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第9話:◆「止まれぬ疾走、着地は強制 ~地面が泣いている~」

おこんばんは~!本日4回目!


今回も、ボケ&ツッコミ要素強めな回かもそれないお話(^_-)-☆

そのためおやつタイム真っただ中の諸君に告げる。吹き出し注意報発令じゃ!


晩酌はゆっくり嗜む程度に留めてねん♬落ち着いてから読み進めるのがよろしいかと!!

事前注意はしたからね??(/・ω・)/


ではでは、ストーリーに、どれだけ脂が乗っているか…ぜひ読んで確かめてください(*'ω'*)!

――渇き村まで、あと少し。


 砂塵を巻き上げて走る馬車の振動が、尻から背骨を貫いて脳に響いてくる。


 荷台の上で俺は歯を食いしばりながら、足元の魔術陣を睨みつけた。


 「そろそろ……そろそろだ……!」


 ブーストの魔力が切れかけている。

 だが、切れたからといってすぐ止まるわけじゃない。

 勢いのついた馬車は、そのまま村まで滑り込む。――いや、突っ込む。


 風圧で顔が歪んだライナーが、無意味に叫ぶ。


 「グリスさぁぁぁぁん!! 最高ですぅぅぅぅ!!」


 「褒めるな! 煽るな! 黙れぇぇぇぇ!!」


 マリィが半泣きで後ろの荷物を必死に押さえていた。


 「もうやだぁぁぁぁ! 誰か私を降ろしてぇぇぇ!!」


 セリカが同じく柱にしがみつきながら、マリィに叫び返す。


 「降りたら死ぬわ! 私が先に飛び降りたいわ!!」


 ゴルドは相変わらず荷物を抱えて首を傾げている。


 「……あれ……俺、何持ってんだ……?」


 ストラウスは前方に身を乗り出し、ロイに怒鳴った。


 「ロイ! 減速の準備は!?」


 「そんなもんあるわけないだろバカ隊長ォォォ!!」


 ディセルは無言で額を押さえていた。

 双剣の柄を掴んだまま、呆れたように一言。


 「……これが俺の仕えるお嬢様と、その騎士団と、……グリス……か……。」


 リーアお嬢様だけが、そんな騒ぎの中心で笑っていた。


 「ふふっ、気持ちいいわね……こんな速さ、滅多に味わえないもの。」


 俺は振り向きざまに怒鳴る。


 「笑ってる場合か! お嬢様!!」


 「だって、こんな面白い顔のグリス、なかなか見れないじゃない?」


 俺は言葉を失った。

 こんなときにも、俺をからかう余裕があるのか。


 シロモフが耳を逆立てて泣き叫ぶ。


 「モフモフモフ!! グリスぅぅ! 止めてぇモフぅぅぅ!! おにぎりぃぃぃぃぃ!!」


 「知らん!! 食べ物の心配より自分の命守れぇぇ!!」


 渇き村の門前が、ようやく見えてきた。

 遠くの村人たちが何事かと飛び出してくるのが見える。


 「おい! 前の見張り、避けろ!! 吹き飛ぶぞ!!」


 ロイが絶叫を上げた。


 「止める方法、マジで考えてくれぇぇぇぇ!!」


 「……仕方ねぇ……最終手段だ!」


 俺は腰の袋から、小さな魔石を取り出した。

 緊急ブレーキ用の結界石――だが、使えば地面も泣く。


 「全員! 荷物にしがみつけ!!」


 ディセルが顔色を失い、咄嗟にリーアを抱きかかえた。


 「お嬢様、すみません!!」


 「ふふ……ディセル、強引……♡」


 マリィが叫ぶ。


 「もう何でもいいから止まってぇぇぇ!!」


 「ゴルド! 荷物捨てろ!」


 「……え? あ、うん……何だっけこれ……。」


 結界石を地面に叩きつけた。


 「――止まれええええええ!!」


 光が閃き、地面に衝撃波が走った。


 馬車の車輪が浮き、鉄のきしむ音が耳を突いた。

 視界が上下にぐらりと揺れる。


 全員の絶叫が、村の空に響き渡った。


 ――ドンッ!!


 盛大な土煙を上げて、三台の馬車は村の門前でようやく停止した。


 「……は、はは……生きて……る……。」


 俺は荷台に突っ伏し、肩の上のシロモフが小さく震えていた。


 「モフ……おにぎり……全部飛んだモフ……。」


 ライナーは大の字で転がりながら、顔を真っ赤にして笑っていた。


 「グリスさん……!! 最高ッス……!!」


 マリィがよろめきながら、ディセルの肩を叩いた。


 「ディセル……死んでない……? 生きてる……?」


 「生きてる……多分……。」


 ストラウスはゴルドの頭をどついていた。


 「お前、途中で荷物何個飛ばした……!」


 「……全部……?」


 「……全部って何だ……全部って……。」


 リーアお嬢様は荷台に座り込んだ俺の肩に指を置き、微笑んだ。


 「ふふ……お疲れさま、グリス。すごく……楽しかったわ?」


 「……俺は寿命が縮んだわ……。」


 荒野の村――渇き村。

 門の向こうに集まった村人たちが、ぽかんと口を開けてこちらを見ていた。


 俺は砂埃を吐き出しながら、心の中でぼそりと呟いた。


 (……頼むから……誰も……文句を言わないでくれ……)



【第10話】へつづく!

タイトル:「荒野に響く絶叫と、渇き村の朝」

サブ見出し:衝撃の着地と、新たな迎え火



どうも、お世話様でございます!


焼豚の神でございます。


最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ


今日はもう打ち止めです!

また明日よろしくお願いします~~!(^^♪


◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆


グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」


 → 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。


 → 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。




モフ度


 - 0~19%:平常


 - 20~29%:末端ふわ化


 - 30~49%:耳/尻尾ふわ化


 - 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)


 - 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)


 - 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”



良ければ、感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!



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