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父が閻魔になりまして  作者: ナガカタサンゴウ
父が閻魔に護衛が鬼に
4/15

少女との会話

 三十分の間にあったことをまとめるとこうだ。


 父さんは死んだ後審判所(天国行きか地獄行きかを審判する所だ)に行ったらしい。

 父さんは死んだ友達を探したかった為閻魔大王の元に行った(案内された)らしい、そこで事件は起きた、閻魔大王が倒れたのだ。

 その場にいた鬼や小人はパニックに陥った、その事態を冷静に収めたのが父さんだった。

 閻魔大王はしばらく動けなくなってしまったらしい、しかし時期閻魔大王、つまり閻魔の子供はまだ幼く役目を果たせそうに無い為代理を立てることとなった。

 そこで選ばれたのが父さん、その場の冷静な判断を評価されたらしい、父さんは何気なしに承諾した。

「……で、何で護衛がいるわけ?」

 俺は神守さんに聞いた

「一時的とはいえ奏樹様は閻魔大王の息子ということになっています、もちろん狙われるでしょう」

 何がもちろんだ。

「なんで狙われるんだよ」

「人質にするんですよ、閻魔大王は審判所の最高責任者です、様々な権限がありますからね」

「……なるほど」

「わかっていただけたでしょうか?」

「わかった……一つ頼んでもいいか?」

「なんでしょうか?」

「俺のほっぺをつねってみてくれ」

「了解です」

 神守さんが俺のほっぺをつねった。

「いたい! くそ痛い! ストップストップもげるちぎれる取れるー!!」

 神守さんはびっくりするほどの力を持っていた、しかも少し鋭い爪が食い込んでいる。

「なぜこのような事を? 奏樹様はМなのですか?」

「違う、断じて違う」

 てかなんでコイツはМとか知ってて信じられない時にほっぺをつねる行動を知らないのだろうか。

「そうなのですか」

「そうだよ」

「…………」

「…………」

 神守さんは俺から目線を外さない。

「……あの、どうしたの?」

「いえ、護衛をしているだけです、お気になさらずに」

 気になる、気になる!!

「あの……」

「どうしました? 奏樹様」

「その奏樹様っての止めて……欲しいな」

「わかりました、閻魔大王代理ご子息」

「長っ!!」

「不満でしょうか?」

 神守さんは首を傾げた。

「長い……かな」

「そうですか……じゃあ」

 神守さんは傾げたままだった首をもどして。

「そ」と言った。

「そ? なんだそれ」

「奏樹様の{そ}です」

「短かっ!! 極端すぎるだろ!! お前は限度とかを知らないのか! 何を知ってるんだ!!」

 そう言うと神守さんは少し複雑そうな顔をして。

「冗談だったのですが……」

「すいません」

 本当にすいません、神守様。

「ちなみに知っているのはМとかSとか……」

「なんでそのネタをぶり返す」

「冗談です」

「そうだろうな」

「…………」

「…………」

 また沈黙が流れる、少しして神守さんが恥ずかしそうに口を開く。

「あ……あなた」

「話をいきなり戻すな! あと恥ずかしがるならやめとけ!」

 神守さんはいきなり真顔に戻って。

「冗談です」

「わかんない!!」

 本当にわかんない、とりあえず呼び方は保留する事にした。

「……質問いい?」

「なんでしょうか」

 神守さんが首を傾げる、多いな。

「なんで神守さんのような歳の子が護衛とかしてんの?」

「私のような歳とは?」

「そりゃあこの世界で言う中学生二年生のような?」

 そう言った瞬間神守さんが俺の手を掴んだ。

「な……何?」

「それは約十四歳ということでしょうか?」

「そうだけど」

 答えた瞬間俺の手に激痛が走った、神守さんが力を入れたのだ。

「痛い! 痛いから、ギブギブ!! ギブアーップ!!」

 神守さんは少し力を緩めて口を開いた、緩めてもまだ痛いんですけど。

「私の歳はこの世界の時間で数えて二十一歳に当たります、立派な大人ですが」

「すいません……」

「わかってくださればよいのです」

 そう言って神守さんは手を離した。

「私達鬼は人間より外見成長が遅いのです、外見の約一点五倍の精神年齢となります、お気をつけください」

 そう言った神守さんの声はとても冷たかった、コンプレックスなのだろうか。

「はい、以後気をつけます」

 護衛をする理由の話も保留となった。

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