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第25話 「天○様のプレゼント」

決闘に勝った私なんだけど、競技場はブーイングの嵐


勝った。


厨二病が発病していたとは言え、圧勝してしまった。審判が再び私の勝利を伝えた。


しかし、場内のブーイングは一時も収まらず、やがて前列に座っていた赤いマントの貴族が立ち上がった。


「待て!この決闘は無効だ!アシュラ令嬢は『戦闘不能にした』だけで、誰も殺していない!規則では『一方が降伏するか死亡するまで』だろう!」


声を上げたのは、東方貴族のバロン家当主。すると他の貴族たちも相次いで立ち上がり、


「無効だ!」


「再試合を!」


と叫び始めた。観衆の怒りは一気に高まり、闘技場は湧き上がるような罵声に包まれた。


私は剣を鞘に収め、そんな騒ぎを静かに見下ろしていた。その時、観客席の最上段、玉座のような場所から鈴鳴りのような澄んだ声が響いた。


「静かにせよ!」


たった一言で、場内は瞬く間に静まった。立ち上がったのは金髪に蒼い瞳の青年——皇太子カインだった。


「この決闘は、規則どおり有効だ」


カインは厳しい眼差しで貴族たちを見渡し、続けた。


「『戦闘不能』とは、一方が今後の戦闘に参加できない状態を指す。彼らは全員気絶しており、降伏する余力もない。これ以上何を求めるのか」


「だが、皇太子殿下!アシュラ家は……」


「反対する者はあるか?」


カインは貴族の言葉を遮り、鋭い視線を放った。


「あるのなら、この場でアシュラ令嬢と戦え。勝てば決闘を無効にしてもよい」


場内は一時、凍りつくような沈黙に包まれた。その中で、一人の男が重い足取りで闘技場中央に進んできた。


身長は二メートルを超え、鉄塊のような肉体に黒い鎧をまとい、巨大な両手剣を肩に担いでいる——学園屈指の豪傑、ゴリアテだ。


「俺が戦う」


ゴリアテは低い声で言い、両手剣を地面に突き立てた。


「アシュラ令嬢、俺は貴様の実力を認める。だが、貴族たちの意地も曲げられない。ここで一騎打ちだ」


私は緩やかに頷き、鞘から剣を抜いた。


「承知しました。手加減はしませんよ」


「それが当然だ!」


ゴリアテが両手剣を振りかぶると、地面がガクリと鳴った。一撃で闘技場の床が割れるほどの力——だが、その動きは私には遅すぎた。


「ふん!」


剣が振り下ろされる瞬間、私は体を横に滑らせ、ゴリアテの脇腹に青銅の剣を突きつけた。だが、その鎧は驚くほど硬く、剣は弾かれてしまった。


「なあ?この鎧は龍鱗を混ぜて鍛え上げたものだ!貴様の小さな剣じゃ傷一つつけられない!」


ゴリアテが体をひねり、両手剣を横に振りかけてくる。これは避けるより受け流すしかない——私は剣を水平に構え、その打撃を受け止めた。


ギシャリッ!!


青銅の剣からクラックが走り、私の体は後ろへ飛ばされた。地面に転がりながら勢いを制御し、立ち上がると、剣の先端は折れていた。


「ふふ、剣が折れたぞ!今度は終わりだ!」


ゴリアテが大股で迫ってくる。私は折れた剣を捨て、両手を空に広げた。


「剣がなくても戦えるわ」


「バカな!」


ゴリアテの両手剣が頭上にかぶさる——その瞬間、私は足元を蹴り上げ、体を空中に浮かべて彼の腕の裏側に蹴りを入れた。鎧は硬いが、関節は弱い——ゴリアテは唸り声を上げ、両手剣の軌道がズレた。


「ここ!」


私はその隙間から彼の胸元に飛び込み、両足で鎧の窪みにかみつかせるように蹴り込んだ。ゴリアテの巨大な体は後ろへ傾き、ついに膝をついた。


「な、なんだ……この速さは……」


私は彼の肩に足をかけ、体を回転させながら最後の蹴りを背中に放った。ゴリアテは重い石のように地面に伏せ込み、動かなくなった。


「ゴリアテ……戦闘不能」


審判の声が響いた瞬間、場内は完全な沈黙になった。誰もが言葉を失い、私と伏せたゴリアテを見つめていた。


カインが再び立ち上がり、声を上げた。


「これで決闘裁判は終了だ。今後、アシュラ令嬢に対する無用な非難や挑戦は、いっさい認めない。」


その言葉で、長引いた騒動はようやく幕を閉じた。私は汗を拭き、場内の静まり返った空気を吸い込んだ。勝ったのはいいけど……わっぷ!!


そう思っている私の顔を双丘の柔らかい感触が覆い被さった。


「セイラ様。ありがとうございます」


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