第20話 「決闘イベント 2」
学園を襲った衝撃波による轟音は、大騒ぎになったのは言うまでもない。
負傷したクラスメイトの救護活動から始まり、いったい何が起きたのか、一部では、スタンピードが発生したなどと言う噂もでて、国軍までやってきたほどだった。
こうして、私は今、職員室で教官たちに囲まれて、尋問を受けていた。
「君は一体何をしたんだ!!」
「ですから、決闘を申し込まれて、手袋を投げ返しただけです」
「だったら、何故あんなことになるんだ」
「それは…」
そこまで言って、私は言葉をのんだ。そうだ、この世界はナーロッパだ。物が音速を超えたときに衝撃波が発生すると言っても誰も理解できないに違いない。
「どうなんだ」
「たぶん…思いっきり投げた手袋があまりにも速くなって、あんなことが起きたんだと」
教官たちは怪訝な表情をしている。当然だろう加護なしの私がそんなことができるはずがないと思い込んでいるのだから
「そうか…アシュラ令嬢、君の話はよく分かった。しかし…どうしてそんなウソをつくのだ」
「私はウソをついていません」
「笑わすな。大体だな手袋を投げただけでそんな現象は起きないし、ましてや、加護なしで光属性しかもっていない君にそんな芸当ができるはずもない。これ以上ウソをつくなら、君には退学してもらうがいいかな」
「退学は、こまります」
「そうだろう。それで一体どうやって、あの騒ぎを起こした」
「えっ?」
「誰がやったんだ?いいなさい!!」
「誰でもなく、わたしです。なんでしたら、同じことをすればいいのですか?」
「さっきから言っている通り、まだ、ウソをつくのか?加護なし、光属性しか持っていない。君にできるはずもない。本当に君は退学したいのかな」
「いえ…では、どうすれば」
そこへ魔法担当の教官が入って来た。
「軍からの報告です。あれは火球のせいだと判明しました」
「火球だと!!」
教官たちは、話し合っている。
「そう言えば、アシュラ令嬢は、加護なしだもんな、そこへアライド令息からの決闘の申し込み」
「死の可能がある決闘に返答したい」
「しかも負け確実の彼女を助太刀をする人はいない」
「破れかぶれになった彼女は、手袋を投げた」
「そこへ偶然火球が飛来して、あの騒動が起きたか」
全部聞こえているんですが、教官達は、話し合いで何か納得した様子だった。しかも、私に決闘をさせて、学校から追い出せるんじゃね?みたいな事を言っている。
そして、一人の教官が私に話しかけてきた。
「そういえば、決闘がどうとか言っていたが、あれは、ブリスベン令息との話だったな」
「はい」
「君は、その決闘を受けると言ったそうだな」
「はい」
「そうか…その決闘は、我々が立ち会うことにする。ただ、ブリスベン令息は、ケガをしているから、あちらは、イチビリッチ令息とモブ令息、それにネタニアン令息の3名が助太刀をするそうだ」
「3名も」
「怖気ついたか?校則では一度受けた決闘を破棄すれば、退学になるがどうする?」
教官たちもどうやらグルのようだ。ここで退学になったら、お母さまにどんな目にあうかわからない。半殺しくらいならいいけど。ここは受けるの一択しかない。
「決闘を受けます」
「はぁ~そうか…」
教官たちは残念な顔をしていた。
こうして解放された私、廊下を歩いているとユリアンちゃんがやってきた。
「セイラ様…ごめんなさい。私のために」
「ユリアン。いいのよ」
「けど」
「大丈夫だって」
「セイラ様…」
ユリアンが私に抱き着いてきて、貧祖な私の胸で泣き始めた。
「だって…だって…セイラ様一人に4人もって」
「大丈夫よ」
すると手をぐっと握りしめ顔を上げた。
「わたし…助太刀します」
「こら…ユリアンは、助太刀はできないのよ」
「なぜですか…」
「ユリアンは、決闘の対象者よ。だから、参加はできないの」
「そうなんですか」
シュンとなっているユリアンの手をつかんで目をじっと見つめた。
「わたし…負けないので、安心して」
「はい!!私、セイラ様にずっとついていきたいので、絶対に勝ってください」
「わかったわ」
こうして、私たちの友情は深まったんだけど、家に帰った私を母は待ち構えていた。
「セイラ聞いたわよ」
こうしてお小言を言われるかと思ったら
「明日から特訓よ」
「えええええええ」
最悪だ…母の特訓を受けて、まともに決闘ができるかが不安だ。




