第四話 強制イベント
「じゃあカップル誕生パーティということでカンパーイ!」
「「「「「カンパーイ」」」」
今現在私の周りにいるのは藤原君と藤原君の所属している不良チームのメンバーその名も漆黒の死神だそうです。チームメンバーの大体の人が黒い色が好きでその色の服を普段から着ていたらそんな感じに呼ばれるようになったとのことです。
今はその話は置いといてそれは置いといて今私がなぜこのような状態に陥ったかと言いますと、あれは昨日の放課後の帰り道でのことでした。いきなり背後から話しかけられ(うっかり投げ飛ばしそうになった。)腕をつかまれ(二、三発くらい殴りそうになった。)チームの秘密基地とやらに連行されたのでした。以上解説終了。
「「ねえねえそう言えばなんで付き合い始めたのー」」
双子君が私に質問してきた。というか君たちは数日前にその現場に居合わせていたと思うんだけど。わざとかわざとなのか。藤原君は藤原君で滅茶苦茶幸せそうな顔になっている。周りにポワ~と花が飛んでいる気がする。
「そういえばボスにはいつ連絡したんすか?」
早乙女君がそう言うとピキっと空気が凍った。
「誰かボスに連絡したか?」
「僕は休みだったから連絡してないっす。」
「聞いた時点で理解してる。他誰か連絡したやつ手上げろ。」
佐野君がそうどすのきいた声で問いかけても手を上げる者はだれ一人いなかった。ボスとやらに連絡がないという状況は藤原君たちにとってはとてもまずい状況らしい。藤原君を除いたメンバーが段々と青ざめた表情になっている。
「どうやって報告するか……」
何やら戦争に行く軍隊の兵士のような顔つきになっている。藤原君はポワンとしたままだけどどうしよう、もう帰っていいのかな?と考えていると佐野君とがっつり目が合った。嫌な予感がしてもう帰ります。という前に先手を打たれた。
「藤原お前まだボスに紹介してねえだろう連絡入れといてやるから彼女と一緒に行って来いよ。」
ノンブレスでぬかしやがった。おい、こんな訳のわからない変な展開に人を巻き込まないでくれと切実に思った。
「おう、分かった。」
分かったじゃないでしょ何を勝手に承諾しているんだ。しかも何で嫁ぎ先の親に挨拶に行きます。みたいな展開になってるんですか。
「それじゃあ桃園さん案内するから一緒に行こう。」
めったにお目にかかることは無いであろう乙女のようなスマイルをかまし、内心拒否しながらも藤原君に付いていきボスの住んでいるという自宅へと向かったのでした。