第20話:◆「影喰らう刃、記憶の欠片」◆
本日3回目!
絶好調なのであるッ!!
坑道の空気が震えた。
供犠剣は蒼白い焔を噴き上げ、その焔は天井の岩を溶かし、瘴気すら焼き払う。
《――我ガ主……応エヨ》
その声に、グリスの全身を雷にも似た痛みが貫いた。 頭の奥で、鎖の千切れる音が響く。
(……誰だ……俺は……?)
視界が歪む。 坑道の仲間たちが声を上げるのも、遠くの出来事のようだった。
「グリス! しっかりしろ!」
リーアが駆け寄る。手甲越しにグリスの肩を掴むが、彼の目は虚ろに宙を見つめていた。
シロモフが焦って跳びはねる。
「モフッ!? 脳がバグってるモフ!」
セリカが怒鳴る。
「そんな言い方やめなさい! もっとマシな表現を!」
「おいグリス! 俺はお前の舎弟に、いやパシリにしてもらうって約束、絶対忘れねぇからな!」
ライナーが真剣な顔で叫び、ディセルがすかさず頭をはたく。
「お前はそこで何を言ってんだ!」
マリィは剣を抜きながら冷静に言う。
「……供犠剣の力がグリスに流れ込んでる」
ストラウスが頷く。
「放っておけば、剣が奴を喰うぞ」
――
◆記憶の断片
グリスの頭の中に、別の景色が流れ込む。
暗い玉座の間。
鎖に縛られた誰か――長い髪の女が泣いている。
《……約束して。必ず……戻ってきて》
その声に、胸の奥が締め付けられる。
「……誰だ……お前……」
次の瞬間、視界の端にヴァルツェルの影ドッヘルが立っていた。
鎧のない姿。漆黒のコートに包まれた、冷たい笑み。
「ようやく目覚め始めたな、器」
「器……?」
「お前は自分をグリスと呼んでいるが……その名は与えられたものだ」
「与えられた……?」
リーアの声が遠くから響く。
「グリス! そんな奴の言葉に耳を貸さないで!」
――
◆ヴァルツェルの影の介入
坑道の奥の闇が形を成し、ヴァルツェルの影ドッヘルが現れた。
その姿を見た瞬間、セフィーナが杖を握りしめる。
「……やはり、あなたが」
「聖女様、王都の晩餐会以来ですな。相変わらずお美しいお方だ。そんな貴方には、このような場所は不向きでしょう。どうでしょう?今なら坑道から真っすぐ聖王国まで転移できますよ?お帰りになりませんか??」
低い声が響く。
「そのお誘いは丁重にお断りさせて頂きます!まだ、やるべきことが残っていますので!!」
「そうですか...。それは実に残念です。では、通告はしたので今後何があっても自己責任でお願いいたしますよ♬」
「ヴァルツェル……お前、何が狙いだ!」
エルネアが剣を構える。
ハイロの左眼が光を放ち、ヴォルカとフィリオが間合いを詰める。
レオニスが詠唱を開始した瞬間、影が一閃し、祈りの言葉を切り裂いた。
「祈祷はここでは通じぬ。ここは“我が庭”だ」
――
◆全員総動員の応戦
ナナシが踏み込み、双剣の斬撃を放つ。
「庭だろうが何だろうが、ぶっ壊す!」
ミミとルルカも同時に突撃し、プルリが後方から魔弾を連射する。
ゴルドは巨大な盾を前に出し、影の槍を受け止めながら叫んだ。
「俺、何やってんだっけ!?」
セリカ「だから盾だって言ってんでしょ!!」
バルク・ムキムキは素手で影を掴み、
「筋肉は裏切らん!」
ストラウス「いや普通は掴めねぇからな!?」
ハイテンションオババは杖をブン回し、
「おらおらおらぁ! 地獄のマッサージよ!」
ディセル「誰に効くんだその技は!」
――
◆供犠剣の暴走
供犠剣が激しく脈動し、蒼炎がグリスを包み込む。
《――汝ガ求メルハ、契約カ、破滅カ》
「俺は……!」
グリスの中で、記憶と現在がせめぎ合う。
玉座の女、ヴァルツェルの影、そしてリーアの必死な叫び。
「……まだ……終わってねぇ……!」
彼が剣を握った瞬間、供犠剣は形を変え、黒と蒼の二重刃を持つ長剣へと変貌した。
ヴァルツェルの影が低く笑う。
「ようやく“始まり”に立ったな。――だが間に合うかな?」
その言葉と同時に、坑道全体が崩れ始めた。
【第21話】へつづく!
タイトル:「覚醒と邂逅の刻」
どうも、お世話様でございます!
焼豚の神でございます。
最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ
物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!
今後も加速度的に物語が進行していきます!
今日は土曜日、つまり筆者のエネルギーも充填満タンということ!
今日は連続投稿するよ!
4回目の投稿は、夜のまったり時間を過ぎた21時30分に投稿予定!
それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ
◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆
グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」
→ 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。
→ 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。
モフ度
- 0~19%:平常
- 20~29%:末端ふわ化
- 30~49%:耳/尻尾ふわ化
- 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)
- 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)
- 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”
良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!
また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】を是非、この機会に知って頂けますと幸いです!
それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪




