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巻き込まれ異世界物語  作者: sora
召喚編
6/13

第六話 複写

第六話投稿します

タグにハーレムタグを追加しました。


 俺は姫さんとメイドさんに連れられて、本が多く収められている部屋にいた。


 「ここで何をすればいいんだ?」

 「あなたは何もする必要はありませんよ。ここを選んだのは三日目以降、あなたの勉強をする場所がここになるので、今のうちに覚えてもらおうかと思いまして」


 まぁ、そういうことなら頷けるな、見たところ結構な数の本があるし、文字を覚えたら城にいる間はそこから知識を蓄えるというのもありかな。


 「実戦もここでするのか?」


 ここで、『はいそうです』といわれても困るんだが、ここ以外は食堂か自分の部屋しか知らないのでそういった疑問が出てしまう。


 「いえいえ、さすがにここでは実戦はできませんよ、簡単な生活の中でも使われる魔法ならここでやりますが、攻撃魔法や野外でしか効果を示さない魔法なんかは外にある宮廷魔導師の練習場でやります」


 そりゃそうか、さすがに俺の質問はぶっ飛んでいたらしく、姫さんが苦笑している。


 「では、早速複写の魔法をかけますね?」

 「あぁ、頼む。複写する知識は子の世界の文字、常識などであっているか?」


 俺は一応、これから俺の頭の中に入ってくる知識を確認した。


 「はい。でもご希望であれば、冒険者になったときのための魔物の証明部位や売れる部分、薬草の種類、薬の作りかたも複写いたしますが、どうします?」


 確かに俺は冒険者になるつもりだからその知識は必要だな、でも俺が引っかかっているのは…


 「追加で複写してその副作用でさらに一日寝込むってことは無いのか?」


 俺がそういうと、姫さんとメイドさんは顔を見合わせながら苦笑して同時に…


 「「一番最悪な副作用ですからその更に下は無いんですよ」」


 と、言った。

 ……………それは、喜んでいいのか?


 「っあ!それでも寝込んだ後に、膨大な知恵熱を起こして更に一日寝込んだ方はいますよ」


 メイドさんが今思い出したかのように補足してきた。って…


 「あるじゃねぇか、副作用!」

 「いいえ、それは複写の副作用ではありませんよ」

 「っは?どういうことだ」

 「その方の場合は複写した知識の量にあるのです」

 「知識の量って言ったって、俺の場合だってこの世界の文字と常識、ほかに冒険者としての知識だって複写するんだぞ、十分に多いと思うが」


 俺が欲している知識は、この世界のことを何にも知らない俺が位置から勉強すれば数年単位でしなければいけないことなんだぞ、魔物の証明部位だって何種類の魔物がいるのか分からないのに…

 俺の疑問が分かったのか、姫さんは更に言葉を続けた。


 「その方が複写した内容は、図書館にあるすべての本の知識なのです」


 …確かにそれだけの量の知識がいっぺんにきたら知恵熱が出るわ。


 「国立ではなく普通の図書館なのでそれだけですみましたが、国立の場合は普通の図書館の約20倍の本の多さなので、その場合は一ヶ月は苦しんでいたと思います」


 知りたくも無い補足をありがとう。


 「それではそろそろ始めますね」

 「ちょっと待ってくれ、まだ心の準備ができていない」


 姫さんが複写を始めようとしたが、俺の心の準備はまだだったので、スットプを掛けたが…


 「はじめてかまわない」


 っと、なぜか俺の声にかぶして、俺の声真似をしたメイドさんが姫さんにGOサインを出した。その声真似はむかつくほど似ていたので、魔法に集中していた姫さんは…


 「分かりました!」


 元気よく返事をして、詠唱を始めた。

 あのメイド、何てことしてくれやがる!早く止めないと


 「っちょっと、ま…」


 姫さんを止めようとした俺の口から突然声が出なくなって…


 「我、知識を持ちし者、知識を欲する者に、我が知識を与えん」


 おそらく詠唱が終わって…


 「複写コピー!」


 呪文の名前を叫ぶと、


 「っう!」


 俺の頭の中に膨大な量の知識が流れ込んできて、俺は意識を失った。

 最後に見たのは、やりきったような笑顔の姫さんと、悪魔のような微笑でこちらを見ているメイドさんだった。



 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 「ふぅ、何とかできましたね」


 私はそういって気絶してしまったソラさんの介抱をしようと近づいて様子をうかがった。


 「そうですね、後で複写した知識に間違えが無いか確認し、補足すればよろしいかと」


 私の近くにいる年齢不詳のメイドはそういってきた。

 本当にこのメイドは謎だ。一説にはもう三十路過ぎのおばs「何か言いましたか姫様?」永遠の二十代前半のお姉さんだといわれている。


 「最初っからそう思っていればよろしいのです」

 「あなたは本当に恐ろしいわね」

 「褒めてくださりありがとうございます」

 「褒めてない褒めてない」

 「それよりも早く介抱しなくてもよろしいのでしょうか?」


 そういわれて私は、ソラさんの介抱をしようとしていたことを思い出した。

 少しあわててソラさんに近寄ると気を失っているだけのようで脈は正常で息も整っているから寝かせておけば大丈夫だろう。

 ソラさんの寝顔を見ていると彼がどういった顔をしているのか確認できる。

 きれいな茶髪に形の整った顔、更に鍛えているのか、しっかりとした体つき。これだけ見れば(顔は除く)普通は彼のほうが勇者だと私は思う。

 しかし、あの巫女が選んだのはどう見ても顔だけで選んだ金髪の男の子。彼は見たところ自分で戦うことはできないと判断したけど、きっと巫女やその場にいた人たちは気づいていないでしょうね。

 それがどれだけおろかな選択なのかも知らずに。






 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇



 私には母がいない。

 母は前女王だったけど、はやり病で死んでしまった。

 母の遺言で今までこの国を引張ってきたけどそろそろ潮時なのかな。

 私は母の愛したこの国を救いたかったけど肝心の政府にその自覚が無いのなら私はこの国を捨てる!

 そして、私は自由に生きる!


 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇








 「っあ、回想終わりました?」


 このメイドの読心術はどれくらいのレベルまでいっているのか私には想像できない。それに自分が決意したことを回想の一言で終わらせられるなどひどすぎる。


 「だって前女王様のが死んでしまったところからはじまってしまったんですからどう考えても回想でしょう。ちなみに私の読心術で分からないことはありません」


 このメイドには何を言っても無駄だと判断した私はソラさんを運ぶために前かがみになってそして偶然・・・偶然唇と唇がふr「おっと、姫様にはまだ早すぎます」れなかった。


 「ちょっと、何するのよ」

 「姫様にはまだ早すぎるといったのです。そういったことは双方の同意があって初めてしてもよいのです」

 「っな///」


 私は顔が熱くなるのを感じた。きっと今の私の顔は真っ赤になっているだろう。


 「何言っているのよ、勘違いよ!私は彼を運ぼうとして偶然唇が重なりそうになっただけじゃない、そんな疚しいことなんて少しも無いわ」


 そ、そうよ。確かに彼の顔は私の好みストライクゾーンど真ん中だけどまだあったばかりなんだからそんなことは無いわ。


 「ちなみに、あなたの決意したときの回想の深いところでは世界を見てみたいという知識欲と彼と一緒にいたいという独占欲のほうが強かったりするんですよ」

 「嘘?!」

 「本当です」


 そうか、私はソラさんに恋をしてしまっていたんだ。だから彼が城を出て行くといったときはとても悲しくなって、そして彼と一緒に世界を見てみたいと思ったんだ。


 「そっか、考えてみれば案外簡単なことだったのね」

 「はい、簡単なことだったのです」


 私は王女という身分を捨ててただの人間になる。そして彼と一緒に世界を見て回るんだ。


 「あと、ひとつだけ伝えておかなければならないことがあります」

 「な、なに?」


 私は少しだけ身構えて聞いた。このメイドがもったいぶって喋るなんてキットろくでもないことに違いない。


 「彼は・・・私のストライクゾーンもど真ん中です」


 男が見れば魅了されるような笑顔で最大限の爆弾発言をした。


 「はぁ?!」


 一瞬何を言っているのか分からなかったが、言葉の意味が分かると私は変な声で叫んでしまった。


 「では、早く彼を寝室に運ばなければいけませんね」


 メイドはそういって彼を抱き上げた。


 「ちょっと待ちなさいよ!どういうこと?あなたも彼に恋しているの?答えてよ!あと、彼は私が寝室に運ぶわ」

 「ッフフ、さぁ?どうでしょう?ちなみに、嫌です」


 私とメイドはそういい合いをしながら彼を寝室に運んでいった。



 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇



 「それとなんで彼の口をふさいで、私の魔法を止めさせなかったの?」

 「気づいていたんですか、それを知っていながら魔法を使うとはなかなか外道ですね」

 「心の準備なんてあんまり意味が無いからいっそ一思いにやろうと思ってね」

 「私も同じことを考えていました」



 そんな会話がされていたことは完全なる余談である。

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