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RISE or FALL  作者: hayassi
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はじめての戦闘

 ドレと別れて俺はまっすぐな道を進む。街中では道はでこぼことした凹凸なくきれいに舗装されていたが、町を抜けると道は砂利交じりになる。もちろん舗装などされていない。数えきれないほどの回数、人が通ったことでできた道という感じがする。


 街を出てすぐの道のわきには背の低い木がまばらに生えているが、その数はだんだん少なってくる。木の数が減る一方で、ごつごつとした岩が増えてくる。まばらだった緑もほとんどなくなりいうなれば岩石砂漠といった風景になる。


 道はどこまでもまっすぐ続いておりどこかで別れるような気配もない。俺はとりあえずもうすこし進んでみることにした。


 すると突如として視界の端に何かが映る。次の瞬間嫌な予感がし、サイドステップでよけるともともと俺がいたところにはべとべととした粘着質の白い塊があった。視線を白い塊を放ったものの方向に向ける。するとそこには大きな一匹の蜘蛛がいた。大きさはだいたい1メートルくらいだろうか。何ともいえない毒々しい目立つ色をしている。ファンタジーゲームの中ではいいが、こうして実際に巨大蜘蛛と対峙するとなるとなかなか迫力がありそして...気持ち悪い。


 そんなことを考えているとシャッ、と蜘蛛がひとなき。先ほどと同じように白い塊を俺めがけて吐き出す。俺はそれを後ろに跳んで避け、体制を整える。巨大蜘蛛は間髪入れず八本の足でこちらに向かってくる。その巨体に見合わないスピードだ。すぐに肉薄され、長い脚で横なぎにされる。すんでのところで腕を胸の前でクロスし耐えきる。しかし巨大蜘蛛の追撃は終わらない。鋭い脚で俺に迫ってくる。何とかナイフでさばいているものの、これではジリ貧だ。とりあえず俺はナイフで巨大蜘蛛の足による突きをパリィして、バックステップで距離をとる。


 とりあえず蜘蛛の攻撃モーションを整理しよう。一つ目は粘着質の白い塊を放つ攻撃。これはまともに受けると動きを封じられ、瞬殺されそうなので食らったら終わりと考えたほうがいいだろう。


 二つ目は突き攻撃。初動こそ早いものの目で追えない速さではない。ナイフでパリィして反撃に転じることが出来るだろう。


 三つ目は二本の前足による払い攻撃。そこそこな範囲があるのでバックステップでよけるより、ナイフで耐えたほうがいいだろう。払い攻撃には構える時間が必要なため一撃叩き込むこともできそうだ。


 よし、方針が固まった。再戦といこう。


 俺は地面をけって巨大蜘蛛に接近する。巨大蜘蛛は前足を振りかぶりたたき切ろうとするも、俺はナイフでそれをたやすくはじく。はじかれた反動で巨大蜘蛛の体制が崩れ、よろめく。俺はそのすきを逃さずナイフで巨大蜘蛛の目をはらい、視界を奪う。そして流れるように横に移動し胸のあたりに一発お見舞いする。


 カキン。と甲高い音とともに火花が散る。すぐさま俺は身を引く。硬い。硬すぎる。さっきの反動で俺の腕はしびれてしまった。まさかナイフが通らないとは。今の俺のステータスではこいつは倒せないのだろうか。


 巨大蜘蛛は視界を奪われ暴れている。やみくもに空を切っている。とりあえず当分の時間稼ぎにはなるだろう。さてどうすればあいつを倒せるだろうか。というか、どこならこの刃は通るだろうか。どこかにねらい目はあるはずだ。探せ、探せ。


 俺は巨大蜘蛛が暴れまわってひっくり返ったその一瞬を見逃さなかった。あそこならば刃が通るかもしれない。何とか活路が見いだせそうだ。


 俺はもう一度大地をけって巨大蜘蛛に向かっていく。どうやら視界が回復してきたようで、蜘蛛の目が俺をとらえ日本の足で俺を切らんと振りかぶる。しかし俺はそれを滑り込んで回避。蜘蛛の体の下に潜り込む。勢いを殺さずそのまま腹の下へ。そしてそのまま腹にナイフを突き立てる。確かな感触がする。


 通った!


そのままナイフを握る手に力をこめ、切り裂いていく。緑色の体液のようなものが腹からこぼれていく。それを全身に浴びながら一心不乱に切り裂く。ギオオオオンという鳴き声がする。蜘蛛の力が一層強まるも込める力は緩めない。より一層激しく暴れるが、こちらも込める力を強くして抵抗する。


 耐える。耐える。必死に耐える。この手を放してしまったらこちらの負けだ。ナイフのグリップに手を添えて、雄たけびを上げながら精一杯の力で貫く。


「うおおおおおおおおおおおお!!!」


 蜘蛛はぐったりとし目の輝きは徐々に消え、そしてついには動かなくなった。

 

 


 

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