夢
前作とつなげて読んでみてください。
夢
安岡 憙弘
私の場合は特殊である。すなわち愛して大切にしてくれさえすれば2番目の条件は必要ない。
単純である。愛して大切にしてくれる女性は多くいる。結婚すればしあわせになるだろう。
しかし、それらの女性の2番目の命のような条件を与えてやることは原理的にできないようになっている。持っているものがちがうからだ。そうすると、女性に大変な思いをさせてしまうことになる。
私は今まで、愛して大切にしてほしいという女性と多くつきあった。しかし彼女らはその逆をすることができない。
やはりパートナーをえらぶには、私が愛し大切にするタイプであるかぎり、その逆の欲する女性をえらぶほかない。そして彼女の第2の条件を自分の持っているものの中から、たっぷりとムリなく与えてやること。
いよいよ最後の問題に入った。いったい誰が私を愛してくれるのか。第2条件のようなただ与えるだけの愛ではなく、私の人格全体を愛し、大切にしてくれるのか?これは普通ではあり得ない。普通はどちらか一方が与える側でお互いに第2条件を与えあって初めて愛をうけた方も相手を無条件に大切にする。
ところが私の場合、相手を無条件に大切にするのもいいし、第2条件を与えるのもばっちり。しかし、私の第2条件は、平凡なものではなく、第1条件をみたしてくれることが第2条件となっている。つまり、私のような与える側のものが第2条件として相手に与えてくれと要求しているわけである。これがないと縁を切るより仕方がない。
この芸統ができるのは、果たしてだれなのか?