キャラ紹介・物語全体のあらすじ
「私は、私のモノを奪わせない」
本名:ソラン=ベランテラン 傭兵名:ライ
(*物語の内容の関係により、二通りの名前として出てくるが同一人物である)
〈基本情報〉
カルデリア第一王女。容姿は端麗。芯のある茶髪と同じ色の瞳を持つ。アカデアイ大陸では「剣姫」と謳われ、一人で一個軍団を相手にできると畏れられている。祖国を除いて、本名よりも傭兵名の「ライ」で呼ばれることが多い。
〈性格〉
性格は男前。ただし、ドラゴンでも悪魔でも相手にできるのに、唯一怖がるのが幽霊。幽霊屋敷と噂される建物に入った時、従者であるヨベルに抱き着いて泣いたことは彼からかなり驚かれたという。特技は料理で、相手が農民だろうと貴族だろうと、料理のおもてなしで必ず満足させることができる。
〈生い立ち〉
【神風団編】
幼いころに祖国が侵略され、クリスタルの暴走により妹・ウンリア=ベランテランと共にそれぞれ別の世界へと飛ばされてしまう。
またその衝撃で記憶を失い、辿り着いた世界でツヴァイの両親に拾われる。ツヴァイの家で育てられ、この時に家事・料理などを覚え、畑仕事も手伝った。
数年後、山賊に村を荒らされた時、ツヴァイの両親が殺され、家に火をつけられる。その衝撃で才能が目覚め、震えて泣きじゃくるツヴァイを守ろうと、折れた農具を手に山賊を退けた。その後、行き場がなくなったツヴァイを連れ、自分の才能を生かせないのかと、剣士を目指す。苦しい生活の末、傭兵団「神風団」より声がかかり、そこで名をあげ隊長まで上り詰めた。この時に名乗った傭兵名は「ライ」。
ある日、一人の少女と出会う。彼女がこの世界の人間ではないと知ると、善意で、どうにかして彼女を元の世界へ帰す方法を探るが、そこで思いもしない戦いに巻き込まれることになってしまう。そして「神龍剣」を手に入れ、「神風団」の仲間と共に世界を救うことになる。
戦いが終わると、世界と世界の間を転移する術式を受け継ぎ、ただ一人、転移魔法陣を描ける者となった。
【祖国取り戻し編】
転移魔法で異世界から来た少女を元の世界へ送り届けるが、初めての転移魔法は想像以上に体力を消耗し、また戻るのにも時間がかかるため、暫く彼女のいる世界(日本)を楽しむことにした。
そんなある日、「マリア」「ヨベル」と名乗る二人が訪れてきて、少女の実名が「ウンリア=ベランテラン」であり、アカデアイ大陸内最大の国、カルデリアの第二王女だと告げられる。それからは、ウンリアと、彼女が持っているペンダントを狙う刺客と戦う日々が始まる。
戦いの中、ウンリアに深く傷ついた姿を見せてしまったことで、ウンリアが戦意喪失し、ペンダントを海へ捨ててしまう。このことを察し、海からペンダントを探し、拾うが、ここで初めてウンリアの「王族を象徴する」ペンダントが、自分が子供のころから大切にしてるクリスタルの欠片と同じ刻印が入っていることを知る。
間もなく、自分の本名が「ソラン=ベランテラン」で、ウンリアとは姉妹関係だと判明し、ますます戦線を離れられなくなった。
やがて、全ての元凶がカルデリア領内にある、生命エネルギーの源であるクリスタルが、人の手により暴走したことだと知ると、アカデアイ大陸へ渡り、決戦を控える。
だが仕掛ける前に、ヨベルの裏切りに遭ってしまい、戦況が大きく傾く。彼もまた被害者の一人で、敵側の捨て駒だと気づき、命を助けたことで和解。ヨベルが神に愛された一族、「クロスティン人」の最後の一人だと知り、彼の力を借りてクリスタルを鎮めた。
とりあえず混乱は抑えられたため、カルデリア内では「英雄」「剣姫」と讃えられる。つぎの王位にも推薦されたが、性に合わないと感じたため、その役目を妹のウンリアに押し付け、自分は気楽に「傭兵まぎれ」を続けた。
【呪い編】
「プロレア」と名乗る男が現れ、彼は千年生きてきたと言う。
ずっと昔、未来には大きな災いが起こるという予言があった。これを防ぐため、古代人は対抗できる神具を作り、千年に一人、この神具を意識の底に潜めることで受け継いでいく人を選出する。その者は千年を生きるため、体内の時間を止めるという、古代人の呪いも同時に受け継がなければならない。
プロレアは前の千年を生きた人であって、次の千年で、予言の日に達するという。最後の千年を任せる人に、自分が選出されていると告げられた。彼の言葉が嘘ではないと知ると、その役目を果たす意を決する。
【小さな王女編】
呪いと神具を引き継ぐと、年を取ることはなくなったが、まだ周りとの関わりを完全に断ち切ることはなかった。傭兵業を続けながら、数年経ったある日、ヨベルの危機を悟り祖国へ戻る。
そこでウンリアの子、ルアを庇って彼が瀕死状態であったことに衝撃を受け、戦いに全面参戦する。この戦いは、封印状態にあるクリスタルの解放を企む組織が敵だった。なんとかヨベルの力を借り鎮圧するが、やはり完全に封印する術はない。
【少年と剣姫編】
そして呪いから数百年経った頃、周りには、昔からの知り合いが誰も居なくなった。永い間で一人旅を続けていると、精神状態が危うくなるのだ。善悪の区別はつけていたが、自分自身でも危ういと感じる頃、偶然一人の少年の命を助けることになる。
彼は貧民街で盗みをやっていて、身寄りがなく、誰からも愛されたことのない子供だった。そして出会って間もなく、彼は自分の「孤独」である本質を見抜いていた。お互いに「孤独」であるのなら、寄り添い合えばいい――そうして、彼と二人での暮らしが始まる。
【悪魔の覚醒編】
貧民街で出会った少年には記憶がないようで、名前も分からないと言うのだから、「ロレン」と名付けた。
彼が成長するに連れて、学問を教え、剣術を教え、自分の過去を打ち明かす。そんな日々はとても楽しいし、自分が変わらないことを、彼は全く気にしなかった。
そんなとき事件は起こった。「悪魔」が復活してきているという。人の間に、「悪魔」に乗っ取られ強力な力を持つ人が現れるのだ。彼らの意志は「悪魔」であるため、かつての家族、恋人を次々と殺し始め、世に混乱をもたらす。どうにかしようと動き出すが、敵はなかなか手強く、一人ではどうにもならなかった。
そんな時、異変はロレンの身にも起こった。彼の体内の「悪魔」が覚醒し、今まで教えた剣術、鍛えさせてきた力に「悪魔」の力が加わり、彼は人間を多く惨殺した。
自分との直接の戦いで彼は「悪魔」を抑え自我を取り戻すが、人を惨殺した記憶に絶望し、自ら命を絶とうとする。そんな彼に、「命がいらないなら私に頂戴。私のために生きて」と説得したことにより、思いとどまらせたものの、以後、彼は自分の為だけに生きるようになった。
さらに、この時よりロレンは「悪魔」の力により体内の時間を止め、自分と同じく永き時を生きられるようになった。
【予言編】
古代人の予言がいよいよ現実となる。全ての世界の人類が危機にさらされたと知ると、自分の役目を果たすため、神具を古代人から「選ばれし勇者」に渡そうと日本を訪れる。
だが「選ばれし勇者」を特定するのが、敵サイドより一足遅く、駆け付けた時には、神具を持たない「選ばれし勇者」は恋人を庇って命を落としていた。
このことに絶望し、戦いを放棄する素振りも見せるが、体内に「悪魔」の力を宿したことで人類最強の戦士となったロレンに助けられ、体勢を持ち直す。
神具の力を完璧には引きだせないが、「選ばれし勇者」の一番近くにいた彼の恋人に神具を渡すと、決戦を仕掛ける。かなり無理をしながらだが、最後には打ち勝って、世界の秩序を取り戻した。
なお、神具はこの戦争で消滅したが、体内の時間を止める呪いは現存で、またこれを受け継ぐ人もいないため、体内時間を止めたまま、ロレンと共にまた旅に出るようになる。
【クリスタルの意志編】
長い年月、クリスタルは人の手に触れられることなくカルデリアの地下深くに封印されていた。やがてベランテラン家の王権が終わり、国の名が変わっても、クリスタルはそこで静かに眠っていた。
しかし異変は突如に起こる。利用するのではなく、クリスタルの存在そのものを壊そうとする力が現れ、即ち、人間だけにとどまらず、全ての世界の全ての生物が危険に晒される。これにクリスタルの防衛本能が反応し、エネルギーとエネルギーの戦いが始まった。
まずクリスタルは、過去から最後のクロスティン人であるヨベルを、時間を超えて現在に送ったのだ。そして自分はロレンと一緒に、そんなヨベルと出会う。
さらに「クリスタルの意志」と名乗る男、ユーがヨベルの後を追って現れ、全ての世界を巻き込んだ戦いを引き起こす。
【学園編】
全ての戦いは無事に終わるが、その最中、激しい衝撃場面から精神打撃を受け、戦いの後記憶喪失に陥る。
また体が力に耐えきれず、命が危うくなったため、ユーの能力で力の全てを一度封印されることとなった。そのため、暫時的ではあるが、ただの女の子でしかなくなった。ロレンはこれを見て、このまま生活を送ることを決心する。
彼に連れられ日本の高校に編入した。暫く平和でぼのぼのとした日常を、全ての戦場からかけ離れた生活を送るが、それもやがて終わる時が来る。「魔王交代」を掲げて「悪魔」の活動が活発になったのだ。当然それは、「半悪魔」であるロレンの身にも降りかかり、ただの女の子でしかない自分を守りきれないと判断され、戦いの最中でロレンから力を返される。そして、戦いの中で徐々に記憶を取り戻すこととなった。因みにこの時の偽名は「空井羅亜」である。
「あんたの居ない世界に、オレの生きる意味はない」
ロレン
〈基本情報〉
オレンジの、少しボサっとした髪と瞳を持つ。戦闘能力は間違いなく人類最強で、戦場を駆け廻るその姿は正しく「戦鬼」である。ライのことが最優先事項であり行動原理である。
〈性格〉
元々は、ライに恋い焦がれる素直な少年だったが、悪魔に関する一連の事件を経てからは、罪の意識から一切の願望をなくした。自分は幸せになるに値しないという考えを常に持っている。
ライだけが生きる目的であり、それゆえ「彼女のいない世界に自分の生きる意味はない」と考えていて、彼女の為に傷つき命を賭けることに微塵の迷いもない。ライ以外の人や物事に対して淡白で、興味を持たない。
戦場では常に冷静で、どんな残酷な光景の中でも表情一つ変えない為、人にはよく「冷酷であるがゆえ」だと誤解される。だが実際のところ、全ての感情を自分の奥深いところへ押し込むことで自分を保っているため、ライに促されると、(日頃溜め込んでいた感情が溢れて)意味も分からずに泣き出すことがある。
〈生い立ち〉
【少年と剣姫編】
幼い頃に「悪魔」が体の中に侵入し、この時既に一度「堕ちて」いて、両親を含む村の大多数の人間を惨殺している。ショックで本人は長らくその記憶を失っていた。
その後、行き場がなく町まで出たところ、貧民街に棲みつくことになる。子供でありながらも、身体能力の高さから盗みで日々の糧を得て、路上での生活で命を繋いだ。
そんなある年の冬の日に、偶然貧民街を訪れていたライの腰袋を盗んだのをきっかけに、彼女に探されることになる。直後に盗みを仕掛けた先がその地域の盗賊団だったため、裏路地で大男数十人に殴られていたところ、駆け付けたライに命を救われた。その時、彼女の剣筋に惚れ、またそれを「記憶」する。
ライが彼を探した第一の理由として、彼の盗んだ腰袋の中に「クリスタルの欠片」が入っていたことであったのだが、それは先程の盗賊団が持ち去ってしまったため、彼女は盗賊団を追うことにした。
彼女との縁をこれっきりにしたくなかったロレンは、「自分ならこの町のことに詳しい」と言い張ったことで彼女と協力関係になる。やがて盗賊団を追い詰めた二人だが、自分の過誤で人質にとられてしまい、それにより身動きがとれなくなったライが怪我を負う。
そんな彼女を救いたい一心で、危険を顧みずに自力で拘束を脱し、剣を取り盗賊達に単身で立ち向かって勝利を収めた。この時に「記憶」したライの剣技をそのまま繰り広げたことで、その才能を知ったライに一目置かれるようになる。
戦闘後、お互いに認め合ったこともあり、貧民街を出てライの旅についていった。
因みに、「ロレン」という名前はこの時ライからもらったものである。
【悪魔の覚醒編】
成長と共に、ライから剣術を教われ、そのうちライに勝つことはなくとも、訓練の相手として不足はないと思われるまでに腕を上げた。同時に学問や戦場で必要となる医学なども教わり、武術に頼らなくとも一人で生きていけるほどになる。ライの話し相手になっていたので、彼女の過去にも詳しい。彼女が年をとらないことはあまり気にせず、寧ろいつまでも綺麗な人だと讃えたいくらいだった。
幼い頃から常にライを思っていたが、成長するにつれそれが恋心だと知ると、複雑な心境になる。
世界に「悪魔」がその存在を知らしめ始めたのは、ライと旅を始めてから10年経った頃だった。ライが引き受けた任務の一つに「悪魔」が関わっていて、これをきっかけに彼女は「悪魔」の調査を開始した。
同時期に、自分は体の異変に気づくことになる。悪夢を見たり、体が勝手に動いたりしたものの、ライには打ち明けずにいた。これが仇となったのか、彼女が突き止めた、過去に「悪魔」が出現したと思われる村――自分の出身村へと出向ったことにより、かつての記憶が蘇り精神崩壊の状態になる。これが決定的な引き金になり自分の中にあった「悪魔」は完全に覚醒した。
「悪魔化」してからずっと虐殺をしていたのだが、ある時、自分の前に立ちはだかったライと戦闘状態に陥る。戦いながらも自分の名を呼ぶライを認識し、彼女への強い思いから「悪魔」の暴走を止めた。
しかし既に取り返しのつかないことをしたことに絶望し、自ら命を絶とうとするが、ライに止められ、説得されたため、以後自分の命はライのために使うと強く決意する。
【予言編】
古代人の予言が現実となった時はライの身の危機を悟り、半悪魔化の力を惜しみなく使用した。以降、大いなる戦力として彼女にとっての切り札の一つとなる。
【学園編】
クリスタルの意志、ユーが導く戦いの後、酷く取り乱したライを見て、もう彼女を戦場に送りたくないと強く望むようになる。彼女がずっと憧れていたという、日本での高校生活を実施すべく、行動を始めた。高校での記憶喪失したライとは、自分が一番近くに居たせいか、彼女からの恋愛感情を感じ取れて困惑したという。
しかしある日、「悪魔」の一味に急襲され、重傷を負ったため、自分一人ではライを守りきれないと判断し、「ごめんな」と言いながら、ライの力の封印を解いた。因みに日本での偽名は「光井陽」。
「誰がなんと言おうと……貴女は世界で一番、素敵な女性なんです」
ヨベル=ベズニードル
〈基本情報〉
カルデリア王家親衛隊隊長。クロスティン人の特徴ともなる、銀の髪と瞳を持ち、礼服も黒ではなく白物を着こなす。
〈性格〉
人へ対する態度は極めて丁寧であり、礼儀正しい紳士。
人一倍の努力家であり、元々戦いを好まず武術を持たない「クロスティン人」の血を引くものの、異例なまでに剣術を高めた。
手先が器用で、作法、掃除、物の修理、来客のおもてなしと他分野に渡って完璧にこなせていて、中でも料理はソランといい勝負である。また勤勉で吸収率が早く、独学で国の試験に歴代2位(1位はドライアル)で合格し、総合的な実力を持って親衛隊隊長に選ばれている。さらに、医学に関する知識は専門医のそれよりも劣らずとも上回る。
一方で、恋愛に関しては拗らせるほどの不器用加減で、自分がソランに思いを寄せていたことでさえ、彼女が王宮を去ってから初めて気づくくらいであった。
因みに、王宮であるユーシティ城のエントランスに飾ってある、ソランとウンリアの肖像画は、彼がその手で書いたものである。
〈生い立ち〉
幼い頃にクロスティン人の住み処をカルデリア王国に襲われ、両親を含む多数の仲間の惨殺を目のあたりにしている。多くの仲間と共に王国の手から逃げたが、最後まで逃げ延びたのは自分ただ一人だった。
この一連の悲劇がカルデリアの王族、ベランテラン家の指導によるものだと思っていたため(実際はベランテラン家も被害者)、復讐を強く心に誓った。
王家に近づくため、混乱の際に家が途絶えた貴族のベズニードル家を騙り、当主ヨベル=ベズニードルになりすまし、努力を持って親衛隊隊長とまで認められた。
【祖国取り戻し編】
マリアと共に、護衛隊長としてずっと恨んでいたウンリアとソランに出会う。
復讐の機会を窺うが、ソランと心を交していくにつれ自分の行為に疑問を持ち始める。しかし敵と既に繋がっていて、取り返しはつかず、また感情を煽られたため、裏切りを実行に移す。裏切りをしてから気づいたのが、敵は自分に協力をしたいわけではなく、自分の血を欲しただけだということで、気づいたときには既に捨て駒として扱われていた。
ソランとの一騎打ちに負け、崩れゆく砦と共に落ちて死ぬという時に、彼女に命を助けられてしまう。嘘に塗れた自分の人生に対し「この地位まで登りつめたのは貴方が努力したから。だから、本物のヨベル=ベズニードルは貴方」と自分の存在を肯定され、以降、彼女を全面的に信じるようになる。
彼女の手を取り共に戦う最中で、故郷が襲われたのはベランテラン家のせいではないことを知り、後に和解。それからは、ソラン、それからベランテラン家に本物の忠誠を誓った。
後に王女ルアが生まれると、彼女の世話係兼護衛としての役目も負った。ルアの我儘と大胆な行動には散々振り回されたが、内心その生活を楽しんでいた。ルアには幼いながらどこか人を惹きつける器があり、彼女との間には強い絆も育った。
【小さな王女編】
ルアがまだ無邪気な子供であった時、クリスタルの解放を企む組織に遭遇し、ルアを庇いながら戦うには限界があり、ルアへの一撃を代わりに受け止めることで倒れ、二人して囚われることとなった。
そしてルアが王女であり、クリスタルの封印を解く方法を知っているのかもしれないと見た組織は、ルアが方法を言わなければ彼女の前で自分を惨殺すると脅し、実際に行動に移す。方法は知らなかったが、ルアの存在自体が封印を解く鍵であったため、従者が痛めつけられる情景に耐えられなくなった彼女の精神が崩壊し、それにより封印が壊れることに繋がった。またこのとき敵が偶然手にしていたクロスティン人の血でクリスタルを制御できたため、彼はクリスタルが自分の言うことを聞くと勘違いし、ルアを連れてその場を去った。
因みに左目はこの時失い、また瀕死状態であったが、駆け付けたソランの手当てで一命を取り留めた。やがてクリスタルは当然のように暴走を始める。
これを止め、またルアを助け出さなければならない為、傷が癒えないまま、ソランの援助を得て戦場へ戻り、事態を打開した。
【ヨベルの最期編】
その後、体の調子が悪いのを感じ、医師に駆け付けたところ、余命があと一年持たないと言われる。
休養を断り、周りに病気のことを隠したまま仕事を続けるが、発作により、ルアの前で倒れてしまう。それからは彼女からは滅多に仕事を言われなくなる。
しかしある日、王宮へ負傷兵が駆け込み、ルア一同が森の外れで敵襲に合っていると言う。すぐさま部下に出撃命令を下し、自分は先に馬を走らせて向かう。駆け付けた時にはルアは無事だったが、護衛兵はほとんど壊滅状態だったため、一人で敵軍の相手をすることとなる。
その最中、発作により身動きが取れなくなり、死を覚悟した。最後に止めを刺そうとやってきた大将の剣を胸に受けるが、油断しているところへナイフを突き立て、道連れにして海へ落ちる。直後に親衛隊が辿り着き、ルアは保護された。
【クリスタルの意志編】
実際には死んだわけではなく、瀕死状態で、海の中でクリスタルの時間転移能力を受け、遥か遠くの未来へと飛ばされる。
転送された先で倒れているところを1000年後のソランに発見され、手当てされる。目覚めた時、隣に1000年前と全く変わらないソランがいることを見て実感できなかったが、周りの情景が変わり果てていることを知り酷く混乱する。
しかしどう足掻いても自分の余命はあと一年なのは変わらず、最後のクロスティン人としての役目を理解し、戦い続けることを選ぶ。
「確かに、私は弱くて、守られてばっかりで、情けない人よ。でも、カルデリア王国を統べる者として、此処を引くわけにはいかないの」
ウンリア=ベランテラン
〈基本情報〉
カルデリアの第二王女、後の女王。ライよりも少し薄く、優しげのあるの茶色の髪と瞳をもつ。気が強い方ではなく、国を統べるだけの度胸があるようにも見えないが、誰よりも民のことを思う人である。
〈性格〉
誰にでも優しく、その甘さ故に敵につけこまれるが、その性分は一生治ることは無かった。歌が上手く、王宮内でも特に評判がいい。臣下に無理強いをすることも我儘を言うこともないため、舐められることもあるが、それ以上にその人柄は尊敬された。
〈生い立ち〉
【神風団編】
幼い頃に日本に飛ばされ、孤児としてある老婦人に引き取られたが、その人の死により、一人で生きていく術を学んだ。勉強はできるが、他に目立った才能はなく、苦しい生活を強いられる中、二度目の「空間転移」で当時ライがいる世界へ飛ばされる。
理不尽に翻弄される自分の運命を呪ったが、ライとの出会いと、彼女や「神風団」の仲間との対話により、大きく成長することになる。またこの時、少なからず剣の扱いを習っている。
【祖国取り戻し編】
日本に戻ってからは、ライに日本のことを教え、びっくりしている彼女を見ながら生活に喜びが戻ってくるのを感じたが、マリアとヨベルに突然「貴女は我が国の姫様です」と言われ戸惑う。
だが戸惑う時間も与えられず戦乱に巻き込まれ、そこで自分を守るために酷く傷ついたライを見て、敵が狙う「ペンダント」を自ら捨てることで戦いを放棄しようとする。そこでペンダントの石が、ライが大切に持っていた石と同じもので、クリスタルの欠片を加工し、ベランテラン家の紋章を入れたものだと知り、ライと対話の後、共に戦うことを決意する。
国を取り戻すと、ライ――第一王女ソラン=ベランテランに王位を譲られ、女王となる。王家親衛隊隊長にヨベルを指名し、本格的に活躍を始める。
隣国のバルンの王、ルドリアと惹かれあうが、国同士が険悪であるため、政治面で歩み寄りながら、国民には公表せず、極秘に結婚を行った。生まれた子ルアも、隠し子として、カルデリア内ヨベルの元で育てられる。
相変わらず軟弱な政治体制であったが、やがて入隊した親衛隊副隊長のドライアルが、政治の闇の部分を全て引き受けたことで、カルデリアは安定した大国となった。
「ヨベルのことなんか嫌い!大っ嫌いよ!…………馬鹿」
ルア=ベランテラン
〈基本情報〉
ウンリアの子で、カルデリアの王女。
〈性格〉
生まれてからずっと皇女として育てられたため、我儘だが、どこか人を惹きつける器も持ち合わす。物心がついた頃よりヨベルが側にいてくれたため、いつしか特別な存在となり、成長に伴い恋愛感情にも似た何かを感じるようになる。勤勉や社交辞令が大の苦手で、何かがあると逃げるために家出する。
〈生い立ち〉
【小さな王女編】
幼い頃からよく王宮を抜け出し、街に出ては盗賊を罵倒して危ない立場になったりしたが、ヨベルが細身の剣一本で自分に向かってくる敵の全員を撃退するので、彼に勝つ人なんてこの世に居ないという安易な考えを持っていた。
それが覆されたのがクリスタルを巻き込んだ戦いだったが、その始まりは、自分が敵の隠れに偶然迷い込んだことであった。ヨベルが自分を庇って剣に刺され、さらにクリスタルの封印を解く方法を聞き出すそうと、目の前でヨベルは痛められ続け、終いには左目を抉られたことで、それが全て自分のせいだと唆され一度は精神崩壊にまで陥った。
それでも彼は生きて会いに来てくれて、彼と対話する中で精神は安定し、もう一度封印の鍵となることを決心する。
【ヨベルの最期編】
成人式が過ぎた後も、ヨベルとの付き合いは相変わらずだったが、ある日彼は仕事中に突然倒れる。それが発作によるもので、余命があと少ないことを知ると、胸が締め付けられる思いだった。
ヨベルには最期まで仕事がしたいからと母・ウンリア女王への口止めをされたが、無理はさせたくなかったから自分のほうからは一切頼みごとをしなくなった。どこかへ出かけるときも彼には内密にした(親衛隊隊長のため知られるとついてくるから)。
しかしこれが仇となったのか、一般兵十数人の護衛で移動中、敵襲があり、対応が出来なくなった。次々の自国の兵が血を吐いて倒れていく中、ヨベルが駆け付け、その狂いのない剣筋で敵を押した。しかし途中で彼の発作が起き、戦況は逆転。彼は最期に大将を道連れにして崖から落ちる。
直後に親衛隊が駆け付け、頭を失った敵軍をあっという間に蹴散らした。幸い自分の護衛兵は、重傷を負っていても一命を取り留めている人が多かったが、ヨベルを失った痛みは、彼女にとっては一生癒えることはなかった。
後に、カルデリアとバルンを併合し、その初代女王となった。
「僕が直接手を下さなくとも、手持ちの駒はいっぱいあるんだ」
ドライアル=ポリストリー
〈基本情報〉
カルデリアの王家親衛隊副隊長。容姿は整っており、女性からの人気が非常に高い。カルデリアを裏から支えている。
〈性格〉
目的のためには手段を選ばず、カルデリアの国家維持に必要な暗殺、詐欺、裏金など、様々なことに首を突っ込む。ペテン師で、整った容姿の為多くの貴族女性が寄ってくるため、彼女達を口説いた上で「もの」として使うことが多い。戦争もまるでゲームのように楽しむが、捉え方はともかく、彼の立てた作戦は絶妙すぎるため、反対意見は滅多に出ない。
相手の呼び方は騙るために様々だが、自分が認めた人には「~さん」付けとなる(例:女王さん、隊長さん、姫さん)。自分に絶対の自信があり、それ故隊長ではなく副隊長に任命されたことが不満で、隊長のヨベルを目の敵にしている。
国家試験には歴代でただ一人、満点で合格している。
「何度言ったら分かるんですか、階段は歩いて降りて下さいませ!」
マリア
〈基本情報〉
カルデリア王家に仕える者で、貴族の出身。主に教育係を担当する。
〈性格〉
礼儀に口うるさく、しかしそのお陰で、ウンリアやルアは一通りの社交辞令を身につけることが出来ている。特にルア相手にはかなり手を焼かせ、彼女を叱ると横からヨベルが庇いにくるので二人分叱ることになる。
「僕は人間じゃないから、血は流れないし、傷ついたって痛みは感じない。……でも、どうしてだろうね。胸が突き刺さるように痛いんだ」
ユーズグラテェスファ=クリスタル(愛称:ユー)
〈基本情報〉
全ての生物のエネルギー源であるクリスタルの意志。かなり陽気な青年で、でもどこか裏のある言い方ばかりする。クリスタルの力を借りて戦うことができるが、人間と関わった時点で、クリスタルの本体との関わりはかなり薄くなっていた。
大好きなクロスティン人ということで、ヨベルのことはえらく贔屓している。「治癒能力」や「空間転移」などで長い間クリスタルと関わってきたライにも好感が持てた。
後に、その姿を銃に変えることで、クリスタルの力を扱えるようになったヨベルの神器となる。
用語解説
【クリスタル】…全ての世界に通じる生命の源となるもの。具体的には、発せられた喜びや感謝、祈りなどの正の感情を好み、「生命エネルギー」として吸収し循環している。地中深くに巨大な塊として存在している。また、時間と空間を操作する力を持つ。
【悪魔】…クリスタルとは相反して、嫉妬や憎しみ、悪意などの負の感情を好み、「死のエネルギー」として吸収している。無差別に人間を殺すのは、知性が高くエネルギー効率が一番美味しい種族だからである(絶望や苦痛で繁栄できるため)。
【クリスタルの欠片】…クリスタルの管理国カルデリアの、ベランテラン王家が保有している。現在、一つはウンリア及びその子孫に、もう一つはソランが持ち去っている。




