
奪ってきて
あそこにあるのが歌。
知ってるでしょう
なんか急に荒い口調で、並べ始めた。とめても聞かねぇし黙って聞いてた。ら、
とぼけるフリがうまいな
しらばっくれる術が暗いな
だって。
泣き叫んだりかきむしったり煮えたぎったり擦れあったりしびれあったり狂いあったり呪いあったり愛しあったり殺しあったり転げあったり信じあったりすかしあったり騙しあったり無関係無関心無感動決めこんだり、罵りあったり黙りこんだり
どれもこれも
覚えがあるだろう
いやこれ以上の、
それ以上の、さ
誰かがドアを叩いてる
誰もがドアを叩いてる
きっとあんたに
少しだけ訊きたがってる
たぶん少しだけ訊きたがってる
誰の言うことを聞けばいいのだろう
町の東にある教会の牧師さまの教えに耳を傾け、閉じかけた瞼が首を傾ける
火のような毎日に油を注がれ
燃え上がる情熱に水をかけられる
焼けつく日差しの中木陰に逃げる
バッテリーのあがった車の中じゃあ
蝉の声に溶けこんだボスのヒステリー
いとしいしぐさが下手だな
いとしいものを
探すのがキモいな
遮ったり、やり過ごしたり、ただ黙ったり、押し殺したり、根にもったり、通り過ぎたり、閉じこもったり、白目剥いたり、裏切ったり泣いたり鳴いたり数数えたり死んだり死ぬ感じつかんだり笑ったり笑った感じ演じたり
どれもこれも、覚えがあるだろう
これ、以上の
それ以上の、さ
誰かがカギを握ってる
誰もがカギを使ってる
きっと、あんたを知りたがってる
たぶん、少しずつ
知りたがってる
きっと、あんたに、訊きたがってる
たぶんあんたに、訊きたがってる
誰かがドアを・・・カギをあけたがってるきっと、きっと、あんたに訊きたがってる知りたがってる・・・・・・・誰も誰か誰か誰か誰か誰か誰かも誰か誰か
訊きたがってる・・・・・・・・