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【出会い×旅立ち】1
「よし、今日もいい仕事したね!」
「そうだな。」
隣でニコニコと笑う少女サリアに適当に相槌を打つ。暴れるのが好きな彼女は、仕事が終わるといつも上機嫌だ。
「それにしても最近退治のお仕事増えたよねー。ちょっと前まで月に一度あるかないかくらいだったのに。」
「それが今は週一以上だからな。」
「いくら私でもそろそろ疲れるぞー!ねえ、レイラン、暫く何でも屋休業にしない?」
私とサリアは何でも屋を営んで生計を立てている。本来多種多様な仕事を引き受けるのだが、ここ最近は野獣退治の依頼が多くて、私も少しばかり疲れていた。…休業もいいかもしれないな。
「そうだな。引き受けてる依頼は今日のでとりあえず片付いたし、暫く休業に…ん?」
進行方向に何かが横たわっている。人間、か?
「どうしたの…って、人倒れてるじゃん!生きてる?!」
慌てて駆け出したサリアの後を追う。この森には私達以外住んでいる人もいなければ、立ち入る人もいない。つまり、何か訳有りなんだろう。
面白くなりそうだ。




