7 最強軍団……キャラクター設定と紹介
天理龍之介 てんりりゅうのすけ 61歳
テレビ局TBCのプロデューサー。
身長は179cmで30歳前後に見られるくらい
若い見た目である。
TBCホールディングス取締役副社長の
肩書きはあるがプロデューサー、俳優として活躍している。
日本トラスト信託銀行で明美たちが資産を
管理してもらっていて株主順位で100位以内に
入っていることを知っている代表取締役社長たちは
龍之介の番組が視聴率が低くてもスポンサーが
1つでも半年、1年は放送している。
龍之介自体がマンネリを嫌っているので
視聴率があってもスポンサーが増えても
番組を終わらしている。
取り扱う番組としては特番形式が多い。
岩崎グループがテレビなどのスポンサーになるかの
決定権を持っているので各テレビ局、広告代理店などが
龍之介の部屋によく訪れている。
世界に向けて男性グループを送り出している
ワールド・ホープ・ドリームズとは敬遠の仲である。
学生時代に番組制作会社のADのアルバイトとして
テレビに関わりだした。
番組制作会社が企画したドラマで主役の演技を
龍之介が罵倒したので主役と口論となった。
主役の代わりに演技をする龍之介を見た
監督は主役より何倍も演技が良かったので
頭を抱えた。
その時に、岩崎グループの中心会社
ソヌース・エレクトリックの社長が
スポンサーとなっている此のドラマの撮影を
見学に来ていた。
討論となっていた主役と龍之介の演技を
ソヌース・エレクトリックの社長が見て判断した結果、
龍之介を主役に、主役は脇役に降格させられた。
3話から脚本を大幅に変えて龍之介が主役の
ドラマにと変わった。
龍之介の演技は他の出演者にも良い影響を与えて
高視聴率を叩き出した。
龍之介は演技は初めてだったが俳優として
此のまま行くかと思われたが裏方をしたいと言って
断わっている。
ただし、助っ人としてTBCが関わるドラマなどに
出演はしていたので龍之介のファンもいる。
特別番組などにADとして参加のはずが
タレントと一緒に参加させられたりした。
龍之介は他の局には一切出ないTBC専用の
タレントとして今でも活動している。
お付き合いをしないかと女性タレントなどから
お声が掛かるが女性に興味なしと言って断っている。
話を戻して、
主役が所属しているワールド・ホープ・ドリームズの
社長が抗議したがスポンサーである
ソヌース・エレクトリックの社長の一言で
退いているが龍之介が居る制作会社の企画には
タレントを参加させないようにした。
そのせいで、龍之介はバイトをクビになるはずが
ソヌース・エレクトリックの社長が龍之介を
気に入ったのでTBCのADとして働くことが出来た。
ソヌース・エレクトリックの社長がTBCの
株主であるので無理が聞いた。
ワールド・ホープ・ドリームズ側は其の対応に
対して何もできずにいたが
龍之介がプロデューサーになると、龍之介の名が
スタッフロールで流れる番組にはタレントを
出さないようにして嫌がらせをしている。
大学を出てから正式に正社員となった
龍之介はTBCにとって神様であった。
何故かと言うと、龍之介が参加する番組には
常に岩崎グループがスポンサーとなったからである。
25歳になるとディレクターに上がり、
有名人お宅訪問番組の企画で訪れた漫画家の
白鳥マリナ(本名は白鳥万梨菜)と出会った。
「今日は、よろしくお願いします」
「此方こそ」
龍之介は此の企画に参加していただいたことを
感謝しながら挨拶をすると
万梨菜も笑顔で返した。
万梨菜のアトリエであり自宅の応接室での
インタビューが先に行われた。
スタイリストやヘアメイクたちによって
何時もと違う姿なので
「別人だって言われそう……
万梨菜が困惑していると、
「貴方の女性としての魅力を引き出すことも
企画に入ってまして……
「担当が……
「えぇ、自分は結婚したのに
貴方は男の影もないと……
万梨菜の担当が此の企画での打ち合わせで
要望したことを龍之介が語ると、
万梨菜は余計な御世話という感じで、
「漫画が旦那ですから……
龍之介や撮影スタッフたちは
万梨菜の言葉に納得しながら
「それでは、開始したいと思いますので
白鳥マリナさん、宜しくお願いします」
「はい、こちらこそ……
龍之介は撮影を開始する旨を
万梨菜に告げて万梨菜は背筋を伸ばして
龍之介を見ながら返事をした。
「今日は、今勢いがあり、女性漫画家として
第一線で活躍している白鳥マリナさんの
アトリエに来ています」
龍之介がソファの横に立ってカメラに向かって
万梨菜を紹介するとカメラは万梨菜の方に向くので
万梨菜は緊張しながらカメラに向けて挨拶をした。
「まずは、漫画家を目指した理由は?」
龍之介はソファーに座ると少し間を取って
万梨菜に聞くと、緊張して万梨菜は
何も言わないので
「友人や担当と話している感じで良いですよ」
龍之介は優しく述べると、
「は、はい、ええっと、絵が好きなのと
少年誌を読んで惹かれたので
自分でも書きたいと思いまして……
目線をテーブルに向けながら万梨菜が話すので
「少年誌などに投稿を……
龍之介は優しく尋ねると、
「はい、何度か投稿して、佳作ですが……
賞を取って、デビューすることが出来ました」
龍之介をチラッと見ながら万梨菜が
話すのを聞きながら龍之介は万梨菜が
男慣れしてないなと感じていた。
前担当の男性やアシスタントは仕事だから
普通に接していられたのだろう。
なので、何時もの仕事の雰囲気じゃないので
男に対して身構えて警戒心が出ているのだろう。
だが、龍之介も女慣れはしていないので
今はインタビュアーという役に成りきって
万梨菜と向かい合っている。
「大学は行かなくって……
「はい、漫画家に専念するために……
龍之介は友達のように軽い感じで聞くと
万梨菜は龍之介に顔を向けて話すので
龍之介は此の路線で行けると感じて
「次の作品がアニメとなって、売れっ子に!」
軽い感じを続けて聞くと、
「運が良かったので、渋谷の高級住宅街に
家を……
万梨菜が要らない情報まで出したので、
「マリナ! 場所が特定されるから!!」
龍之介は万梨菜を名前で呼んで漫画以外のことは
言わないでと釘を刺すと、
万梨菜もハッとして如何しようと慌ているので
「カットするから、大丈夫です!!」
龍之介が編集でカットすると言うので
万梨菜は安心した。
其処から龍之介と万梨菜はリラックスして
インタビューは最初の項目も交えて順調に進み
「今日は有難うございました」
龍之介が万梨菜に感謝の言葉を言うと、
ADが万梨菜にカンペを見せて来たので
其れを見た万梨菜は撮影の工程を思い出して
「此方こそ、あ、ありがとうございま、ます」
万梨菜は慌てて言ったので
龍之介は落ち着いてと言って
最後の挨拶だけ撮り直して
リビングの撮影は終了した。
「すみません、フレンドリーな感じでしてしまい……
龍之介は万梨菜にインタビューの態度を謝ると、
「いえ、緊張を解してくれて……
万梨菜は顔を床に向けながら言う言葉に
「そう言っていただけると、罪が軽くなります」
「罪ですか?」
「オンエアされたら貴方のファンから
抗議が来ますよ」
龍之介は砕けた感じで行ったインタビューで
罪の意識があったのが軽くなると言うと、
不思議そうに万梨菜が龍之介に尋ねると、
龍之介がオンエアされた後のことを言うが
詳しく言わないので
「抗議?」
「えぇ、友達か恋人の会話みたいだったので」
万梨菜が再び聞くと、龍之介は万梨菜との
インタビューが恋人の語らいのようだったと言うので、
「私の恋人は漫画です!!」
万梨菜は目を鋭くして
龍之介の顔をはっきり見て恋人は
仕事と告げた。
「分かっています、其処はオンエアでも
強調しておきます」
「お願いします!!」
龍之介は万梨菜の言ったことをアバンに使おうと
決めて言うと万梨菜も恋人は漫画でと
強い口調で龍之介に言った。
そして、
リビングの撮影の片付けのスタッフと別れて
2階に上がり仕事場に入ると、
「綺麗ですね……
龍之介は紙や資料が散らばっていると
思っていた光景と違っていたので思わず呟くと
「一生懸命かたづけました」
フッと笑って万梨菜が言うので、
「作業感を出したかった……
龍之介は作業中の光景を撮りたいと思っていたが
万梨菜の行いで出来ないことに少しがっかりしたが
「ええぇっと、白鳥さんの作業をしている
画を撮りたいので、何時も通りに出来ません?」
漫画の作業をしている場面は必要なので
万梨菜に聞くと、
「今日は、締め切りも終わって、スタッフはいませんけど」
万梨菜は何時もと言う所だけ聞いていたらしく
答えるので、
「白鳥さんだけでも……
「でも、相談しながら描きますから……
龍之介が万梨菜の作業の姿のみで良いのでと
万梨菜に聞くと、1人じゃ出来ないと言うので
「分かりました。私が御手伝いします」
龍之介は漫画を描いたことなどは無いが
漫画を描いてるシーンが無いと御蔵入りになると
思って龍之介がすると告げると、
「私のデスクの横を使って下さい」
カーテンが引かれている窓側が
万梨菜の机で其の横と言うと
万梨菜の机と半分だけ接している
机の椅子に龍之介が座ると、
「コマ割りで、やり直した……
万梨菜が段ボール箱から構成などが
気に食わないのでボツにした原稿を出して来て
龍之介の机の上に置くので、
「これは……
龍之介は机の上に置かれた原稿を見ながら聞くと、
万梨菜は同じ建物が色々なアングルで書かれた紙の資料を
壁沿いに立っている棚から出して龍之介の作業する
机に置かれた棚にある透明のボックスに入れてから
「建物を描いてくれません?」
万梨菜は龍之介に先ほど渡した原稿に
斜め横からのアングルでC45の建物と指示が
書いてある所を人差し指で指して言うので、
「出来ると……
「私も人物にペンを入れますから、
分からない所を聞いて下さい」
龍之介はド素人に何やらせるんだと思いながら
万梨菜に聞くが、万梨菜は龍之介の言葉を無視して
自分の机に原稿を置いてペンやインクなどを
机の上にある棚から出して行くので龍之介は諦めて
机の上にある棚から万梨菜と同じように出して
「先ずは、鉛筆で描けばいいんですか?」
撮影スタッフに目で合図を送ってから
万梨菜に聞くと、
「そうよ……
ペン入れを始めている万梨菜が答えるので
適当に、いや、棚の資料を見ると丁度いい感じの
斜めのアングルで描かれた建物があるので
やさしいなぁ……と、フッと笑ってから
資料を手元に置いて龍之介は模写を始めた。
撮影は順調に進む中で龍之介は
此処は線を歪めても良いのかと万梨菜に聞いたりして
撮影は終わった。
「上手いわね」
「貴方の優しさのおかげです」
龍之介が描いた背景を見ながら
万梨菜が褒めるので、龍之介は万梨菜が指定した
建物が資料と同じアングルだったので
上手く描けたと言うと、
「フフッ、此処で働かない?」
「時間があれば……
龍之介に笑みを見せながら漫画家の
アシスタントにならないかと万梨菜が聞くので
社交儀礼として万梨菜に笑みを見せて
告げると、
「そう、電話するから……
「お待ちしています。
それでは、我々は退散しますので……
龍之介の名刺を見ながら万梨菜が漫画の仕事で
電話をすると言うので、龍之介は何時でも
電話を掛けて下さいという感じで告げて
万梨菜のアトリエを後にした。
「才能かしら、フッ、
いいアシスタントが手に入った!!!」
万梨菜は窓から退散する龍之介を見ながら
アシスタントをゲットと微笑んでいた。
そして、龍之介の地獄の日々の始まりであった。
龍之介が他局でドラマの話数を削るか
視聴率が低飛行なので此のまま今月で打ち切りかと
広告代理店とスポンサーとして出資している企業との
会議に出ている時に万梨菜から電話が入り
会議室から出て管理室の電話に出ると、
『背景、描いて……
「岩崎グループの代表で仕事をしているんだけど……
万梨菜がアシスタントとして手伝ってと言うが、
今日は、TBCのディレクターではなく
岩崎グループの社員として会議に出ている
龍之介はソヌース・エレクトリックの社長との縁で
TBCのディレクター、TBC専用タレント、そして、
岩崎グループが番組などのスポンサーになっても良いかの
判断をする立場の3足のわらじを履いている。
今回は他局のプロデューサーに泣きつかれて
渋々スポンサーになったが、ドラマの内容が
毎回の恋人同士の口喧嘩、尻軽、性行為、最終的に
結婚って、2クールの放送だが有り得ない内容だったので……
案の定、スポンサーになった企業に告げていた視聴率に
達していないので上記の会議が開かれたが
会議は難航していたので手伝えないと告げると、
「終わってからで、良いから……
泣いている感じで万梨菜が喋るので
ウソ泣きと思いつつ
「分かった……
龍之介も万梨菜の件の放送が来月なので
此処で嫌われて御蔵入りは避けたいので
仕方なく了解しているが、龍之介は背景を
描いた後の喜んでいた万梨菜の笑顔が素敵だったので
万梨菜の仕事を手伝うことは嫌ではなかった。
今回を含めて5回目の手伝いである。
ドラマはテコ入れをすることで予定通りに
2クール放送することで会議は終了した。
ドラマの視聴率は最低でも15%はあったが
龍之介以外のスポンサーには20%を超えると
言っていたし、出演者もアイドルを起用した
結果が20%に行かないので上記の事となった。
会議も終わり龍之介は渋谷の万梨菜の
アトリエに向かう。
TBCのディレクターとしての仕事は
他のディレクターに任せているので
進行状況を明日以降に聞くことになっている。
その見返りに岩崎グループから資金を
少し多めに出させることになっている。
2階に上がり仕事場に入ると
「待ってたよ!!」
万梨菜が嬉しそうに
龍之介を迎えるが、
「他は……
万梨菜以外が居ないので龍之介が聞くと、
「みんな作業は終わって、龍之介の仕事だけ!!」
「先生が描けば良いでしょう!!」
他のスタッフはベタなどの仕事を終えて
帰宅しているが龍之介が受け持つ背景は
終わっていないと万梨菜が嬉しそうに言うので
万梨菜自身が描けばいいだろうと
龍之介が文句を言うと、
「だってぇ! 龍之介の背景が好きだもん」
色気ある感じで万梨菜が自分で背景を描かない
理由を言うので
「心ないことを!!」
龍之介は甘い言葉で言う万梨菜へ
もう2度と手伝わないと決めつつ
ハンガースタンドのポールにぶら下っている
ハンガーに背広を掛けて
背景の作業に入る。
「手伝おうか?」
「あのなぁ、お前の原稿だろ!!
暇なら、他のページの背景描けよ!!」
「嫌だよ」
万梨菜が龍之介の作業を見ながら
聞いて来るが、ただ単に言っているだけで
手伝う気はないのは分かっているので
無駄だと思いつつ背景が描かれていない原稿を
仕上げろと龍之介が言うと
万梨菜はやらないと言うので、
「だったら、次のネーム考えろよ!!」
「担当に見せるだけ」
龍之介が描いている次の次のネームを
暇なら考えろと万梨菜に言うが、
もう終わっていると
ニヤッとして龍之介を万梨菜が見るので、
此奴と思いながら女性なら料理だなと
「そう、夕食まだだから、何か作れ!!」
万梨菜に言うと、
「私、出来ないもん!!」
「嘘言え! パンや卵を焼けばいいから!!」
「私の手は怪我とかしたら行けないから……
パン用のポップアップ型のトースター機が
台所にあるのは分かっている。
冷蔵庫には冷凍食品は他のスタッフと共に昼の食事で
使用したはずなので無いのは分かっている。
有るとすれば卵は数個は残っているはずなので
フライパンで焼けば良いからと言うと、
漫画を描くために大事な手は使えないと
万梨菜が言い出すので龍之介はキレて、
「此のアマがぁ!! だったら出前取れよ!!」
「お金ないもん」
「この……御金出す!!」
「寿司にしよう!!」
最後の手段と言って出前を言い出すと
万梨菜は儲かっているはずなのに御金が無いと言うので
腹も鳴っている龍之介は仕方なく自腹すると言うと、
御寿司と言って万梨菜は電話機の横の手帳を取って寿司屋に
電話をしている光景をチラッと見てから
「舐められている……
明かに遊ばれていると感じた龍之介は、
描いている背景に悔しい気持ちを込めて
淡々と作業をした。
万梨菜の件の放送が流れて、女性漫画家の
何度も挑戦して掴んだ今を此れから漫画家を目指す人に
何らかの影響は与えた結果の視聴率が書かれた
紙を見ながら龍之介は今日の作業の背景を
描き終えた後に万梨菜に此の紙を見せた時の
表情を思い浮かべながら万梨菜のアトリエに向かった。
そして、何度も万梨菜に呼ばれる龍之介は
万梨菜のアトリエにアシスタントとして
住み込み出した。
そうすれば、会議やロケ地でも平気で
電話を掛けて来る万梨菜の為に
スタッフなどに謝って電話に出ることも無くなる。
漫画の描く作業はTBCのディレクターなどの
仕事を終えてからの作業となり、寝る時間は
3時間であるが場所が良いので今まで住んでいた
墨田区より移動などを考えると楽だし、
起きてからゆっくりと新聞を読む時間も取れる。
万梨菜のスケジュールに合わして
TBCのディレクター、岩崎グループの仕事を
組んでいる。タレント業は今までも少なかったので
万梨菜のスケジュールを見て選んでいる。
「困った……
「どうしたの?」
今週分の原稿が終わってコーヒーを飲みながら
龍之介が呟いていると万梨菜が風呂から上がって来て
バスタオルを体に巻いた状態で聞いてくるが
「年末進行でも……
壁に掛かっているカレンダーの予定を
見ながら5話分を2週間で仕上げれないかと
考えても無理だなと万梨菜の声が届かずに
溜息交じりに龍之介が呟いていると
万梨菜は龍之介に寄り添ってバスタオルの
隙間から胸をチラッと見せながら
「どうしたの……
万梨菜が聞くので、龍之介は目を逸らして
「ニューヨークに行く」
「クイズで?」
出張で行く場所を告げると、万梨菜は
ニューヨークと聞いて後楽園球場から
アメリカのニューヨークまでクイズをしながら
最後の勝者を決めるクイズ番組のことを
言い出すので、龍之介は他局のクイズ番組に
スポンサーとして関りがあっても今年は
終わっているのに言うかなぁと思いながら
「仕事……
TBCのディレクターの仕事でニューヨークに
行くことを溜息しながら言うと、
「断れば……
簡単に万梨菜は言うが、
「岩崎グループも噛んでいる。
岩崎さんの顔を潰すわけにも行かない」
龍之介がテレビ局に居られるのも
岩崎和夫さんのおかげで、今回の仕事は
TBCと岩崎グループ両方からの案件で
龍之介も断れないと告げると、
「担当の菅さんに2週間休載を……
「だめだろう、盛り上がっているから……
万梨菜は
作者取材のため休載させていただきますを
使うと言うが、万梨菜の漫画のバトルシーンが佳境に
入っているが年末年始の為に週刊誌は隔週になるし、
さらに休載では読者を待たせることになる。
龍之介は途中で挟んだ話が読者に受けた為に
今のバトルシーンに関する話を来年の初めに
回そうと担当と話していたが、
ストーリーの流れで先延ばしが出来なかった。
「龍之介の背景を無しで構成すれば……
万梨菜は背景を一切描かずに掲載しようかと
無茶を言うから
「万梨菜が気に入る背景を描ける
アシスタントを探せよ」
冗談で万梨菜に言うと、
「菅さんにも頼んで何人か来たよ!
龍之介のように私の意図を読んで
描ける者はいなかった」
「そうなのか? コマを見て此処は
こうかなとアレンジするだけだろう。
チーフは?」
「本田? あれも分かってくれない。
私の説明の仕方が悪いのもある……
「そうか? 御前が描いた資料を指定している
コマに合うようにアレンジするのが
仕事だろう」
「自分で描けば良いんだけど……
龍之介が居るから……
龍之介の仕事の内容がハードなので
万梨菜も負担にならないように担当に言って
アシスタントを募集はしていたが
万梨菜が良いと思う方はいなかったし、
チーフアシスタントが描く背景にも満足していない。
万梨菜自身が背景を描くことを拒むのは
龍之介との関係が終わるのが怖いからであった。
万梨菜はバスタオルを巻いたままの格好で
ソファーに座っている龍之介の横に座って体を寄せるので、
「風邪ひくぞ! 早く着ろ!!」
竜之介は軽く万梨菜の頭を叩いて言うと、
ブスッと頬を膨らまして
「襲わないんだから……
万梨菜は呟きながらバスルームに向かうのを
見ながら、
「運動がてら、駅の方で買い物する」
「分かった! デートね」
「ただの買い出しだ!!」
漫画家は運動不足になりがちなので
万梨菜の為にスポーツジム、ジョギングを
龍之介は共にしているが、最近は行っていないので
万梨菜の体系維持のために渋谷駅の周りの
センター街や百貨店に歩いて行くと告げると、
帰って来た万梨菜の言葉に苦笑しながら
冷蔵庫の中身が無いので食品などの買い物と
告げる龍之介に
「何を着て行く?」
バスルームの扉から生まれた姿で
龍之介をチラッと見て言うので、
「ジャージで良いだろう、俺はコートを着るだけ」
「面が割れているのに?」
万梨菜はジャージ姿で、龍之介は襟付きの
長袖シャツの上にコートを着るだけと言うと、
漫画家の万梨菜、俳優兼ディレクターの龍之介と
ここら辺では有名なので万梨菜は御出かけ用の服装で
買い物しようと言うが、
「良いんだよ! 何いわれたって!!」
格好で何を言われようが気にするなと
龍之介が反論するので
「龍之介がいいなら……
万梨菜は渋々したがって
バスルームの脱衣所に脱いだジャージが
置いてあるので、下着は変えたが
其のジャージを着て万梨菜が出て来ると、
「行こうか……
「うん」
龍之介はコートをハンガーから取って
着ながら万梨菜に告げて家から2人で出ると
渋谷駅の方に向かった。
コートは大きいので万梨菜にも被せて
寄り添っている万梨菜が
「私たちって、出会って……
「半年だな」
2人が出会った期間を聞いて来るので
龍之介が答えると
「周りから見て……
更に万梨菜が聞くので、
すれ違う人たちに軽く会釈をしながら
「夫婦だろ」
龍之介が関係を答えると
「私って処女だけど……
「安心しろ! 俺も童貞だ」
「してると思った……
万梨菜が恥ずかしそうに未経験と言うので
龍之介も言いたくないけど同じと言うと
意外という感じで万梨菜が言うので、
「言い寄って来る女は居るが
万梨菜より良い女はいない」
テレビ局に努めて、俳優もしているし、
岩崎グループの窓口にもなっているので、
仲間から、芸能事務所から、女優から
お見合いや御付き合いをしたいと言われても
下心ありありで全て断っていた。
その中で出会った万梨菜の笑顔に惚れた。
「私も、漫画家に反対した親から
お見合い写真が送って来るけど
良い背景を描く龍之介が良い!!」
万梨菜も龍之介の惚れた所を言うので、
「嬉しいね……
万梨菜らしい言葉なので
龍之介は笑みを見せて承諾すると、
「そう言えば、雑誌とかスクープって?」
「俺の記事が出たって、売れないよ!」
此れだけ堂々としていて今更ながら
雑誌や週刊誌に取り上げられないのが
不思議と万梨菜が聞くと、龍之介は理由を
言って答えた。
実際は、万梨菜との関係で週刊誌に
記事にされそうになった。
万梨菜のアシスタントで住み込みなのに
同棲と書かれていたり、万梨菜は買い物をしないので
龍之介、アシスタントが買い物をしているので
複数の男が万梨菜のアトリエにと書かれていたりで
嘘の記事に抗議した。岩崎さんの力も使った。
周りは高級住宅街だけあって、龍之介が
俳優やレポーターなどで有名でも騒ぐことは無かった。
今回、龍之介は万梨菜と共に渋谷駅の方に
歩くのは初めてで週刊誌のネタになるのは分かっている。
だが、万梨菜のジャージ姿では恋人、同棲中の女性とは
思わないだろう。記事にされても万梨菜のアシスタントと
買い物と言い訳をすればいいので……
渋谷駅に近くなると龍之介と万梨菜は少し離れて
先ずはセンター街で食事を何処か良いかなと
歩いているとサインを求める方に囲まれたので
髪などボサボサで格好もボロいので
ドラマなどの印象が無いのにと苦笑しながら
サインをしていると万梨菜に気づいた方が
万梨菜について聞いて来るので、万梨菜の
アシスタント仲間と紹介したが、
サイン攻めになっている龍之介に
不満顔で早く行こうと
「龍之介! お腹すいたから……
甘い声で万梨菜は言うので、
付き合っているのとか
聞かれるので苦笑しながら
「仲間が言っていますので……
サインを求める方に謝って、
万梨菜を御姫様抱っこして其の場を離れた姿に
サインを求めた方、周りは歓声を上げていた。
何でも良いから個室がある飲食店に入り
食事をした。
万梨菜は御姫様抱っこされたので
ずっと食事中は龍之介から目を逸らしていた。
「お付き合いしてないのに……
コースメニューの白身魚の焼き蒸しをフォークで
突きながら万梨菜が言うので
「ごめん、あの場は……
龍之介が謝ると、
「人気あるんだ……
万梨菜がチラッと竜之介を見ながら言うので、
「俺もビックリ、フッ……
龍之介自身も驚いたと言うと、
「ホント?」
「ホント……
万梨菜が龍之介に聞くと答えるので、
パンを籠から手で取って少し食った後に
万梨菜は
「親に会ってくれる?」
龍之介に聞くので、
「ニューヨークでの仕事が終わったら
プロポーズして会うつもりだった」
万梨菜に対してのスケジュールを
龍之介が告げると、
「承諾しないことは……
意地悪ぽく言う万梨菜に
「あるの?」
龍之介自分が万梨菜にアシスタントで
こき使われている立場なので、
万梨菜からの逆プロポーズなら
将来を考えて拒否する可能性はあるが
龍之介は其れでも万梨菜と一緒に生きて行きたいと
思っているし、万梨菜も最近の行動で龍之介と
同じと思っていたので万梨菜に聞くと
「……ばか」
万梨菜は頬を染めて無いと告げた。
デザートのアイスクリームを食べ終えて
御店を出てからスーパーマーケットで買い物をして
帰宅したが、その間もサイン攻めになった
龍之介に万梨菜は怒っていた。
帰宅してから
冷蔵庫に買い物をした食材を入れながら
1人で買い物をしている時はサイン攻めになったことが
無いので可笑しいなと龍之介は思いながら
ジャージの上を脱いでいる万梨菜を見て、
メイクをしなくても素の顔が綺麗な万梨菜に
ジャージを着ていても美しさが失われない万梨菜に
周りが引き寄せられて隣に居る男性はとなったのだなと
ニューヨークでライブを開くバンドのプロモーターの
パーティーに万梨菜を連れて行きたくないが
年末年始の進行が書かれたカレンダーを見ると
万梨菜、スタッフを連れて向こうで原稿を描き上げないと
無理だなと覚悟を決めた。
そのパーティーには女性同伴と書いてあり
最初は女優かアイドルから選んで行くかと考えたが
龍之介は万梨菜以外は嫌だったので
無しではダメかと日本のプロモーターのイドーに
聞くとダメと言われたので局のプロデューサーや
岩崎さんに龍之介以外でと頼んだが、
バンドのプロモーターがパーティーに相応しい方の
写真を送れと言われた中で龍之介を指名して
龍之介が来なければ話は進まないと
言われていたので龍之介は困っていたのであった……
そして、スタッフのパスポートの申請や
バンドのプロモーターへ龍之介と万梨菜の
ツーショット写真を送って年末を迎える。
そして、ニューヨークのホテルの1つで
開かれているバンドのプロモーターの
カウントダウンパーティーに
龍之介と万梨菜は参加をした。
アメリカでは低迷期と言われた時期であるが
ノーメイクでカウントダウンパーティーに参加した
バンドの演奏などを聞き、バンドのメンバーと
会話をしたり、バンドのプロモーターとの会話の中には
日本公演の可能性を見出すことに成功しつつ、
万梨菜が絵描きと聞くとバンドのメンバーが描いてと
言うので紙とペンを借りて其の場で似顔絵を描くと
バンドのメンバーは凄く喜んでいた。
万梨菜は英語が喋れないので龍之介が通訳をしていた。
万梨菜の漫画のアニメなどもケーブルテレビで
流さないかという話も出て来たが其の場では
無理と言って断ったりしていた。
日本公演、テレビでの日本公演の放送など
手ごたえを感じつつバンドのプロモーターと
打ち合わせをする為に何度か渡米することになるが
万梨菜も一緒にと言われて苦笑しながら承諾した。
そして、年末年始の進行も一段落して、
龍之介は万梨菜の実家へと足を運んだ。
龍之介の両親に万梨菜を紹介するのは後であるが、
何度か万梨菜のアトリエに弟たちが来ているので
万梨菜との結婚に龍之介の両親は反対はしないだろう。
万梨菜の実家の居間の畳の上に置かれた
テーブルを挟んで龍之介は万梨菜の両親と
対峙していた。
万梨菜の父は60前の短髪の白髪頭の
目が細めの男性で、万梨菜の母は万梨菜に似た
穏やかな顔で万梨菜の父の横に座っている。
「初めまして、上杉龍之介と言います。
今日は御嬢様との結婚の許しを得に来ました」
龍之介が御辞儀をしながら万梨菜の父に言うが、
万梨菜の父は手土産を開封して中に入っている
御菓子を食べながら聞いていた。
「ヒモが娘を……
「御父さん! 龍之介は私のアシスタントを!!」
龍之介が万梨菜を働かせて楽をしている男と
万梨菜の父が龍之介に言うと、
万梨菜が反論するが、
「お前が給料を出しているんだろ!!」
万梨菜の父が万梨菜から龍之介に御金が
渡っているなら同じと言うので、
「社員だから……
「つまりは、ヒモだろ!!」
「万梨菜の御父さん! 背景などの
仕事をしていまして、社員として給料を……
万梨菜が漫画家【白鳥マリナ】のアシスタントと
言うが万梨菜の父は受け入れてくれないので
龍之介が万梨菜から仕事の対価として給料を
貰っていると言うと、
「漫画家として終わったら……
「著作権などで生活レベルを下げれば
老後は安泰です」
万梨菜の父が万梨菜が描けなくなったら
どうするのかと聞くので龍之介が答えると、
「万梨菜! お前は何故! 家に御金を入れない!!」
「入れる必要ないでしょ!
私が自分の力で得た御金よ!!」
「誰が御前を育てた! 敏雄は会社に入って
毎月送って来るぞ! そうだろ!!!」
万梨菜の父が仕事で稼いだ御金の一部を
実家に出さないのかと言うので反論する万梨菜に
兄はしているぞと横の部屋に座っている
兄が頷くので、
「反対したでしょ!!」
「当たり前だ! 低俗な物で家の恥だ!」
「今はプロとして軌道に乗っていますから……
万梨菜は運よく漫画家としてデビューして
漫画がアニメにもなり渋谷にアトリエを構えるほどに
数年で得ているが万梨菜の父にとっては
漫画家は最低な仕事と思っているので
龍之介が万梨菜の父を宥めるように言うと、
「こんな奴が来るんだぞ! ヒモ男がぁぁあああ!!」
「だったら、著作権の一部を御父さんにやるわ!!
文句ないだろう!! それで親子の縁を切る!!!」
万梨菜の父が万梨菜の稼ぎを嗅ぎつけた最低男の
龍之介が来るんだと言うので
キレた万梨菜が叫ぶと、
「親子の縁は斬ったる! 言ったこと忘れるな!!」
万梨菜の父は万梨菜の言った言葉を受け入れると
言ったが後から言った言わないとなる可能性が高いので
龍之介が紙に誓約書を書いて
万梨菜の父、万梨菜はサインをした。
万梨菜の実家から出て来てから
「凄い親……
苦笑いしながら龍之介が万梨菜に言うと、
「作戦通りね」
漫画家になることを反対されて実家を出ている
万梨菜にとって縁を切りたい相手であった。
漫画を嫌っている万梨菜の父にとっては
アシスタントをしている龍之介は最悪の
万梨菜の相手である。
万梨菜の父が反対することは分かっていたので
龍之介と万梨菜は万梨菜の家族から縁を切る作戦を
計画して上手く行ったが、
「良いのか、著作権の話……
「読み切りを集めた傑作集だから
手切れ金と思えば……
作戦の中に万梨菜の漫画の著作権は無かったが
勢いで言った万梨菜の言葉で誓約書を作り
万梨菜が龍之介に耳打ちをして傑作集のみと
契約書に書いたが傑作集の中にはOVAの
企画も来ているので万梨菜の父の性格を考えると
揉めるなぁと不安を覚える龍之介に
縁を切る為に仕方が無いわと万梨菜が言うと、
「そうだな、俺の職業を聞いたら
どれだけの額を更に言われるか……
「そうね、結婚式どうするの?」
龍之介の本来の仕事を言えば
万梨菜の父は毎月これだけの額を家に入れろと
言うだろうと溜息交じりに龍之介が言うと、
万梨菜が婚姻届けは区役所に提出しているけど
披露宴は行わないといけないのと聞くと、
「俺たちの立場上はやるしかないよ」
「分かちゃうね」
龍之介の、万梨菜の関係者に結婚式は
身内だけで行いますとは言えないので
縁を切ったとは言え万梨菜側も呼ばなくては
ならないので龍之介の職業が分かってしまう。
そうなれば、万梨菜の父は言うだろう。
御金を家に入れろと、契約は無しだと、
契約書を破るだろうと思われるので、
「契約書は何枚もコピーしよう」
「そうね……
契約書はあるし、最悪の場合は裁判になるだろうが
契約書以上のことはさせないと龍之介が語気を強めて
万梨菜に言うと、龍之介に任せると告げた
万梨菜は龍之介に寄り添って目を閉じるので
龍之介は唇を重ねてから、
「まだ、してませんよ!」
「誰に、言ってるの?」
「色々と聞いているけど……
「その話、東京に出てる友人に聞いてるけど
経験者にしてもらえって……
「風俗いけって……
「「 初めては、好きな人だよなぁ!! 」」
龍之介と万梨菜は周りに聞こえないように
叫んで駅へと歩いて行った。
明美が生まれる前に未来の明美によって
名字が上杉から天理に変わり、
明治から続く原戸籍謄本も偽装されているので
親戚は赤の他人になっている。
秋人が創造神になった時に龍之介と
万梨菜は下級神になっている。
龍之介、万梨菜が明美たちを守るために
本気を出せば、12柱を越えて
神界を崩壊させる力を持っている。
「今回は御父さまの話です」
「母さんの話でもあるな」
「お母さまの御じいさま達とは?」
「会ったことはないなぁ。名字が変わってから
明美は無いよな」
「お父さまの御じいさま達にも会ってませんね」
「お金貸してとか言われないから
名字変えは今後を考えれば正解か?」
「そうですね……
「俺の紹介は……
「両親を紹介していなかったと気が付いて……
「……そうですか」