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第33話 ◆「揺れる未来と、寄り添う温もり」♥

おはようございます!

皆さん、夏バテしてませんか?


暑さに負けず、今日も乗り越えていきましょう!


さて、そんな微妙な天気をも吹き飛ばすほどの笑いとシリアスが入り混じった絶妙なストーリーはいかがでしょうか?


ではでは、ストーリーに、どれだけ脂が乗っているか…ぜひ読んで確かめてください(*'ω'*)!

戦闘の余韻が消えきらない夜。

一行は荒野の外れに野営地を設けていた。


仮設の天幕、囲うように積まれた岩壁。その中心で燃える焚火だけが、張り詰めた空気を優しく照らしている。


パチ、パチ、と火の粉が舞い上がる。


グリスは炎の影に腰を下ろし、肩で大きく息をついた。

全身にまとわりつく倦怠感は重く、頭の奥にはまだ“未来を引きずられるような感覚”が残っていた。



「……俺、またモフ度……上がってるな」



苦笑混じりに術式カードを取り出す。

表示された数値は――79%。

つい先ほどの死闘で酷使しすぎた結果だ。


「もう! グリス、本当に無茶ばっかり!」


すぐ隣に腰を下ろしたリーアが、呆れと怒りを半々に混ぜた声で叫ぶ。

その銀髪が炎に反射して煌めいた。


「だって、ああするしかなかっただろ」

「でも、そんなのじゃ……!」


リーアが言葉を詰まらせる。その視線は不安と苛立ちに揺れていた。


――そんなときだった。









◆銀閃の抱擁


リーアは深く息をつき、決意するようにグリスに向き直る。

そして、不意にその体をぐいっと抱き寄せた。


「っ――!? り、リーア!?」

「黙って。今は……私に甘えて」


グリスは彼女の胸元に押し込まれる形になり、頭が真っ白になる。

銀閃の姫騎士、その強くしなやかな腕に抱かれる感触。

温もりが全身を包み込み、次第に胸の奥のざわめきが和らいでいく。


数値を見ると――モフ度は確かに77%、75%と下がり始めていた。


「ちょっ……だめだこれ……! 落ち着け俺! 理性、踏ん張れ……!」


心の中で必死に叫ぶグリスをよそに、リーアはさらに抱きしめを強めた。

その声は震えを隠して、しかし優しく響いた。


「……あんたは危なっかしいんだから。誰かがこうしてなきゃ……」









◆聖女の目撃


その光景を見たセフィーナが、白い衣を揺らしながら近づいてきた。

目をまん丸にして、両手で口を覆う。


「だ、大胆です! エッチ~イです!!」


場の空気が一瞬で弾け飛んだ。


「ちょ、ちょっと聖女様!? そういう言い方は!」とリーアが顔を真っ赤にする。

だがセフィーナの視線はじりじりと二人を追っていた。


セリカが呆れ顔でぼそり。

「……聖女様、目がチラチラ動いてますよ。気になって仕方ないんじゃ?」

「そ、そんなことありません! 私はただ……観察を!」

「観察って……完全にむっつりじゃん!」とライナーが爆笑した。


「むっつり聖女じゃないですっ!!」


真っ赤になって否定するセフィーナ。

だが視線はやはり二人に向いていて、どう見ても興味津々だ。









◆仲間たちのツッコミ


「おやおや、聖女殿も血気盛んだのう」カイ和尚が豪快に笑う。

「ぐわっはっは! むっつり聖女とは面白い!」


「否定すればするほど怪しいものですね」とリゼットが冷たく呟く。

「セフィーナ様……そういうのは公言なさらぬほうが」


「……聖女さんって意外と普通の女の子なのね」


ミミが笑い、ルルカも尻尾を揺らしながらからかう。

「リーアに負けじと抱きつく日が来るんじゃない?」


「ち、違いますからぁあああ!」

セフィーナは両手をばたばたさせるが、完全にいじられ役となってしまった。


その横でシロモフがころころ笑い声を上げる。

「モフ度調整に必要なのは、どうやら“愛”らしいな」


「お前、楽しんでるだろ!」とグリスが抗議するが、ぬいぐるみのような相棒は知らん顔だ。








◆白霧の鷹と無銘の牙


「……にしても、いい雰囲気じゃないか」

エルネアが口元を緩め、ハイロが片目を細めた。


「だが油断は禁物だ。心を緩めると命を落とすぞ」

冷静な忠告に空気が一瞬だけ引き締まる。


ヴォルカが斧を担ぎながら豪快に笑う。

「でもまぁ、若い連中がキャッキャしてるのは悪くねぇな!」

フィリオが弓を弄りながら小声で付け加える。

「……僕、ちょっと羨ましい」


一方、《無銘の牙》の面々も興味津々だ。

プルリが頬を赤らめて身をよじる。

「こ、こういうの……なんだか、どきどきする……」

ナナシは腕を組んで頷く。

「感情の絆は強さに直結する。悪くない」





そこへ、ハイテンションオババが天幕から顔を出した。

「ほぉお! 抱き合って愛を育んでおるのか! もっとやれい!」

「オババ、黙れ!」と全員から総ツッコミが飛ぶ。


村長バルクも腕を組んでうんうんと頷いている。

「愛の力……それが村の繁栄を導くのじゃ!」

「だからなんでお前らまで参戦してんだよ!」とグリスが頭を抱えた。









◆迫る影


そのとき――焚火を背にストラウスが立ち上がった。

「……茶番はそこまでだ」


低い声が場を貫く。

仲間たちの笑い声が一気に静まった。


「ヴァルツェルは必ず戻る。奴は“詰み”を宣告して去った。次は必勝の一手を持って現れる」


焚火に照らされた彼の顔は険しい。

「俺たちはその時、必ず備えなきゃならん。愛情だの看護だのに浸ってる場合じゃねえ」


グリスはリーアの腕の中から顔を上げた。

まだ赤面しながらも、未来を盗む者の眼差しを取り戻していた。


「……そうだな。俺の占術だけじゃ限界がある。けど――」

焚火にペン先をかざし、決意を込めて言葉を刻む。


「俺たちの未来は、俺たちで書き換える。次は絶対に……詰ませてやる」


炎が大きく揺れ、夜空に火の粉が舞い上がった。




「第34話」へつづく!

「策謀の灯、結束の輪」




どうも、お世話様でございます!


焼豚の神でございます。


最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ


物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!

今後も加速度的に物語が進行していきます!


それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ


◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆


グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」


 → 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。


 → 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。




モフ度


 - 0~19%:平常


 - 20~29%:末端ふわ化


 - 30~49%:耳/尻尾ふわ化


 - 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)


 - 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)


 - 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”



良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!



また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】を是非、この機会に知って頂けますと幸いです!


それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪


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