第十二話 エルフ
第十二話投稿します。
今回はヒロインの一人として、なーと様よりリクエストをいただいたお姉さん系のエルフが登場します。
今回はいつも異常にギャグを入れたつもりですので楽しんでいただけると幸いです。
~???~
私は今、山のふもとにある町に向けて歩いています。
その町は私のような亜人の差別がない町でそこにあるギルドで路銀を稼ごうとしています。
っあ!ちなみに私の種族はエルフです。特徴である長い耳以外は人間と変わらない種族です。
・・・・・・・・・私は一体誰に話しかけているのでしょうか?
まぁこの自己紹介は単なる現実逃避であることには間違いないですけど。何で現実逃避をするのかって?それはですね・・・
「ほれ、さっさと跳べや。チャリンチャリン聞こえっぞ」
「「ひぃぃぃ!」」
盗賊風な男たちがまだ新人なのか安い装備をしている冒険者風の少年にかつあげされているのだから。
しかも何人かは股間を抑えながら泡を吹いて気絶していて、脅されている男たちはガチ泣きである。
一体に何が起こったのでしょうか?
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
~約30分前~
あ~、前回クウやメイドさんと別れた空だ。
っえ!メタ発言はやめろ?そんなもんは知らん。
ちなみにクウたちと別れてすでに三日がたっている。それまでやっていたことは町に着いたときのために襲ってくるホーンラビットを狩ったり、三日月草を採取したりしてなかなか楽しい旅道中だった。
襲ってきた魔物はゴブリンがほとんどで依頼を受注したわけではないので速攻で殺して放置してきた。
地図を見ると今日中にはつきそうだ。ホーンラビットの肉はあるが調理法が丸焼きに塩や胡椒で味付けするしかないのでさっさと町に着いてまともな食事にありつきたい。
「何とか日没前には着きそうだな」
俺は町に着いたときのことを考えていると森のほうから布の服に剣を装備したいかにも「私、盗賊やっています」的な男たちが俺の前に現れた。ゲーム風にするときっとこんな感じだろう。
-とうぞく A~E が あらわれた-
「っへへ、よう坊主一人旅かい?」
「ここら辺は盗賊が出て危ないぜ」
「まぁそれは俺たちのことなんだけどよ」
「よかったなまたひとつ賢くなれたぜ」
「じゃあ授業料として有り金全部・・・あれ?」
後ろでなんか言っていたが俺は盗賊たちを無視して先に進む、俺は早くまともな飯が食いたいのだよ。
「「「「「って!無視すんなやこの餓鬼~!」」」」」
「うるせぇんだよ、俺は早く町で飯を食いたいんだ!潰すぞおっさん共」
俺は殺気を込めておっさんたちをにらむと何人かはひるんだがリーダー格の盗賊が必死に声を出して場を収めていた。
「野郎共怯んでんじゃねぇ!相手は一人だ!全員で畳み掛けて身包みはいでやれ!」
「おう、リーダー」
リーダー格の盗賊が叫ぶと子分たちが剣を抜いて俺に襲い掛かってきた。
「ほう、向かってくるか。良いだろう少し遊んでやる」
俺はそういって背負っていた荷物を地面に置くと腰にある剣を抜いて盗賊たちを待ち構える。
「「食らいやがれぇ」」
盗賊二人が剣を袈裟切りで攻めてくるが俺はバックステップに回避した。
「「っち!」」
「今度はこっちの番だ」
「何!?」
「オラ!」
「フゲッ!」
盗賊二人に接近して拳を繰り出すと一人はバックステップで回避しようとするがもう一人は逃げ遅れて俺の拳をまともに食らってしまう。
「いったん後退しろ、四人で潰すぞ!」
「了解っス」
回避した盗賊はリーダーの指示で後ろに下がってしまった。
現代日本から来たからな、銃とかで人を殺すならともかく、剣で人を殺すとなると少し抵抗がある。ここは相手さんに降参してもらうしかないな。
「おい盗賊共!今ので力の差は分かっただろう?おとなしく降参しろ!」
俺は降参を促すが。盗賊たちはリーダーを含め引く気がないらしく、剣はまだこちらに向けたままだった。
「誰が降参なんかするか!」
「ニヤッ)そうか、降参する気がないのか。残念だなぁ~今なら何もせずに見逃そうと思っていたのに。それじゃあしょうがないよなぁ~」
俺は脚を高く上げた。その動作に疑問と恐怖を持ったのか盗賊たちは身構える。
「なっなにをするつもりだ!?」
「何って、こうするのさ!」
そういって俺は高く上げた足を振り下ろした。
・・・・・・・・・俺の拳を受けて気絶していた盗賊の股間に。
「ギャァァァァァァァァァァァァ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼lkfじゃjfどあ@?!#$」
カエルを潰したような感覚が足に伝わってきて、そのスグ後に男の断末魔が聞こえた。
男は泡を吹いて気絶してしまった。少なくとも半日は起きないだろう。
「ロー!てめぇローに何しやがる!」
こいつの名前ローって言うのか、まぁすぐ忘れると思うけど。
「こ、こいつ何の戸惑いもなく潰しやがった!」
「リーダー、こいつヤバイですよ!」
「う、うろたえるな!四人で一斉にかかれば大丈夫だ」
あらら、まだやる気だよあいつら。じゃあもうちょっと頑張ろうかな。
「かかれぇ!」
「うわぁぁぁ!」
「何度来たって同じだよ」
統率が取れてなくてただ一斉に向かってきただけじゃ人数の利がまったくない。こういうときこそ冷静になって俺を取り囲むのが一番なのに。
向かってきたやつらに水平切りで牽制すると、一人がそのまま突っ込んできたのでそいつに頭突きをプレゼントしてやる。兜をかぶられていたらできなかったけどやつらの装備は布の服に剣だけだったので強力なものをかましてやった。
「『我、土を使いし者、我の敵に、土壁となりて我が視線の先に伸びろ』『土壁』」
頭突きのダメージで脳震盪を起こしたのかフラフラになっていたので、他の三人の攻撃を裁きながら呪文を詠唱して再び男の股間に土でできた壁をぶつけてやった。
「ギャァァァァァァァァァァァァ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼lkfじゃjfどあ@?!#$」
「リー!こいつまたしても」
「お前人間じゃねぇ!」
「ていうかこいつ魔法を使ったぞ」
他の盗賊が文句を言っているが当然のごとく無視する。
そもそも襲ってきたのはそっちなのだ。正当防衛として当然だろう。
それにしても、この世界の魔法は同じ魔法でもいろいろと応用できるな。
壁を作り出す防御魔法の土壁でもイメージ次第では土の柱にして攻撃魔法にもなる。
「さぁ、次はどいつだぁ!」
「「ひぃぃぃ」」
「わ、分かった、俺たちが悪かった!もう許してくれぇ」
俺の脅しに盗賊たちは土下座してくるが、当然許すわけがなく・・・
「い・や・だ!」
「「「うわぁぁぁぁぁぁ!」」」
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
それからあともう少しで町につけたという苛立ちを盗賊たちにぶつけて、さらに一人潰して、残っているのはリーダーと子分が一人だけだ。
「飽きてきたからこれだけで許してやるよ」
そろそろ歩き始めないとまた野宿になってしまうのでここら辺で切り上げることにした。盗賊たちはやっと解放されるのかと思い笑顔になったが、世界はそう優しくないことを教えてやろう。
「それじゃ、お前ら」
「「は、はい」」
「有り金全部出せ」
「・・・っは?」
盗賊は何を言われたのか理解できなかったようだ。
「だから、有り金全部よこせって言ってんだよ」
「解放してくれるんじゃ」
「は?世界はてめぇの思い通りに行かないって学べただろ?授業料として有り金全部よこしな。もし断るって言うなら」(バキボキ
「っひ、分かりました有り金全部渡します」
「ちゃんと子分の分もよこせよ」(ニコ
「はいぃぃぃぃ!」
俺に脅されて子分は倒れたほかの子分から金を、リーダーは自分の財布から金を取り出した。
やはり、そこそこ慣れている感があったからリーダーの財布は温かそうだった。
まぁ、今から氷河期に突入するけどな。
「こ、これで全部です」
リーダーは子分の金も含めて俺に差し出してきた。もしかしたら他にも持っているかも知れねぇなぁ。
「本当にこれで全部か?」
「これで有り金全部ですよ!」
リーダーは俺の追求に冷や汗を流していた。どうやらビンゴだな。
「そうか、ならここでジャンプしろ」
「ジャンプですか?」
「ああ、ピョンピョンしな。それで何も出なかったら勘弁してやるよ」
「ハァ、分かりました」
リーダーは何のことか分かっていないようだがすぐに分かることになるだろう。
-ピョンピョン-(チャリンチャリン
「おい、どういうことだ?」
「そ、それは・・・」
リーダーはやっと俺の意図に気がついたのかさっきよりも冷や汗を流した。
「ほれ、さっさと跳べや。チャリンチャリン聞こえっぞ」
「「ひぃぃぃ!」」
ククク、こいつらの金で今日は贅沢するか。
「あなたは何をやっているんですか!?」
今後の予定を考えていると、後ろのほうから知らない女性の声が聞こえてきた。
その女性は金髪で町にいれば10人が10人振り向きそうな美貌の持ち主だった。しかもスタイルがかなりいい、とある一部分が特に。
「今だ!逃げろぉ」
「しまった!てめぇら待ちやがれ!」
「ひぇぇぇえ」
俺が女性に気を取られている隙をつかれて盗賊たちには逃げれた。
「っち!」
「ちょっと待ちなさい!」
「っうお!」
盗賊には逃げられたがその前に受け取っていた金だけで十分だろ。さっさと町に行こう。
俺はそう思って地面に置いていた自分の荷物を持って先に進もうをするとさっきの女性が俺の目の前にいた。それに驚いて少し変な声が出てしまった。
「一体あなたは何をしていたのですか?」
「何って、盗賊に身包みを持ってかれそうになったから、逆に身包みをはいでやった」
「はい?」
女性の質問に俺は即答すると女性は呆気にとられていた。
「あなたって冒険者ですよね?しかも新人」
「まぁ、新人だな。ランクはまだGランクだしな」
「なのに、盗賊相手に戦ったのですか?」
「俺は強いしな。あの程度だったらどうということはない」
俺の答えを聞くと女性は俯いて体を震わせていた。
「おい、大丈夫か?」
俺は心配になり俯いている女性に近づくと
「あ」
「あ?」
「あ・な・たは一体何を考えているんですかぁぁ!」
「うわぁぁ!」
いきなり女性は俺に向かって叫んだ。いきなりのことだったので反応できず尻餅をついた。
「新人!しかもGランクで盗賊を戦おうなんて自殺行為ですよ!」
「で、でも相手は弱かったし」
俺はたじたじになりながら反論するが女性は収まるどころか更に怒って・・・
「それは結果論です!もし相手があなたより強かったらどうするんですか!?盗賊のほとんどは冒険者崩れで元Dランクの盗賊だっているんですよ!今のあなたじゃ殺されていたって不思議じゃないんですよ、分かりましたか!」
「はっはい!」
俺の本能が告げている今のこの人に逆らったらひどい目にあると。
「行きますよ!」
「い、行くってどこに?」
女性は俺の手を引いて前に進んでいく。俺はよろけながら女性に行き先を聞いた。
「あの山のふもとにある街ですよ。あなたもそこに行こうとしていたのでしょう?」
「まぁ、そうだけど」
確かに俺は山のふもとの町に行こうとしていたけどそれとこの状況に何の意味があるのか分からない。
「あなたは危なっかしくて見ていられません。私がこれから冒険者のいろはを教えてあげます!」
「えぇ!?」
「ほら、早く行きますよ」
「分かったから!分かったから、引っ張るのやめてくれぇ」
どうやら幼馴染と離れても俺は厄介ごとに巻き込まれてしまうらしい。
読了ありがとうございます。
しばらくはこのヒロインでいこうと思います。
ヒロインのリクエストはいつでも待っています。
感想・評価お待ちしています。
誤字脱字等がございましたらご指摘お願いします。
お姉さん系はこんな感じでよろしかったでしょうか?
こちらの方もご意見をよろしくお願いします。