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第五話 ボス

 その数十分後藤原君についていき何処かの大きい一軒家に着いた。洋風の別荘といった感じの装いだ。ご丁寧に庭にはバラのアーチやら椅子やテーブルまでそろっている。ここにボスとやらがいるのだろうか。


 あんなカラフルで美形メンバーを従えている人物とはいったいどんな人物なのだろうと悶々と筋肉のすごい美形な男を想像したがいかんせん顔と体のバランスが悪かった。


 そして隣にはボスとやらの自宅について正気に戻ったのか青ざめた表情でプルプルと震える子犬のように変わり果てていた。


 時折


「逃げちゃだめだ」


「何で来ちゃったんだろう」


半泣きというか完全に泣き始めた状態でドアの前に立っていた。そして突然何かに気付いたようにはっとした顔つきになりインターホンを押してからドアの中へと入って行った。


 勿論状況が状況なので私も付いていきました。そして玄関は普通に片付いていて綺麗な一般の家という感じでした。もっとこうお城みたいなのを予想していたのですが、ボスとやらは色んな意味で私の想像を超えています。


 その後藤原君は迷うことなく歩き続け、目的地に着いたか怪しげなドアの前に立ち止まりました。ドアノブには髑髏が装飾され、黒一色という明らかに今まで見て来た部屋とは雰囲気が違います。


 藤原君は意を決したようにドアの中へと姿を消しました。そして待つこと数分。疲れ切った顔つきの藤原君が再び姿を現した。


「ボスが……です。」


 ぼそぼそと小声で何やらぶつぶつと何かを言っているみたいです。わずかに聞き取れたのはボスが私と対面したいとのことだそうです。私も同行させられた時からこうなることは予想済みでした。


 寧ろこの状況で自分だけ何もせずに帰れるなんてことは普通無いでしょう。この状況がもうすでに普通ではないですけどね。さて、私も覚悟を決めてボスとやらに対面しましょう。どんな人物なのか正直気になります。髑髏形のドアノブを捻り中を覗くと部屋の中も全部黒色だらけでボスの姿は

伺うことはできませんでした。


 それにボスとやらは中々の強者らしいです。私も桃園道場の一員としてそれなりに鍛えて来たしそこらの雑魚が束になって掛かってきても傷一つ負わないでしょう。


 でもこの距離になっても私が相手の気配すらつかめないとなるとお母さん並の強さということになります。こちらに対して殺気が向けられていないのが幸いですね。警戒しながら相手の気配を探っていると


「こっちだよ。」


 高くもなく低くもない中間くらいの音程の声が奥のソファーから聞こえました。ソファーに回り込む形で真正面に立つとそこに座っていたのは、チョコレート色でセミロングの綺麗な髪にスラリとした手足。私と歳も変わらないような美少女が寛いでいました。

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