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独白20 探る

宇宙にいる何者かへこのメッセージを送る。


我が名は魔王ヨクラトール。神によって生み出され、惑星テアトロンの支配者である。



今、ガストール、デミデスタを呼んだところである。

理由はデストーンの扱いと、他の裏切り者がいるか探るためだ。


「さて、ガストール、デミデスタよ。デストーンが裏切り者であることは予測がついたが、他に協力者がいるか探らねばならぬ。どうしたものかな…ガストールよ?」


「そうですね…デストーンはデスメロディを恐れております。直接対決は本来は避けたいでしょう。となれば、何かアクションを起こすのではないかと考えます」


「行動…?」


「はい。例えば、カリスを使うのではないかと」


その可能性があったか。

確かにデストーンとカリスは繋がっておるであろう。

カリスがデスメロディに会おうとしてるのも明白。

であれば、このタイミングを狙うことはあり得る。


「デストーンとカリスが接触する…か。それはそれで構わぬ。だが、そうすると他の者の存在はわからぬままになるな」


「そうなのです。少なくとも、我ら3名以外、誰が裏切り者かわからないままになります」


「ガストール様、一応確認しますが、この中に本当に裏切り者がいないのでしょうか?」


デミデスタが口を挟む。

流石は慎重派の参謀であるな。

あらゆる可能性を疑う。


「俺らの中に裏切り者がいて今演技をしているとしよう。だとすれば、ミッスイのメッセージが見つかった後の行動が変化するはず」


「…確かに、素直に開示するメリットはないですね」


「まあ、魔王様が俺たち魔王軍を試すために仕掛けた可能性も考えたが…カリスとの経緯を見るにそれはなさそうだ」


「ふむ。此度は我の策ではない。それは保証しよう。…普段の行いは大事であるな」


「魔王様は魔王軍を試すクセがありますからな。どうだ、デミ、納得行くか?」


「はい。ガストール様の考えと概ね一致しました。魔王様ではなかったか…」


「本当に、普段の行動が大事であるな…」


「魔王様、ガストール様、そうなると暗躍者を引きずり出す方法は一つしかないのではないでしょうか?」


「何だ?」


「デストーンに死んでもらいます。そうすれば出てくるしかなくなります」


感情も躊躇いもなくデミデスタが提案した。

まあ、確かに理屈の上ではそれが早い。

だが…


「そうであるな。だが、それはあくまで勇者一行に正式に討伐された形にせねばなるまい」


「はい。我々が関与したという形にはしたくありません。暗躍に気付いていると疑われますからね。そう考えたときに、怖いのはリリリスです。彼女は魔王様の指示であそこにおりますから」


「デミデスタよ。そこは大丈夫だ。何故なら、そもそもリリリスにデスメロディのことを伝え、デスメロディと会わせようと画策したのがデストーンである可能性が高いからだ。むしろ、今の状況は奴らの都合に良い流れのはず」


「…デスメロディ…リリリス…」


ガストールが何やら考えておるな。

あやつにとって二人は娘のような存在。

間接的にとはいえ、敵対するのは本意ではないのだろうな。

ふと、ガストールがなにやら気付いたような顔をした。


「何故リリリスにデスメロディのことを伝えたのでしょう?」


「それはリリリスとデスメロディを会わせるためであろう?」


「そこがおかしいのです。リリリスであれば、デスメロディを可愛がり、護るのは明白なはずです。何故、デスメロディを殺す方向ではなく、護る方策を取ったのでしょうか?」


「ガストール様、敵の真意で不明なのはもう一つ。何故ラボール城の魔王軍を皆殺しにする必要があったのか。これと、デスメロディの保護は何か繋がりがあるのではないでしょうか?」


リリリスとデスメロディを接近させた理由。

ラボール城での虐殺の理由。


「ふむ。どうやら、不届者の狙いはラボール城…いや、コラプティオに基盤を築くことのようだな」


ラボール城の魔王軍を皆殺しにすることで、後継者の可能性を消す。

リリリスをデスメロディにけしかけることで、リリリスのテリトリーであるベルム地方へデスメロディを連れて帰らせる。

執行者であるデストーンを手なづける。

そうすれば、コラプティオを掌握することができるという訳か。


「コラプティオは世界の中心。ここを抑えれば、各地への足がかりになると考えたのであろう」


「なるほど…」


ガストールは腕組みをしながら考えを深めておるようだ。


「して…どのようにするおつもりで?」


「簡単なことだ。コラプティオを、その何者かにくれてやればよい」


「コラプティオを、ラボール城を明け渡すと?」


デミデスタが口を挟んだ。

あやつにとっては長年の住処。

この策が不満なのは理解できる。


「まあ、聞け。これはチャンスでもある。今の勇者、ミーナは大魔法使いステラとパーティを組んでおる。もし、ファクルタスを超えたら、コラプティオをどうするかは課題のまま。であれば、そやつらに一時的に統治させればよい」


「そして、お互いを争わせて消耗させると?」


「そうだ。奪還など、ガストールとデミデスタが本気を出せば可能であろう?」


二人は頷いて見せた。


「であれば、焦ることはない。コラプティオにはカモコウモリも配置しておる。裏切り者の把握にこれ以上適した手はない」


「そうなると、デストーンには確実に死んでもらう必要がありますね」


「そこで、だ。ガストールよ」


「はい」


「お主は密かにレイク城に待機せよ。勇者ミーナには、確実にデストーンを始末してもらわねばならぬ。それを支援せよ」


「承知しました」


「デミデスタよ。お主はラボール城主の後任を探すフリをせよ。おそらく、何者かが接触してくる。そして、そやつらの思い通りの城主を選定するのだ」


「網にかけると。承知しました」


「では、行くがよい。くれぐれも、悟られぬようにな。特にガストールよ」


「無茶を言いますな。リリリスに見つからずに潜むなど、大変なことです」


「だが、可能であろう?」


「はい。あてはありますので」


ガストールとデミデスタは一礼すると部屋を出た。



さて、ミーナとカリスはそろそろファクルタス攻略が進んだ頃であろう。

レイク城に着くのも時間の問題。

色々と、動き出すな。

十分に準備を進めるとしよう。



ふむ、今日はこんなものかな。


誰とも知れぬ者よ、また機会があれば聞くがよい。

それではな、何者かよ。

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