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第17話:◆「影踏みの迷図と、胎動の続き! ~密約、侵蝕、残響の血~ 」

おはようございます!皆さん、今日も私のところはゲリラ注意出てます!

ゴリラじゃないですよ?ゲリラ豪雨ですよ!


皆さん、急などしゃぶり雨にご注意ください!

あと、夏バテに負けず、今日も乗り越えていきましょう!


さて、そんな微妙な天気をも吹き飛ばすほどの笑いとシリアスが入り混じった絶妙なストーリーはいかがでしょうか?


本格的な行動内探索が始まり、陰謀と策謀が交錯していきます!


ではでは、ストーリーに、どれだけ脂が乗っているか…ぜひ読んで確かめてください(*'ω'*)!

地鳴りとともに封印紋が崩れ、坑道全体が軋むような呻きを上げた。空気が震え、瘴気が蠢く。崩壊しかけた封印の余波が、まるで意思を持っているかのように空間そのものを撹乱していた。


「こりゃ……本格的にヤバいな」


フィリオが矢筒を確認しながら呟いた。彼の声は軽いが、その指は震えていた。だが、その震えを誰も責めはしない。誰の心にも、いまや同じ震えがある。


「どこがヤバい、じゃ済まんぞ。瘴気が“還ってきている”……!」




ハイロの声が鋭い。彼は片目で封印の断裂箇所を睨みながら、魔力の流れを探っていた。彼の肩越しに、リーアが剣を構える。


「グリス、書き換えの進捗は!?」


「あと三節……! だが、どこかが干渉してる。符が――書いたそばから“歪む”んだ……!」





グリスは焦りながらも、地面に広げた魔術書にペンを走らせ続けている。青白いインクが罅割れた坑道の床に染み込み、そこから新たな術式が浮かび上がる。しかしその幾つかが、確かに、なにか別の力にねじ曲げられていた。


「まるで誰かが……裏から書き換えてるような……」




グリスが呟いたその時、


「グリス、それって“誰かがもう一冊、同じ本を書いてる”って意味だよな?」


と、ナナシがぼそっと呟き、坑道の空気がピンと張りつめた。


「……まさか、ヴァルツェルが写本を……?」




セフィーナが蒼ざめた顔で胸元の小さなペンダントを握りしめる。その仕草に、神の加護はもうないのだと暗示するような儚さがあった。


「ちょ、今そういう話してる場合? 私たち、めっちゃくちゃ包囲されます!」


リーアが呆れたように突っ込む。その背後、瘴気の中から再び蠢く気配。


「おい、モフ、なんか出てくるぞ!」


「モフッ!(それは見たら分かるモフ!)」


「だからしゃべんな!! ……ていうか、お前だけやたら存在感あんな!? もっと影に隠れてろよ!」


「影には隠れるけど、影の刺客はもっと怖いモフ……」


「お前までミステリー風味にすんな!?」


総ツッコミが走る中、その空気を裂くように“音”が響いた。





それは、地鳴りとも咆哮とも違う。


――誰かの“呼吸”。


それが坑道全体に共鳴し始める。


「これは……」


カイ・ジュウザンが、杖を立てて膝をついた。


「こいつは《供犠の響導》……かつてヴァルツェルが試みた、“全村民の血と名を一つに結びなおす”術だ。……まさか、それがまだ……!」


「ってことは、ここで動いたら……」


「俺たち全員、巻き込まれて“供犠”になる。影も、刺客も、味方も関係ねぇ。」


再び坑道の奥、土の裂け目から黒い霧が立ち上る。


その中心に――“黒い供犠剣”が浮かんでいた。







だが、剣はただそこにあるだけではなかった。


その剣の周囲を、灰色の手が無数に取り囲んでいる。


「……あれ、手だよな……?」


「何本あるモフ……?」


「十、二十、いや百は……」


それは、村の供犠となった“名なき者”たちの残響――血と名を奪われ、ただ“儀式の器”となった者たちの哀しき名残。


そのうちの一つが、グリスに向けて囁いた。


《……還せ……“鍵”を……》


(また、鍵か……。だが――何の“鍵”だ?)


グリスの筆が止まった。





彼の頭の中に、数式のように文脈が走る。


(鍵。供犠。血脈。名。それを繋ぎなおす環――……いや、待て)


「お前……それ、助けようとしてるんじゃないか?」


その声に皆が息を呑む。


「“還せ”って、封印を戻すことじゃない。“還す”って、正しい形に戻すって意味もある……!」


ハイロが驚いたように目を見開く。


「ヴァルツェルが見せたかった“敵”の姿……それすら嘘か」


その瞬間、シロモフの毛がぶわっと逆立った。


「モフーーッ!?(グリス、それ罠モフ!影の刺客が反応したモフ!)」


「嘘だろ……今、俺いいとこだったろ!?」


「だから油断すんなって言ってんだろが!」



ナナシの剣が走る。





瘴気の中から、まるで背骨のように折れた短剣が飛来し、ナナシの剣に弾かれて地に落ちた。


そこに立っていたのは――“誰か”だった。


「……誰?」


「え、誰?」


「誰って言ってるやつが誰だよ!」


そこにいたのは、確かに“隊列の中にいたはず”の顔だった。


だが、誰もその名を思い出せない。


「おい……こいつ、本当にいたか?」


「俺の後ろにいた……気がする。いや……違う?」


影の刺客は“記憶の隙間”に入り込む。






その気配は、少しずつ、確実に、全員を侵蝕していた。


「グリス、もういい、全員下がれ!」


カイ・ジュウザンが前に出る。


「俺が結界を張る。だが長くは保たん!セフィーナ、補助を頼む!」


「はい……!」


セフィーナの祈りが、再び瘴気を裂く。


その光の中で、影の刺客は一歩だけ後ずさった。


だがその瞳は、静かに――笑っていた。


(これは“誘い”だ。胎動の奥、まだ何かが……)







「皆、整列!第三区画へ退避する!」


ハイロの号令が響く。


「退くぞ! グリス!」


「くそっ、まだ終わってねぇが……了解だ!」


魔術書を抱え、グリスは最後に一瞥だけ供犠剣へと送った。


《……繋がる“環”が一つではない、ならば……》


坑道を後にしてなお、咆哮の残響は耳に残っていた。


その音は、まるで問いかけてくるようだった。


――お前は“鍵”か?


――お前は“誰”か?


そしてその問いに、誰一人、まだ答えることはできなかった。



【第18話】へつづく!

タイトル:「黒の刃、傷の真実!」

サブタイトル:最初の裂突,光る手刀,ささやきの誓い



どうも、お世話様でございます!


焼豚の神でございます。


最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ


物語が現在、狡猾と狡猾が交差しています!

今後も加速度的に物語が進行していきます!


それでは、引き続き物語をお楽しみください!('ω')ノ


◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆


グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」


 → 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。


 → 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。




モフ度


 - 0~19%:平常


 - 20~29%:末端ふわ化


 - 30~49%:耳/尻尾ふわ化


 - 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)


 - 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)


 - 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”



良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!



また、良かったら筆者に別作品である『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』通称:【ナナクラ】を是非、この機会に知って頂けますと幸いです!


それでは、また次話でお会いしましょう~~~(^^♪


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