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巻き込まれ異世界物語  作者: sora
召喚編
5/13

第五話 一日目

ちょっと遅れてしまいましたが、第五話投稿します。


 王城での生活一日目


 5:00起床


 俺は今、王がくれた客室で寝ている。


 「ふぁ~~~…やっぱ城にある客室なだけあって気持ちよく寝られるな」


 俺はベッドから体を起こして用意してもらった服に着替える。服のつくりは俺の世界ほどではないにしろ、体を動かすには邪魔にならないつくりだ。

 デザインは黒が主体で袖の部分に赤のラインが付いている感じだ。

 素材はモンスターから剥ぎ取った皮らしい。


 5:15トレーニング


 俺はまず座禅を組む、こうして集中することで体の中にある神経が目覚めてしなかったときより体の動かしやすさが違うのだ。

 前に、中学の修学旅行のとき友人の前で座禅を組んでいたら俺の体が一瞬光って見えたそうだ。

 俺は友人を病院に連れて行こうとしたが…「俺の頭がおかしくなったんじゃねぇー!」と、泣きながらいわれたから病院に連れて行くのはやめた。

 きっとそのときの友人は厨二病をわずらっていたんだろう。


 座禅を終わったらいつもならランニングに行くのだが、ここの地理は全然分からないし、そもそもランニングさせてくれるか分からないから素直に筋トレをしておく。

 ちなみに内容は、腕立て300回に腹筋300回、背筋300回だ。これを一回したら15分の休憩を入れて3セットやる。

 これ一回を大体25分で終わらすから15分の休憩を合わせて2時間程度で終わる。

 これだけ筋トレをしているのに体に筋肉が付いたかどうかよく分からない。どれだけ筋トレしても体格が変わらないからな。

 俺の体格は身長175cm、体重60kg、体脂肪率一桁だ。


 7:15暇をもてあます


 暇だ、トレーニングが終わりほかにやることがなくなった。

 朝食はメイドさんが部屋に呼びに来てそれから食堂に向かうから食えないし、食堂の場所も知らない。

昨日の食事は全部部屋で食べたからな。

 メイドさんはこの国が日に六回鳴らす鐘の音を聞いてこの部屋に来るらしい。

 鐘は一回目、7時半に国民に起床を知らせる鐘をならす、つまり馬鹿でかい目覚まし時計だ。

 二回目はその約30分後になる。それが朝食の合図らしい。

 三回目は昼飯の合図、大体12時になる。仕事や農業をしている人はこの鐘か、太陽の動きで昼飯を食べるらしい。

 四回目は夕方の合図、これは約5時。この鐘で農業をしている人は仕事を切り上げ、外で遊んでいる子供は家に帰るらしい、ちなみにこの鐘が酒場や食事所が気合を入れる時間帯を知らせている。

 五回目は夕食の合図、これは約7時。この鐘は夕食を食べる時間帯らしいがあんまり関係ないらしい。五回目がなる前より食べる人がほとんどみたいだからだ。

 六回目は一日の終了の合図、これは日が終わる12時。子供はすでに寝ていて、大人はこれからが本番のやつがいれば、明日に備えて寝ているやつもいる。


 これは昨日、起こしに来ることを伝えに来たメイドさんから聞いたことだ。何でこんなことをしているのかとメイドさんに聞いたら。


 「だって、目安になるものが無いと分からないじゃないですか」


 もっともなことを言われた。

 宗教が絡んでいると思ったら全然違うみたいだ。

 国民は鐘なんか無視で自分の仕事をしている。唯一ちゃんと目安にしているのは最初の三回だけみたいだ。


 コンコン


 「ソラさま、もう起きていられるのですから早く出てきてください」


 いや、ちょっとまとうか。


 7:30移動


 「メイドさん、なんで部屋に入ってもいないのに起きているって断言できたんだ?」

 「それはですね、5時ごろからあなたの部屋で人が動く気配がしていたのでおきていると確信しました。」

 「この世界の人間はそんなことができるのか?それともそれも魔法か?」


 ファンタジーの世界なんだそれぐらいできたとしても驚かない。


 「いえ、違います」

 「違うのか」

 「気配を察知することは魔法ではできません、これは私の技術です」

 「その技を使えるのはこの城に何人くらいいる?」

 「私以外使える者はいません」


 本当にこのメイドは何者なんだろうか…


 「しかし、冒険者の中にはもしかしたらいるのかもしれません、それにあなたにもできるようになりますよ、きっと」

 「そうなのか?後冒険者というのは何だ?」

 「はい、あなたはすでに土台ができているので、冒険者のことは姫様に聞いてください。面倒ですので」

 「それでいいのか?メイド!」

 「無問題モーマンタイです」


 いや、問題ないって、人に奉仕するメイドが面倒だからって説明を放棄していいのか?


 「大丈夫です。私が本音を言うのはあなただけなんですよ?」

 「他の時は?」


 本音を言うのが俺だけなら他の時はどうしているのだろうと思って聞いてみると、


 「さりげなく、ほかのメイドに押し付けます。もしくは記憶を物理的に消します」


 想像のはるか斜めをいく物騒な答えが返ってきた。前半はいい、このメイドさんなら躊躇せずやりそうだからな、だが問題はその後だ!

 物理的に消すって何!?怖すぎるわ!


 「ほめられても何も出ませんよ?」

 「いやいや褒めてない、褒めてない」


 そしてまた心を読まれる俺。どうにかして対策を考えないとな。


 「フフフ、私の読心術からは逃げられませんよ(ッボソ」


 聞いてはいけないことを聞いた気がしたから……聞かなかったことにした。


 「さぁ、食堂に着きましたよ」


 っあ!本当だ。


 7:45朝食


 食堂に入ると姫さんと護衛の騎士が数人だけしかいなかった。


 「ほかの人間はいないのか?」

 「勇者とその他の人間はまだ寝ているのです」


 俺が疑問を口に出すと俺の席であろう椅子を引いて座れるようにしていた。

 いつの間に俺の前に移動したのだろうか?

 慣れてきたのか、そこまで驚くようなことは無かった。

 それに一回目の鐘が起床を知らせる合図じゃなかったのか?


 「では、次は耐性のできていない方向から攻めてみますね。勇者や王たちは大体二回目と三回目の鐘の間で起床することになります」


 恐ろしいことが聞こえてきたがあえて無視した。


 「それよりも、国のトップがそんな時間にルーズで大丈夫なのか?」

 「問題ありません、基本的に王がするのは決済済みの書類にはんこを押すだけですから」

 「別の意味で大丈夫なのか?!」


 これはさっさと知識を手に入れてこの国からトンズラするか。


 「大丈夫ですよ、昨日も言いましたがこの国の実権を握っているのはほぼ姫様です。なので、姫様と信用の置ける家臣が書類や予算を計算しているので、王の玉座はただの飾りです。そのおかげで、この国の予算は貴族に横領されることが無いので治安は良いんですよ」


 どうやら姫さんは俺の思っている以上に強いようだ。だけどここまですごいとほかの疑問が出てくる。


 「そこまでしているのに何で姫さんが女王にならないんだ?」

 「それは、ご本人に聞かれたらどうですか?」


 メイドさんが目を向けた視線の先には、こちらをふくれっつらで見てくる姫さんの姿があった。

 俺が何かしたか?

 俺が姫さんを見ていると、少し顔を赤くして口を開いた。

 風邪か?


 「何をしているんですか、早く席についてください!私はもうおなかがペコペコなんですよ」

 「……………っは?」


 俺の予想を裏切って姫さんの口から出た言葉は、年相応のむしろ、子供っぽい声が聞こえて、俺の頭は一瞬回転をやめた。

 昨日と今日とでのこの違いようは、ギャップがありすぎだろ!

 昨日はもうちょっとましで、姫の威厳があったのに。


 「早く席につ・い・て・く・だ・さ・い!」

 「…っあ、ああ」


 このまま怒らせるとまずいと思った俺は、とりあえず、メイドさんが引いてくれた椅子に座った。

 俺が座ると、メイドさんがカートを押して俺と姫さんの前に食事を並べていった。異世界の料理だから元の世界の違ったものが食べられると、不安半分期待半分で料理を覗くと、元の世界にあるようなパンとスープとサラダといった、平凡な朝食だった。


 「本日の朝食は、エアー麦のパンとレッドホタテのスープ、ウォータ野菜のサラダです」

 「そうですか、ではいただきましょうか」


 そういって、姫さんは黙々と食べた始めたが、俺はなかなか手をつけられずにいた

 平凡と思っていた料理の数々が俺の知らないもので構成されていて、名前を言われても全然分からなかった。


 「ちなみにソラさまは名前をいっても分からないと思いますので、補足させていただきます」

 「頼む」

 

 このままじゃ、食うに食えん。


 「では、エアー麦のパンですが、エアー麦は加熱すると空気を取り込んで膨らみますので、パンにするとふわふわな食感がありとてもおいしくなります。」


 ためしにパンを食べてみると、元の世界ではないふわふわとした食感が広がってうまかった。


 「…うまいな」

 「そうですか、それはよかったです。これは私のお気に入りでもあるんですよ」


 俺が漏らした言葉に反応して、姫さんが言ってきた。

 確かにこれはうまいと感じた、この城を出て行った後も時々このパンを食べようと思えるほどに。


 「ちなみに、エアー麦は大変高価な食材なので平民では食べられませんよ」


 俺はこの城にいる間は高級食材の味をかみ締めようと思いましたまる。あれ?作文?


 「レッドホタテのスープは辛味が貝そのものにあるので、味付けはシンプルにしたほうが美味しいんですよ」


 俺がスープに手をつけようとすると、メイドさんじゃなくて姫さんが説明してきた。


 「レッドホタテも高級食材ですが、港町に行けばそこそこの値段で取引されていますよ。後姫様、私の仕事を取らないんでほしいのですが」

 「私だって、ソラさまとお話がしたいんです」

 「それは授業のときに思う存分お話すれば良いじゃないですか、私の仕事をとる理由にはなりません。ソラさま、ウォータ野菜は水分を通常の野菜より多く入っており、栄養価も高いのです、生息しているのは高知の山の上なので冒険者をやっていれば手に入ることがあるかもしれませんよ」

 「ああっ!私が言いたかったのに」


 メイドさんと姫さんが何かを取り合っているうちに本日の朝食のメニューが全部説明された。全部うまい食材だったので手に入れられる機会があったら間違いなく手に入れておこう。


 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 朝食が食べ終わってお茶をしていると本日二回目の鐘が鳴った。


 「では、今後の予定を決めていきましょうか」


 そういってメイドさんが切り出した。


 「でも、結局は《アレ》で一日つぶれてしまうのでは?」

 「はい、ですから《アレ》をやった後の二日目の予定を決めていきましょう」

 「そうですね」


 なんか、メイドさんと姫さんでどんどん話が進んでいくのだが…


 「ちょっとまて!《アレ》ってなんだ?それで一日つぶれるってどういうことだ」


 俺の言葉で気づいたのか、メイドさんと姫さんが顔を見合わせると。


 「《アレ》というのは複写という魔法です。それを受けると知識が流れ込んでいくので気絶したりしてしまうのです」

 「そういえばそんなことを昨日言っていたな」


 でも、気絶だけで一日つぶれるって言うのはどういうことなのだろうか?


 「複写は便利なんですけど、その知識の量で症状が違ってくるので、ソラ様のように一般常識や文字を複写すると一日寝込んでしまうのです」

 「っな!気絶するだけじゃないのか!?」


 俺は複写のデメリットに驚いていると。


 「それは一番軽い症状なのです、大量の知識ををなが仕込むので必ず一日寝込みます」


 俺は大丈夫なのか?


 「寝込んでいる間は、私が責任を持って看病いたします」

 「そうか、分かった。それで?二日目からは何をするんだ?」

 「二日目は頭を休めてもらいます。そこから一週間かけて魔法の知識と実践を学びます。これでよろしいでしょうか?」


 特に心配することは無いな。


 「ああ、問題ない」

 「では、複写の魔法をかけにいきますのでついてきてください」


 俺はメイドさんの先導についていくと、後ろから付いてきた姫さんの…


 「ソラさま、どうかご無事で」


 という言葉が聞こえてきて、異世界生活二日目から前途多難になりそうだ。

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