謎の少女?
「あーあ」
俺は逃げるようにリビングを出て自室のベッドに倒れこんだ。
「なんだってんだよ」
父が死んでからリビングの空気が暗くて重すぎる、当然俺も悲しいのだがそれにしても重い。
「はあ……」
時計は夜の九時を指している、相当早いが俺は寝ることにした。
夜中の二時に俺は目が覚めた、水でも飲もうとベットから起き上がろうとした時視界の端っこに何かの影が見えた。
それを何か確かめようと俺が振り向く前に声が聞こえた。
「お目覚めですか?」
俺は固まった、この部屋に俺以外の誰か……しかも声からして家族では無い者がいるのだ。
頭が真っ白になっている俺を気にすることも無く、その者は俺の顔を覗き込んできた。
「どうしました? 寝ぼけていらっしゃるのですか?」
覗き込んできたのは可愛らしい顔をした女の子だった。
俺は声を失った、なぜならその女の子の頭には角が生えていたからだ。
「どうしました~? お~い」
女の子が手を振って呼びかけてきた所でやっと俺の頭は動き出した。
「だ……誰ですか」
やっとのことでそう言うと女の子は笑顔で答えた。
「今日より奏樹様の護衛をさせていただきます、{神守家二十七代目守鬼}神守笹江と申します」
「へ……」
よく言われていた言葉があった「緊急事態こそ冷静になれ」父さんはそう言っていた、しかし本当の緊急事態になればそれは難しい、現に今の俺は超パニックだ。
パニックになりすぎて動けない。
「もちろん種族は鬼です」
神守と名乗った女の子はそう笑顔で言った。
俺は気絶した。