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第30話 ◆「氷闇の盤上、剣を掲げる者」◆

おはようございます!

お盆休みいかがお過ごしでしょうか♬

思い思いのひと時を過ごして頂ければと思います!


あと、皆さんも、夏バテに負けず、今日も乗り越えていきましょう!


さて、そんな微妙な天気をも吹き飛ばすほどの笑いとシリアスが入り混じった絶妙なストーリーはいかがでしょうか?


ではでは、ストーリーに、どれだけ脂が乗っているか…ぜひ読んで確かめてください(*'ω'*)!

坑道の最奥。

湿り気を帯びた石壁に、松明の光が揺れる。影が長く伸び、その中心に銀の瞳の男――ヴァルツェルが

立っていた。


長身のシルエット。整った顔立ちに浮かぶ冷笑。

彼の眼差しには温度がない。そこにあるのは支配と計算の色だけだった。


「愛情など、無駄だ」

ヴァルツェルの掌に、漆黒の魔力が渦を巻く。

「感情は弱者を縛る鎖だ。……お前たちも例外ではない」






◆グリスの決意


リーアの腕の中から立ち上がったグリス。

耳と尻尾はまだ残り、モフ度は三十五パーセント。完全な人型には戻れていない。

だが、その瞳には戦士の光が宿っていた。


「……誰が縛られるもんか」

腰から抜いたのは、細身のダガー――だが、その形はどこか万年筆を思わせる。

名を《運命穿ち》。運命を書き換える筆剣。


「俺は……俺たちは、守りたいもののために動く。それが、どんな鎖より強いんだよ!」


リーアが短く頷き、後方に下がる。

「グリス……絶対に、無理はしないで」

(……そんな顔されたら、余計に無理するに決まってんだろ)







◆盤上の駒


ヴァルツェルは薄く笑む。

「盤上の駒が、自らを王と錯覚する瞬間ほど滑稽なものはない」


その足元に、黒い魔法陣が広がった。

そこから現れるのは無数のチェス駒の影。兵士の形、獣の形、すべて黒き駒。


「これは試合ではない。お前がどれほどで崩れるか、それを確かめるだけだ」




影兵の群れが無言で突撃してくる。

刃を持ち、獣の咆哮を上げ、圧倒的な数で押し寄せる。


グリスは地面を蹴った。

「――脂流占、発動。《フォーチュン・スライド》!」


足元に金色の脂が滲み出す。

熱で揺らめき、いくつもの未来のルートを映し出す。

グリスは《運命穿ち》を走らせ、最も生存率の高い道を記す。


次の瞬間、身体が自然に未来をなぞるように動く。

一歩目で影兵の斬撃を紙一重でかわし、二歩目で蒼炎を纏わせた筆剣を振るう。


「焼きすぎた未来なんて、冷める前に変えてやるさッ!」


青白い蒼炎が奔流となり、三体の影兵を一撃で焼き尽くす。

だが、倒れた途端に後方から別の駒が補充され、数は減らない。


「……無限増殖ってかよ」

「違う、有限だ」ヴァルツェルの声は冷淡だった。「だが、お前の持久力が尽きる方が早い」


グリスは舌打ちをし、さらに脂流占を発動する。

視界の隅に、未来の軌跡が分岐して見える。

だが――


「うおおっ!? 足元ヌルっとしたぁっ!」


シロモフが悲鳴を上げた。

床に広がる脂の未来ラインに、見事に滑って転倒。


「おい、俺の占術の脂に乗るな! そこは未来ルートだ!」

「知らねーよ! お前の脂ベタベタしてんだよ! 戦闘中にフライパン落としたのかと思ったわ!」

「ちょっ……今大事なとこだから黙ってろ!」


リーアとストラウスが同時に怒鳴る。

「今、戦闘中! まじめにやって(やれ)!!」


「……はい」

「すんません」




グリスは苦笑を浮かべつつ、再び筆剣を振るった。

金色の脂のルートをたどり、影兵の突進をいなす。

一閃。蒼炎の線が走り、黒い駒を焼き払った。


だがヴァルツェルは一歩も動かない。

銀の瞳は冷ややかに、ただ結果を見定めるように光っていた。


「速さは増したな。愛情の加護か……だが駒は盤上から出られん」


その指先がわずかに動いた。

次の瞬間、グリスの剣が黒い氷に覆われていく――




【第31話】へつづく!

「占術の炎、冷笑の氷」



どうも、お世話様でございます!


焼豚の神でございます。


最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ


物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!

今後も加速度的に物語が進行していきます!


それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ


◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆


グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」


 → 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。


 → 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。




モフ度


 - 0~19%:平常


 - 20~29%:末端ふわ化


 - 30~49%:耳/尻尾ふわ化


 - 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)


 - 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)


 - 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”



良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!



また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】を是非、この機会に知って頂けますと幸いです!


それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪


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