言葉遣いは重要ですね。
「えっ……?俺めっちゃ可愛くね???」
鏡に映った自分を見た俺は、思わずそう呟いてしまった。
いや、俺ほんとに可愛い。やばいやばいやばい。え?俺めっちゃ可愛いじゃん……
リンカと同じ、いや、へたすりゃリンカより可愛いかもしれない。
リンカも日本ならトップ女優レベルで可愛いのだが、俺の美貌には敵わないかもしれないな……
「マジか、俺こんな可愛かったのか……。いやなんかおかしいとは思ったんだよなあ、街の男達がやたら俺のこと見てくるから。あいつらホモかと思ってたけど、この見た目じゃしょうがないなあ。フフッ」
「ヨミ!遅かったじゃない!」
就職情報誌を読みながらソファーに座っていたリンカが、俺を見て手を振った。
「待たせてごめんね、リンカ。いい就職先は見つかったかしら?」
俺の言葉を聞いたリンカの顔が強張る。
「よ、ヨミ?ど、どうしたの?そんな言葉遣いしちゃって?」
「あら、何言ってるのよリンカ。女性なら美しい言葉遣いをしないとダメでしょう。」
そう言って俺は微笑む。
「気持ち悪っ!いや、いきなりそれはないわー!昨日の夜まで男だったくせにそれはないわー!」
リンカが大声で「昨日の夜まで男だった!」とか言ったせいで周囲の人の目が痛い!おい!ふざけんなリンカ!
「おいやめろリンカ!悪かった!いきなり変えた俺が悪かったから!もうそれ以上は言うな!」
「昨日の夜裸で丘にいた時はもっと男っぽい言葉遣いだったのに!いきなりそれはないわー!」
「ほんとごめん!悪かった!もうやめてくれー!!!」