21 ジース王国の王都で……
屋敷のメイド長に案内されて
応接室に入る前にパクオットが
「剣は……
メイド長に剣を帯刀したままで良いのかと
言おうとすると、
「王子さま、王宮では有りませんので……
メイド長が王宮ではないので
其のままでと言うので
「そうか……
パクオットは落ち着くように喋るメイド長の態度に
不審に思いながら呟くと、メイド長は応接室の扉を
開けるのでパクオット達は応接室に入るが
メイド長は一緒に応接室に入らずに
飲み物を用意すると言って此処から去って行った。
パクオットは応接室にあるソファーの背もたれの角に
腰の剣ベルトから鞘に入った統星剣を外して置いた後に
ソファーに座るとリストォラもパクオットと
同じように行ってパクオットの横に座ると
「殿下、メイド長のネルピカは……
リストォラと初めて会った時から
綺麗な顔たちは変わらないがメイドから
メイド長に昇格したことによる長としての
威厳が出ているネルピカのことを
リストォラが言い出すので
「話次第で、俺が剣でアレックを斬ろうとしたら……
「その為に……
パクオットは剣を持ったの状態の自分たちを
応接室にメイド長が入室させた考察を言うと、
乱心と言ってパクオットを撃つ
口実をリストォラの義理の父親が作る為にと
リストォラが怪訝な顔で呟くと同時に
応接室の扉が開かれてメイドが入って来て
パクオット達が座っているソファーの前の
テーブルに来るとワインが注がれたグラスを
トレイからテーブルの上に置いた後に
「殿下、旦那さまは王宮から
今お戻りになりましたので……
「俺を殺す相談にしては早いな」
メイドがリストォラの義理の父親が
王宮から戻って来たことを言うので
パクオットは王都に此の屋敷に予定もなく来たのに
自分を殺す相談が直ぐ決まるのかと
ワインが注がれたグラスを見ながら
メイドに問うと、
「殿下が此の屋敷に来たと言う
報告が入りましたので……
メイドはパクオットの言葉に動揺しないで
ニコッと笑った後にパクオットの問いに答えると、
メイドに向けて殺気をリストォラが向けるので
「リス! 敵じゃない!!」
パクオットはメイドの態度で敵側ではないと
叫ぶと、
「ウーレン共和国の?」
「ジース王国を探るために、殿下がジース王国に
帰還した時の護衛の為に潜っています」
リストォラがトーラントが言っていた
ジース王国に入っているウーレン共和国の
密偵なのかと問うとメイドが答えるので
「早くないか?」
「門兵には携帯用の通信機がありますので……
パクオットは王都に入る時には偽名を使って
入ったが商人たちにバレているので王都の門兵たちにも
バレていても可笑しくないが此の屋敷に行くとは
言っていないので此の屋敷の門兵が王宮に伝えに言っても
早すぎるのでメイドに改めて尋ねると、
南の大陸【ダージョンスター・コンティネント】の
ダンジョンで見つかった通信機でリストォラの義理の
父親に屋敷の門兵が連絡をしたことを聞いて
「ギルド専用じゃ……
パクオットは冒険者ギルドが他国の冒険者ギルドと
依頼の状況によって連絡する為に各国が話し合った結果
冒険者ギルドが使用することになっているのに
屋敷の門兵が持っていることに疑問を持ったので
メイドに聞くと、
「国があっての冒険者ギルドですので……
「横流しか、数は見つかってるのか?」
冒険者ギルドは国から一定の距離を
持つことになっているが冒険者ギルドの
ギルドマスターなどの地位に就けば国との
関りを強くして地位の安泰や更なる贅沢をしたい
欲で通信機を国に渡しているとメイドが言うので、
パクオットは冒険者ギルドに入った情報によっては
国に報告する場合は冒険者ギルドの者が歩きか馬車で
王宮の情報部隊に報告をすることになっているが
自分がジース王国の王都に何時もどって来ても
直ぐに対応が出来るようにリストォラの義理の父親に
持たせているのかと考えながら通信機はダンジョンで
魔物のドロップアイテムか宝箱から見つかってはいるが
全ての冒険者ギルドに渡すほどの数が見つかって
いないのに冒険ギルド以外に渡せるほどの
通信機をジース王国が独自で見つけたのかと
メイドに聞くと
「本機1機と携帯用が3機です」
通信機の数を言うのを聞いて、
「それを2機かぁ、最後のは?」
「ギルマスです」
門兵に1機、リストォラの義理の父親に
1機で、残りの1機が誰が所持しているか
分かっているがメイドに聞くと冒険者ギルドの
ギルドマスターが所持していると言うので
「通信機は何処が多く持っている?」
ジース王国の王都にある冒険者ギルドに
もっと多く通信機を所有しているかと思っていたが
各国の冒険者ギルドに配布された数と一緒であった。
だが、トーラントは王都に居る仲間と連絡後に
会って情報を得ると言っていたが王都は広大で
直ぐに会うにも探さないといけない。
そして、トーラントはパクオットと同じように
活動拠点を東の大陸、南の大陸にしているので
王都に居る仲間と会うのは予定にないことである。
ウーレン共和国に居た時に伝書鳩か早馬などで
連絡は行っているだろうがパクオットが王都を
無視していく可能性もある。
王都の門兵の近くでトーラントと会うにしても
東の大陸、南の大陸なら知り合いと言えるが
王都では不審がられるので宿か飲食店で
会うことを仲間は希望するはずである。
その仲間と会う為の連絡に使う為に通信機を
使うと思ったパクオットは冒険者ギルドに配布された
通信機の数では足りないがウーレン共和国は
独自に通信機を得ているのかと遠回しに
メイドに聞くと、
「ダァーツ帝国です。ドラゴン山脈がありますので……
通信機を多く所持しているのはドラゴン山脈から出て来る
ドラゴンの監視をするダァーツ帝国に
多く配布されているとメイドが言うので、
パクオットは遠回しに言うんじゃなかったと
思ってウーレン共和国と言い出そうとしたら
応接室の扉が叩かれたので
メイドは扉の方に行って開けると、
「お久しぶりです! 王子」
ジース王国第1近衛騎士団の団長をしている
白髪が目立ち始めている彫が深い
アレック・グラアフ・エクスラーヴァが
パクオットの顔を見て声を掛けると、
「5年ぶりだな」
ダンジョンでの探索などで
仲間の補充で戻って来た際に行った
リストォラとの模擬戦でリストォラの腕と
自分の修行にリストォラが必要と思ったので
アレックにカードルだけでは無理と言って
強引に連れ出してから5年ぶりにアレックに
再会したことをパクオットが言うと、
アレックは向い側のソファーに座って
「精悍な顔つきになりましたな。
リスは切り傷が……
パクオットの自信に満ち溢れた姿を褒めた後に
リストォラの顔などに残っている刀傷などを見て
アレックが言うと、
「カードルの治療や薬草を使うのを拒むからな」
「殿下を守った証なので……
パクオットがリストォラに魔法などで傷などを
治そうと言ってもリストォラが拒むからと
アレックに言うと、リストォラがパクオットを
守った証と頬を染めて
床の方を見ながら言うのを聞いて、
「そうか、墓参りは?」
パクオットの護衛、師匠として
務めているのだなと優しい目で
アレックは言いながら
リストォラの亡くなった実の親の
墓参りはしてきたのかと
リストォラに尋ねると、
「いえ……
「此処には今日来たばかりで、明日には
冒険者ギルドで西に行くついでの
依頼を受けようと思っている。
リスには悪いが墓場には行く暇がない」
リストォラが墓参りに言っていないと言い出す代わりに
パクオットが墓参りに行く余裕がないと
アレックに告げると、
「まだ、日はありますから……
夕方になるには少し時間があるので
アレックは墓参りに行くことを勧めるが
「王都に入るまでが長かったから
此処でゆっくりさせてもらうよ」
パクオットは王都に入るまでが長かったので
此の屋敷で体を休めたいと言いだすので、
「そうですか、ワインを……
アレックはパクオットたちが墓参りの場所に
行って戻って来る間に、冒険者ギルドの依頼の中で
パクオットを暗殺できる依頼がないかと
調べられるのにと思いながら溜息をしてから
テーブルに置かれているワインが注がれた
グラスを見ながらパクオットに言うと、
「メイドが持って来たのにな……
メイドが持って来てから時間が立っているのに
飲んでいなかったなぁと言いながら
「アンデットダンジョンだったか?
奴隷だったリスの両親がアレックを守るために
命を落した後に……
南の大陸でリストォラの両親が亡くなった経緯を
パクオットが言い出すので
「囚人で腕も立ちましたので奴隷騎士として
採用して、リスが生まれてから5年後に……
奴隷兵の子は奴隷として扱われますが
リスも両親の遺伝子を受け継いで
13歳の時には私を越えて此の国の
最強騎士と言われましたな……
アレックもリストォラの両親について
語り出した終わりにリストォラの剣の腕前は
アレックを越えてジース王国で最強の称号を
得たことを言うので
「お前が引き取って育てたんだ!
感謝している」
パクオットは剣の師匠として、冒険のパートナーとして
最高の人物を育てたとアレックを褒めると、
「王子……ワインを」
アレックはリストォラがいても東の大陸、
南の大陸でパクオットが死ぬのでリストォラが
直ぐに帰って来ると思ってパクオットに
就かせたはずが帰って来ない間にパクオットが英雄と
言われるようになるとは思っていなかったので
リストォラをパクオットに就かさなければ
パクオットが目の前にいないのにと思いながら
パクオットに飲んでいないワインを勧めるので、
「勧めるなよ」
「長旅で喉が……
自分のタイミングで飲むとパクオットが言うと、
アレックは王都に入ってから飲んでいないでしょうと
パクオットに早く飲んでと言うので、
「お前が飲めよ」
パクオットはメイドの方をチラッと見ると
メイドがワインには毒が入っていないと書かれた
プラカードを見せているのでパクオットは
安心してワインを直ぐに飲めるが
焦らした方が面白いと思って
アレックにワインを飲めと勧めると、
「私は、部屋に来る前に……
アレックは応接室に入る前に飲んでいると
言うので、パクオットは飲んでやるかと
「そうか……
ワインを一口のんで
「渋みが抑えられて、ワインに甘みが加わってる……
感想を言うのを聞いて
「ハチミツを入れています」
メイドが答えると、
「アレック? どうした」
「いえ……リス?」
毒が入ったワインを飲んだパクオットが
平気なのが可笑しいという顔をしているアレックに
パクオットが聞くと、何もありませんと答えた後に
リストォラがソファーの背もたれの角に置いていた
統星剣が入った鞘を右手で掴んでいるので
アレックがリストォラに問うと、
「此処で、殿下を殺す気だったかぁ!!!」
リストォラがアレックに対してワインに
毒を盛ったのに平然としているので
驚いているのかと叫ぶと、
「リス!! 王子を撃て!!!」
アレックはリストォラに
パクオットを殺すように叫ぶので
パクオットはソファーから立ち上がると同時に
左手で統星剣が入った鞘を掴むと
パクオットの頭の中に「大丈夫」と響いた後に
リストォラが鞘から抜いた統星剣で
アレックの首を斬っていた。
リストォラが統星剣でアレックを斬る時に
アレックはソファーから立ち上がっていた為に
アレックの首が統星剣で斬られる間に体ごと
ソファーの後ろに少し飛ばされて大量の血と共に
床に倒れて死んでいる姿を見ながら
「なぜ、リスに命令を? あの声は……
アレックの行動が分からないパクオットは
疑問を言いながら小さい時に出会った
天使の声が聞こえたのは空耳かと思いながら
自分が死を感じる時には見てくれているのかも知れないと
窓側にいる蜘蛛をチラッと見ながら
天使に感謝していると、
「殿下! 奴隷の首輪は王以外に
騎士団長、副騎士団長の命令に従うように
なっていましたので……
アレックがリストォラにパクオットを
殺す命令をした理由をメイドが告げるので、
「そうだったんですか……
今は見えるようになっている奴隷の首輪の
チョーカーを手で触りながら今までの
冒険の間でも上記の者が居たらパクオットを
殺していたのかと青ざめている
リストォラが呟いている間に、
「命令は無視された。分かるか?」
メイドが説明したことが出来なかった
理由をパクオットがメイドに聞くと。
「わかりません」
「少女が解除していたのか?」
メイドはアレックがパクオットを此の場で
リストォラを使って殺そうとした場合は
リストォラを撃つ気であったが、現実は
アレックがリストォラに命令したことは
実行されずに終わったのがメイドにも
分からなかったと告げるので、
パクオットは先程の頭に聞こえた天使の声が
奴隷の首輪の機能を
働かさないようにしたのかと
出会った時の天使の姿を
思い浮かべながら呟くと、
「少女……明美さまが?」
メイドは沙良から私が昔にパクオットと
会っていた可能性が高いと聞いていたので
パクオットの言葉でリストォラの首輪の機能を
無効化できる方として頭に浮かんだ
私の名前を言ってしまうと、
「今、何て言った!!」
パクオットはメイドの呟きを聞き逃さずに
天使の名前を知っているのかとメイドに問うと、
「な、何も!」
メイドは失言をしたことを後悔しながら
動揺が顔に出ないようパクオットに
聞き間違いでしょうと告げると、
「天使と! 繋がりがあるのか!!?」
パクオットは少女と言ったのを天使と変えて
ウーレン共和国が護衛騎士団をパクオットの為に
設立したのは天使の助言があったためと確信して
メイドに迫って叫ぶと、
「殿下! 少女って……
リストォラが険しい顔で少女から天使と言い直した
パクオットに尋ねるので
「昔に、天使が無能の俺を有能にしてくれた」
パクオットはリストォラに天使によって
今の自分があると告げると、
「殿下……
「天使だ! 感謝はあっても恋心は無いよ」
「そうですか……
ずっと一緒に此処まで来た間柄なのに
少女について聞いてませんと怒り顔で
パクオットにリストォラが詰め寄るので、
パクオットは少女は人間ではないから
片思いで終わるんだよと思いながら
心の涙を流しながらリストォラに話すと、
リストォラはホントですかと言う顔を
パクオットに見ながら言うので
リストォラから逃げるように
「ウーレン共和国と天使の関係は?」
もう一度、メイドにパクオットが問いただすと
「廊下から足音が!!」
メイドも私がパクオットと初めて出会った時に
パクオットが生まれた時から持っているスキルが
封印されていたのを解除したことは今は喋れないので
困ったなぁと思っていたら廊下から
誰かの足音が響いてくるので
パクオットに誰か来ますと言うと、
「嘘を……俺が死んだのを……
パクオットには足音が聞こえないので
メイドが話を逸らす為に言っているのかと
思ったら扉が叩かれるので
メイド長かアレックの妻が来たのかと
リストォラたちにパクオットが言うと、
「殿下!!?」
リストォラは扉の方に統星剣を向けて
パクオットに何時でも敵を斬ると叫ぶので
「拘束する! 明日、俺たちが此処を出た後に
発覚するように」
アレックの妻たちを殺さずに拘束して
王都から出るまでアレックが死んだことを隠すと
パクオットがリストォラたちに告げると、
「殿下! 此奴の妻や息子を奴隷にします」
メイドがアレックの妻たちを奴隷にすると
パクオットに告げると、パクオットは
奴隷の首輪の変わりの魔法が此の世界に在るのかと
驚いたおかげで冷静になり
「いや、アレックが王宮に戻らないと」
アレックがパクオットを屋敷で毒殺する話をして
屋敷に戻って来たはずなので、王宮にアレックが
戻らないと不味いなぁとパクオットが思っていると
扉が開かれてアレックの妻とメイド長が
アレックの死体を見て声を上げる前に
「我の名において、パクの奴隷となれぇぇえええ!!」
メイドが2人に奴隷魔法を唱えると
虚ろな目となり扉を開けままに
応接室に入るとパクオットの目の前に来て
跪くので
「殿下!!?」
「凄いなぁ……名を聞こうか?」
リストォラはカードルでも無理な魔法を
メイドが簡単にした理由をパクオットに
尋ねる感じで恐る恐る聞こうとすると、
パクオットはメイドを褒めた後に
メイドの名前を聞いていないので聞くと、
「ミレーナ・アルーナです。
姉がトーラントと一緒に……
トーラントの恋人の妹と名前を言いながら
パクオットに言うと
「さっきまでは、目が茶色だったが……
メイドに向けてパクオットが
トーラントと組んでいるベターラの妹と分かって
驚く以上にアレックの妻たちに魔法を掛ける前から
目の色が黄金色になっていると
パクオットがメイドに告げると
「パク! 観察しているね」
メイドがパクオットの観察眼を褒めていると
「殿下を! パクと!!」
リストォラがパクオットを愛称で言うなと
統星剣の剣先をメイドに向けて叫ぶので
「リス! 剣を引け!!」
メイドに剣を向けるなと
パクオットがリストォラに言った後に
「名を聞こうか?」
「さっき言ったでしょ! パクが」
メイドの方に顔を向けて名前を聞こうとすると
メイドが少女と言ったでしょうと
パクオットに言うので
「それじゃ……
パクオットはメイドに憑依しているのが
天使と知って歓喜の為に震えていると
「此奴を蘇生して、奴隷にするわ」
メイドがアレックを生き返らして……
パクオットを屋敷で毒を使って殺そうとしたが
パクオットはダンジョンで発見した皮袋を
所有しているので其の皮袋から飲み物や食べ物を
出して食べると言うのでアレックは長旅の為の
食材を使用するよりも屋敷で用意した暖かい食事を
堪能して下さいと言っても食べなれた物を食しないと
明日も続く旅で体調が悪くなるといけないからと
言って拒否されたと王たちに言えと言って
屋敷から王宮にアレックを向かわせた。
「凄いな……天使よ」
アレックの妻たちはメイドからマジックボールを
受け取って屋敷に残るメイドなどをパクオットの
奴隷にするために応接室から出て行ったのを見た後に
メイドの行動にパクオットは称賛しながら
名前を知らないので天使と呼ぶと、
「なぁに? パク」
メイドがパクオットに甘い感じで返事を返すと、
リストォラは私の方が長く一緒にパクオットと居るのに
メイドとパクオットの関係は再会したばかりなのに
夫婦みたいな感じを出しているのでメイドに向けて
嫉妬の炎を放っているのを見て
「リス、パクのこと好きなら告白しないと」
メイドはリストォラの横に瞬時に
移動して耳打ちすると、
「な、なんあなな、あああ!!!」
リストォラは顔を真っ赤にして狼狽しながら
後退するとソファーにぶつかり転んだので
「リス! 大丈夫か?」
「だ、だだだい、です!!」
パクオットはメイドの動きを目で追いきれないで
辺りを見ていたらリストォラが転んでいたので
驚いて叫んでいると、リストォラは
今の状態の私を見ないでと更に狼狽しているので
「少し寝ててね」
メイドが睡眠魔法をリストォラに掛けると
ソファーに体を預けてリストォラは眠ってしまった。
「睡眠魔法? 詠唱も無しか」
「で、パクは私に……
パクオットはメイドの魔法の技術を褒めると
メイドが私に聞きたいことがあるんだよねと
パクオットに聞くので
「今の私があるのは貴方のおかげです。
それで……
パクオットは頬を染めて剣王と言われるまでに
なったのはメイドのおかげと行った後に
モジモジしながらメイドに天使と人間では
無理かもしれないことを聞こうとすると、
「私じゃないわ。アス村に、ウエーザー山脈に
行けば、お礼を言う方に会えるかもね」
メイドはパクオットの発言を遮って
御礼と付き合ってほしいと言う言葉を言う方は
ジース王国のリーフ男爵が治めるリーフ街近郊の
アス村に行けば会えると告げるとメイドの目が
茶色に戻っているので
「アス村か……依頼があるのか?」
窓の方に振り向いてパクオットが呟いていると
メイドは私って応接室に何時の間に居るのと
驚いているので、パクオットは応接室に
ワインを持って来た時から変わっていたのかと
フッと笑いながら天使に会ったら
告白しようと決意した。
次の日の朝になり王宮の魔導部隊の隊員たちに
魔法について講義していたカードルとケントが
パクオット達と合流した。
カードルは奴隷騎士団(第1近衛騎士団)の拡充に
異を唱えたので宮廷魔導師の職を解かれた時に
パクオットが冒険に誘って今に至っている。
奴隷騎士団の騎士たちは罪を犯した者で構成されていた。
罪を犯した者ばかりでなく罪を着せられて奴隷騎士団に
入れられた者もいると聞いていたカードルは
商人や行商などの罪を犯した者も新たに騎士団に
入れると聞いて無実の商人や行商などにも罪を着せて
騎士団に入れるのかとジース王国の王に反論したので
上記の事となり牢屋に入れられていた。
ジース王国の王はカードルに奴隷の首輪を着けて
女を抱かせて子供を作ろうとしたが奴隷の首輪の
ストックが無かったので行えずにいた時にパクオットが
牢屋に入れられたカードルのことを聞いて
ジース王国の王にカードルと共に冒険に出ると言って
上記の事となっている。
ジース王国の王がパクオットの意見に賛成したのは
アレックがリストォラをパクオットに就けた時と同じで
パクオットと共にカードルも死ぬと思っていたからである。
ジース王国の王はパクオットと共に冒険者として
東の大陸にカードルが行ったことは知っていたが
魔導部隊の者たちには上記の行いで牢屋に入っていたことは
言わずに更なる魔法の向上のために宮廷魔導師の職を
下りたと伝えていた。
トーラントはアレックの態度や屋敷の者たちの
態度がパクオットに対して敬意をもって対応しているので
ベターラの妹のメイドがマジックボールでとパクオットが
言ったが、メイドが持っているマジックボールで奴隷魔法を
付与しても常時3個しか所持していないので
全員は無理とパクオットにトーラントが問うと、
3個でメイドと共に上手くやったのさと言って
パクオットは誤魔化した。
メイドもパクオットの意見に頷いていた。
天使がメイドにパクオットの意見に従うように
命令をしていたのでパクオットは天使が凄いと
苦笑いしていた。
リストォラにもトーラントが聞いたが
リストォラは頬を染めて天使に言われたことを
思い出して狼狽しているので聞くのを諦めた。
ベターラもリストォラに聞こうとしたが
喋れませんと言って顔を真っ赤にしていたので
パクオット関係で誰かに言われたのを察して
此れ以上は聞かなかった。
屋敷の者たちはパクオット達が屋敷を出る時に
整列して送り出す時に
「アレック!」
パクオットがアレックを呼ぶと
アレックは列から前に出てから地面に跪いて
「はぁ! パクオットさま」
パクオットの名前を言うと、
「何かあれば、メイドのミレーナに!」
「分かりました」
「よし! 冒険者ギルドに行くぞ!!」
アレックに王宮での出来事をミレーナに
伝えるようにパクオットが伝えると
トーラントがミレーナにスマートフォンを見せて
パクオット関係は俺に伝えろと合図した後に
パクオットが号令を掛けるが
「行く前に、俺に統星剣……
トーラントが待ったを掛けるので
パクオット達はズルっとコケた後に、
「俺には此の剣があるからな」
パクオットは統星剣をトーラントに
渡す原因となった剣が入った鞘を
左手で触りながらアレックたちを
見渡して言うと、
「性能的に……
「柄にドラゴンのレリーフがあるだけの
鉄の剣ですから……目の部分の魔石が
高価があるくらいです」
トーラントが私が制作した統星剣の方が
鉄の剣より優れているのを俺に渡すのかと
呆れながら言うと、カードルもジース王国の王に
贈呈された時のことを説明すると
アレックも王宮から天使の命令で持って来たが
頷いていると、
「アレックが王宮から持って来たんだろ」
「そうですが……
「グリックを握った時に、ナーラサ専用に製作されたが
採用されなかったと説明書が頭の中で泣きながら
言っていて……
パクオットは腰から下げている鞘に入った
ドラゴン・ソードを低評価するアレックが
王宮の倉庫から俺に使わせるために
持って来たと言うとアレックが頷くのに続いて
沙良専用に私が制作した2本の剣について
説明を始めた。
沙良は素材に統星剣にも使われている
聖神鉱石が使われた2本から自分に合うのを
選んだのがレイピアでドラゴン・ソードは
沙良が認めた騎士にと私がウーレン共和国に
置いて行ったのが贈呈品としてジース王国に渡った。
沙良の御父さまはジース王国の王宮の
謁見の間でジース王国の王が贈呈品の中から
ドラゴン・ソードを見つけて魔石以外は
無能の剣だと言い出すのを聞いてジース王国の王の
言った言葉通りですと持ち上げていた。
沙良の御父さまは私が制作した剣と知っていたので
心の中で鉄の剣としか認識できない
御前らの方が節穴だよと馬鹿にしながら
ウーレン共和国に帰ると、あんな奴の息子を
沙良に嫁がせるのかと御立腹であった。
沙良の御父さまは無能と言われたパクオットに
ドラゴン・ソードは見た目は鉄の剣だが
装飾が素晴らしいので装備すれば王族としての
風格が上がるので渡してくださいと言って帰ったが
ジース王国の王は倉庫に入れて
其れ以降は忘れ去られていた。
そして、其の剣がパクオットに渡り
沙良専用に制作された2本の剣の内の1つと言うと、
「ウーレン共和国の大統領の御嬢様が?」
フォークや皿よりも重い物は
持たないような令嬢が
剣など持つはずがないとカードルが
トーラントたちを見ながら言うと、
トーラントたちが明後日の方に向くのを見た
アレックたちは沙良が剣士って可笑しなことを
言わないでと笑っていると、
「天使の眷属ですよ」
色々な物を入れた大きな袋を背負子に載せた
アズラーが正門の方から現れて言うので
「眷属?」
パクオットが聞き返すと、
「大統領の娘は、ウーレン共和国の総騎士団長でもあるよ!」
アズラーが沙良を私の眷属と言ったので
トーラントも隠さずに全ての騎士団を束ねる
総騎士団長と付け加えて言うと、
「冗談を! 大統領、国の代表者の息子なら
分かりますが、女の子が……
カードルは王国などの王子なら騎士として
全軍を指揮するのも分かるが、王女なら剣を持って
全軍を指揮するよりも名が通った剣士の男か
貴族の息子に嫁がせるのが普通であると言い出すと
ケントも話が分からないけどカードルの意見に
頷いていると、
「天使の眷属って、天使って居るんですか?」
天使と名が出るとパクオットが笑みを
見せたりするのが気に食わないリストォラは
神は王などと会って神託を出しているので居るとは
思うが王以外で会っているとは聞いていない
存在なのに加えて天使と言う言葉自体が
パクオット以外では聞いたことが無いので
アズラー、トーラントを見渡して聞くと、
「天使ね、まぁ、パクオットが居ると思えば……
ベターラは私たちにとっては沙良との
地獄の特訓を笑って見ている悪魔の長と
言いたいくらいな人物がパクオットの想い人なので
悪くは言えないし、天使が居ると肯定すると
リストォラが嫉妬の炎で暴れてしまう可能性が
高いのでパクオットの心の中に居るだけと
伝えると、パクオットが妄想しているだけと
安堵しているリストォラを見ながら
パクオットはベターラの妹に憑依していた天使に
会っているのに嫌な記憶として忘れているのかと
思いながらリストォラは仲間としては好きだけど
恋人から夫婦になる方の好きにはなれないと
天使に会う前にハッキリ言わないといけないと
思いながら
「時間も無いから、冒険者ギルドに行こう!!」
トーラントたちに告げると、
トーラントがパクオットに近づいて
「眷属とか、聞かないの?」
小声で沙良のことを詳しく聞かないのかと
尋ねて来るので
「天使に会った時に……
パクオットは天使とアス村かウエーザー山脈の
近郊で会える時と言うが、
「そうか、今なら……
リーフ街の近くに村を作って
クラスのベストカップルで
童貞、処女を卒業しましょう会で来ている
私が今日の夕方前には帰還するのでパクオットが
どうしても会いたいと言えばスマートフォンの
ゲートアプリを使用しても良いかと
トーラントが考えていると
「何か?」
パクオットがトーラントの呟いた言葉に反応したので
「いや、会えると良いな」
沙良とパクオットが結婚しても形だけなので
跡取りを考えた場合はリストォラと結ばれて
跡継ぎが生まれた方が綺麗に纏まると思った
トーラントは上記の考えを捨てて私とパクオットが
王都から南の大陸までの間で会う可能性が無いのを
知っているが
パクオットに声援を送ると
「会うさ!!」
パクオットは目を輝かせて
絶対に会うと力強く答えて
冒険者ギルドへと歩き出した。
王都の貴族エリアから商業エリアの中にある
冒険者ギルド【コネクション・ウイズ・アザーズ】に
向かう間にアズラーに皮袋を使わないのかと
パクオットが聞いたり、沙良がホントに
騎士として最強なのかとカードルがトーラントに
聞いたりしている間にリストォラは沙良が
パクオットのことが好きなのかと
ベターラに聞いて安心していた。
パクオットが言っていた天使についても
リストォラは何度もベターラに聞いていたが
天使についてはベターラは前にも言った通りで
パクオットの妄想でしょうとはぐらかしていた。
パクオットが天使と出会った時に
私がパクオットの才能を開花させたと
沙良の考えにベターラは達した。
此の世界ではドラゴンの長がレベル80で
人間はレベル30まで到達する者はいない。
リストォラが28、パクオットは20である。
トーラントが18、ベターラは18、カードルは
15である。冒険者ランクは初心者のFから
経験や強さによってランクが上がり最高はAである。
Aランクの上のSランクはレベル15以上か
世間の評判で決まる。
Aランクはレベル12から14の間で
有名な冒険者はバム・ガーネットなど……
Sランクで有名な冒険者はパクオット、
ダァーツ帝国を中心に活動している
コウダ・アザート、アイリ・カクテールなど……
石造りの3階建ての冒険者ギルドに着くと
玄関の横の掲示板にアス村に行く商隊の護衛の
依頼が食事付きの金貨1枚(日本円で100万円)と
書かれいる羊皮紙が貼られていた。
「午後から、予定通りか」
パクオットは掲示板を見ながら呟くと、
「私は王都の外で待っています」
「ケント! 一緒に」
アズラーが先に王都から出ると言うと
パクオットがケントも一緒にと言うと
「僕も? パクにぃと……
「アズラーの護衛だ! 攻撃魔法と回復魔法でな」
ケントがパクオットと離れるのは嫌と言い出すので
パクオットがケントに説明をした後に
「護衛を御願いします」
アズラーが優しくケントに御願いすると
「任して!!」
元気よく叫んでアズラーと共に
西門の方に歩いて行った。
「ケントで……
ケントでは護衛として不安があると
トーラントが言い出すので
「アズラーが守ってくれるさ! 中に入って
ケントが人質になると……
パクオットは冒険者ギルド内で自分を偽装罪で
捕まえようとする奴らと戦闘になる可能性が
アレックから聞いて無いと言えないので
ケントを巻き込ませないために
アズラーに預けたと言うと、
「買ってるんだな」
「1人で行商ができる。何者だ?
天使と同じ匂いがする」
トーラントはパクオットがアズラーを
高評価していると言うと、パクオットは
天使と同じ者だからケントを任せると
遠回しに言うと、
「さぁ……会えたら分かるだろ」
トーラントはアズラーの正体を
アズラーから聞いていても
パクオットに今は言うわけにもいかないので
笑って誤魔化して言うと、
「そうか、行こうか」
パクオットは天使に会えば全て分かるかと
納得して玄関を開けて中に入って直ぐに
受付カウンターの方に行って
「外にあった依頼を受けたいんだが……
パンツスタイルで丈が腰までのジャケットを着た
ブラウンのショートヘアの受付嬢に告げると、
「分かりました、カードを」
微笑んでパクオットにギルドカードの
提示を言うのでギルドカードを受付の
カウンターの天板に置くと
「Sですか、金貨……
Sランクの冒険者が受ける依頼ではないと
受付嬢が言い出そうとしたが
「南の大陸に行くついでだ」
「Sランクなら掲示板にある高額の……
パクオットはダンジョンがある南の大陸に
行くついでだと言うと、Sランクの冒険者なら
金貨1枚ではなく金貨10枚以上の依頼の方でと
受付嬢が言うのを聞いて
「優しいな、アス村で殺すか此処でか……
冒険者やめて、人殺しか?」
パクオットは受付嬢がパクオットを殺すことも含めた
依頼と知っているから別の依頼を勧めることに
感謝しながら冒険者ギルド内を見渡した後に
パクオット達を見ている冒険者たちに尋ねると、
「王からの依頼だ! 報酬は貴族とな」
頬に傷がある短髪のゴツイ顔の男が
パクオットを倒す報酬を言うので、
「集合は西の門か、御前らを殺して
商隊に合流だな」
「お前さぁ……商隊も」
パクオットが敵を倒して商隊の依頼を
行うと言い出すので頬に傷がある男が
商隊もパクオットを殺す為に仕組まれていると
呆れながら告げると、
「アス村の近郊から取れる魔石などを
ダァーツ帝国に売る量の削減と
リーフ街の調査だろ。
ついでに俺の殺しもな」
パクオットは元々の王都の商業ギルドの商社が
商隊を組んでアス村に行く理由を言いながら
パクオットを殺すことが王より言われて
付け加えらえたと笑顔で言うので
「知っていて……
パクオットが全てを知っていながら
罠に入るので頬に傷がある男が驚愕していると
トーラントたちは鞘から剣を抜き、カードルたちは
魔法の杖を手前に置いて戦いの準備に入るので
「直に見たわけではないから東の大陸での
評判は嘘だと思っていたが
装備は一流、腕も一流、仲間も
一流、陛下から話を聞いて
朝食を食いに来た奴らに依頼したが
依頼は取り消そう」
2階に通じる階段から襟付きの長袖のシャツに
腰にベルトを巻いて少しふっくら系のパンツに
皮靴を履いた目つきがきつい男が下りて来て
パクオット達に告げるので
「良いのか?」
パクオットが聞き返すと、
「ギルド内を王子に向かった者たちの血で
染めたくないのでね」
頬に傷がある男や冒険者たちがパクオット達によって
倒された後の後始末が大変なので王からの依頼を
辞める理由になるだろうと目つきがきつい男が
パクオット達に告げると、
「勅命を……
カードルが目つきがきつい男に
ジース王国の王の命令を実行しないと
罪になると警告すると、
「私の判断で決めてくれと言われている。
本番はアス村で……
目つきのきつい男は王からの命令は
パクオットを見て実行するか決めると
伝えているので実行しなくても問題ないと
言った後にアス村がパクオットの死に場所と
告げると、
「依頼を受けないとは……
アス村に行く商隊の護衛の依頼を
受けなかったらどうするのかと
カードルが目つきのきつい男に問うと、
「行く方向が同じで、御金が浮くと考えるだろ」
南の大陸まで徒歩、乗合馬車などで行くにしても
お金が掛かるから依頼を受けるだろうと
目つきのきつい男が答える言葉に
「その通りだ!」
パクオットが即答すると、
「出される食事に……其れでも行くか?」
目つきのきつい男がアス村までの道のりで
商隊から出される食事には毒の隠し味があるぞと
ニヤッとしながらパクオットに告げると
「あぁ、行くさ! 1週間分はあるから」
「腰のか……
「ダンジョンで見つけた物さ」
パクオットは腰から下げている皮袋を
右手で触って目つきのきつい男に告げると、
目つきのきつい男は皮袋に食料などを
入れているので商隊からの食料が無しでも
大丈夫な皮袋の収納量に驚いていると
パクオットが南の大陸のダンジョンで発見した物と
告げると、冒険者たちは目つきのきつい男と同じように
発見されている皮袋は其処までの量は入らないので
「無事に戻って来たら、酒を飲もう」
目つきのきつい男はパクオットが使用している
皮袋について何処のダンジョンで見つけたのかと
詳しく聞きたいので酒の席でとパクオットに尋ねると、
「悪いが、此処には戻ってこない」
パクオットは南の大陸に行った後は
拠点となっている東の大陸で骨を埋めると
目つきのきつい男に答えると、
「そうか、ジース王国の第1王子の顔を
見れて良かったよ」
目つきのきつい男が此れで御別れは寂しいが
公式にはパクオットは王宮で引き籠っているが
非公式では冒険者で剣王と言われるパクオットと
会えて嬉しかったとパクオットに右手を出すので
「名は?」
「私か、ギルドマスターのマグナ・フル」
「俺は、只のパクオット」
パクオットも右手を出して握手をして
冒険者ギルドを出て行くと頬に傷のある男が
仲間と共に付いて来たので
「? 商隊の?」
パクオットが商隊の依頼を受けるのかと
頬に傷のある男に聞くと、
「お前の死に際を見たくなった」
パクオットの死を見たいと言い出すので
パクオットは天使の加護やトーラントたちが
居るので簡単に死ぬことは無いが
「そうか、アス村で何かあった時は
俺を捨てて逃げてくれ」
アス村で天使が行くことを示唆した場所で
商隊以外で何かが起こる予感がするので
頬に傷のある男の冒険者パーティーに向けて
自分の命を大事にしろと告げると、
「逃げるわけないだろう、お前の死を見たいから」
フッと笑って頬に傷がある男が
パクオットの死を見るために離れないと言うのを聞いて
パクオットは俺を死なせない為に来るのが分かって
「名は?」
頬に傷がある男の名を聞くと
「ザッツアック・ギターラ、よろしくな」
答えるので
「よろしく、ザッツアック」
パクオットが名前を言うと、
「ザックで良い」
ザッツアックはパクオットの肩に右腕を回して
抱き着きながら愛称で呼べとパクオット共に
行動が出来る喜びを体で表していた。
冒険者ギルドの2階の執務室の窓から
パクオット達を見ながら
「第2王子は人を物と見るが……
第1王子は仲間と見るか……
呟くマグナは、神がジース王国の次期王に
第2王子を薦めたがジース王国の将来を考えれば
第1王子が相応しいと思いながら
「若ければ、一緒に行くんだが」
ギルドマスターの職に就かなければ
冒険者としてパクオットと共に行けたのにと
ジース王国の王に冒険者ギルド内での
パクオット暗殺が出来なかった詫び状を書くために
椅子に座って溜息交じりに呟いた……




