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第六話 幹部メンバー

 やはりボスとやらは私の想像をことごとく裏切ってくれるようです。まさかボスの正体がこんな美少女だとは思いませんでした。だって幹部メンバーが全員男で、しかも私に気配も悟らせないしどんな屈強な筋肉野郎が待っているんだと思っていたらまさかの自分と年の近そうな美少女の登場。


 私だって吃驚します。想像と違いすぎて思わず絶句という状況の私を軽く眺めて面白かったのか、クスクスと心底おかしそうに笑っていた。


「初めまして私がボスと呼ばれている。伊浦(いうら) 有栖(ありす)だ。君が例の桃園さんだね。順から君のことを聞いて一度会ってみたいと思っていたんだ。それに個人で県内最強の道場の一人娘という情報も得ている。私もそれなりに強いという自覚はあるつもりだ。でなければこんなそこらの奴らを集めたりするようなことはしない。君に質問だ。何で幹部にあのメンバーを選んだと思う?」


 何でって、そう言えば前に一度会ったときは彼らは私の実力に気付く事も出来ないほど弱かった。実力で選ばれたわけではない?となると残るのは……。


「顔……ですか?」


 全員が美形という点も気になっていましたが目の保養という目的のためだけに選んだのなら納得はできます。


「半分正解で半分不正解だな。私は不細工は嫌いでね。確かに美形という点は第一条件に入っている。第二条件は才能だよ。それぞれが私が認めるほどの才能の持ち主と言ってもいい奴らだ。」


 才能……確かに一度会っただけの私には判断はできません。基本的に相手を効率よく倒すことを目的としているので人を育てるという行為は苦手分野に入ります。


「例えば順の才能は柔軟性。元スポーツマンというわけでも無いし何かをしていたわけでも無いのに体がとても柔らかいんだ。特に関節なんかがね。最初に会ったのは小学生の時でね。ついでに言っとくと、私のチームの奴は全員が同じ小学校の奴なんだよ。順とは体育の時間にペアを組んで一緒に柔軟をしたんだけど、あいついきなり首を180°回転させたんだよ。あれには吃驚したね。」


 そりゃ初対面で首を180°回転させられたら誰でも吃驚します。


「烈は知将という感じでね。戦略をたてたり、相手を罠にはめるのが上手でね。最初に会ったときに何をどうやったのか、強盗犯を警察に連行していてね。当時小学2年生の子供がだよ?烈との出会いがある意味一番強烈だったね。あ、駄洒落じゃないよ。」


 あの人見た感じは普通の人でしたけど、中身はとてつもない人だったということですか。現に私も嵌められて此処にいるんですけどね。何故だか段々伊浦さんの武勇伝の様になってます。話の内容は面白いですけど一体あと何人分のエピソードがあるんでしょうか?いい加減帰りたいです。一応お母さんにはメールで遅くなります。とは送ったものの今日中に帰れるといいんですけどね。


「次は忍と昂の話だけど。あいつ等は普通に出会ったという感じだな。偶々帰り道であいつらが悪戯しているところを目撃して、それが面白かったんだ。その悪戯というのが気に入らない奴を拘束した後に大事にしている物を目の前で粉々にするという。あれは傑作だった。あいつらは相手の嫌がることを一目で見抜くらしい。」


 全然普通ではない上に、どれだけ性格歪んでいるんですか。気に入らなかった人が何をしたのかは知りませんけど酷いですね。何でそんな危険人物をチームに入れたんですか!?


「では最後に斎のことだな。斎は順に憧れました。とか言ってきて最近チームに加わってきたんだ。あれもなかなかの才能の持ち主でね。あいつは足が速くてね。スピードだけ鍛えれば世界記録を目指せるくらいにはすごいぞ。顔も可愛いし何より犬みたいで気に入ったんだ。」


 出会いのエピソードが一番まともなのに能力が一番凄そうという謎の展開に……これで最後ならこれで家に帰れるんでしょうか?


「それとこれが一番重要な話になるかな。君にも私のチームの幹部として入ってもらいたい。」


「ん?」


今、とてつもない爆弾発言が落とされた気がしたんですが。


「ボス!それは絶対にだめー!」


 ドアの前で盗み聞きしていたのか藤原君がドアから乱入。私自身いろいろ聞きたいこととか有ったんですが、藤原君が尽く伊浦さんとの会話を邪魔するものだから痺れを切らした伊浦さんが携帯のメアドを交換しついでに名前で呼んでほしいとのことで今回の話し合いは終結した。


 余談だが最後まで藤原君は邪魔してきた。

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