第7話:◆「選抜総選挙、開幕!~ 渇き村へ向かう仲間を選べ~」
おこんにちは~!本日2回目!
今回は、ボケ&ツッコミ要素強めな回かもそれないお話(^_-)-☆
そのためお昼ご飯真っただ中の諸君に告げる。吹き出し注意報発令じゃ!
ご飯はゆっくり食べて、落ち着いてから読み進めるのがよろしいかと!!
事前注意はしたからね??(/・ω・)/
ではでは、ストーリーに、どれだけ脂が乗っているか…ぜひ読んで確かめてください(*'ω'*)!
盗賊ギルド黒い手――。
もともと《黒い手》だけでも十分に禍々しい名前だが、ある晩ギルドマスターのロイ・ドグマが酔った勢いで言った「盗賊ギルドってつけたらカッコよくね?」の一言で、正式名称に“盗賊ギルド”が冠されることになった。
おかげで王都からの風当たりは強くなったが、ギルドの面々はむしろ笑い話にしている。
そんな看板を背負う俺たち《盗賊ギルド黒い手》の本部執務室には、今、選び抜かれた腕利きが二十名近く――息を呑んで一列に並んでいる。
革鎧が軋む音、剣の柄を握る手の汗、誰かの小さなくしゃみ。
すべてが、場の緊張を無駄に煽っていた。
中央の机を挟んで座るのは俺、グリス。
肩の上では、相棒の白い毛玉――シロモフがふわふわ揺れている。
そして俺の隣に腰を据えるのが、この場を誰よりもかき乱す元凶――
ギルドマスターのロイ・ドグマだ。
ロイが、わざとらしく声を低くして言い放つ。
「……これより、渇き村地下遺跡調査隊――選抜総選挙を開始する!」
室内に、さっと緊張が走る。
……が。
「……総選挙って名前、いるか?」
俺が小声で呟くと、シロモフが首をかしげた。
「モフ……何を選挙するモフ……?」
「知らん……。」
だがロイはお構いなしだ。
机を指でコツコツ叩き、ニヤリと笑った。
「今回の調査隊は、俺たち《盗賊ギルド黒い手》だけじゃねぇ。
王都から派遣されてくる《王都派遣組》、それに辺境支部からの選抜も村で合流する手はずだ。」
並んだメンバーの背筋が固まる。
「一番怪しいのは王都派遣組の奴らだ。ヴァルツェルの息がかかってるのが混ざってる可能性が高い。何を狙ってるかは分からんが、俺たちの首か、封印か、情報か……それとも殲滅か、どうせ碌なもんじゃねぇだろうよ。」
息をのむ音が、一斉に漏れた。
「奴らは表じゃ笑って酒を酌み交わしながら、背中に刃を忍ばせてくる。
だからこそ、どんな小さな違和感も見逃すな。疑え。だが信用は捨てるな――信じすぎるな。」
「おおー……。」
シロモフがぽふぽふと前足で拍手していた。
ロイが急に満面の笑みに変わる。
「……だからこそ! 考えた! しんみりしてても面白くねぇ!
どうせ選ぶなら面白おかしくやろうぜ! 選抜総選挙だ!」
「……いや状況考えろよ……。」
俺のツッコミに、ロイは机を叩いて笑い出した。
「こういう時こそ笑いだ! お通夜みたいに眉間にシワ寄せて選んでも能率落ちるだけだ!
笑って選んだ方が、強い奴を見極められるだろ?」
「……この全肯定マシーンが……!」
ロイは親指を立てる。
「お、いいあだ名だな! 採用!」
「採用するなよ……!?」
こうして、緊張と笑いが無駄に入り混じったまま――
選抜総選挙は幕を開けた。
【自己PRタイム】
一番手は双剣のディセルが一歩前へ。
銀髪を肩に流し、すっと背筋を伸ばして礼をする。
「双剣使いのディセルです。潜入と奇襲が得意です。短所は……朝が弱いです。」
「……可愛い短所。」
シロモフが素直にぽそり。
ロイがすぐ丸をつけそうになり、俺がすかさず釘を刺す。
「作戦で寝坊すんなよな。」
ディセルは耳まで赤くして「はい」と頭を下げた。
二人目は長剣のマリィ。
金髪をきゅっと一つに束ね、甲冑の手甲を外して深く礼をする。
「マリィ・イーベル、護衛剣士です。短所は……家族に送る手紙を書いてると泣いてしまって、寝不足になります。」
「……それ短所っていうか、何かあったのか?家族大事にしよう??」
全員が揃ってツッコミ、ロイは机を叩いて笑った。
三人目、褐色の短剣使いセリカ。
「セリカ・アズラン! 暗殺、奇襲が得意! 短所……泣き虫です!」
「泣き虫で暗殺ってどうなんだよ!」
シロモフが「モフ……情緒……!」と首をかしげる。
四人目、長槍のライナー。
「ライナー・バルク! 長槍突撃と防衛が得意! 短所は……グリス先輩にパシられたい願望が強すぎて、夢の中で荷物を運んでしまいます!」
「夢の中で俺をこき使うな!」
ロイが「便利だから採用だな!」と笑う。
「便利さで決めるな!!俺がツッコミで疲れるでしょうが!」
五人目、大男ゴルド。
「ゴルド・ブロック。山岳斧兵。岩砕き得意。短所……村で飼ってた山羊の名前忘れた。はて、あいつの名前は何だったか・・・。」
「おい!それは短所とは言わん!悩み事だ!あと、山羊に謝れ!」
ロイは爆笑して机を叩く。
六人目、
いつの間にかグリスの前に立っているリーア。
「リーア・ヴァレンスタインです。神速剣技と詠唱、支援が得意です。二つ名は銀閃&剣姫です!」
「おいおいおい!なんでお前までアピってんの?!」
俺のツッコミに、リーアは微笑んで肩をすくめた。
「私もやらないとダメかなと? なんかそんな流れに感じましたし……面白そうなことに仲間外れは寂しいので。」
「寂しいとか……お前、ずる……!」
目を逸らすと、ロイが「可愛いから丸!」と即答。
「丸つけんなギルマス!!」
リーアが俺を覗き込んで微笑む。
「よろしくお願いしますね、リーダー。」
「……は、はい……。」
シロモフが「モフモフ……小悪魔……モフ。」と肩で笑っている。
七人目
リーア・バレンスタインお嬢様の護衛騎士隊隊長のストラウス。
分厚い鎧を軋ませながら前に立つ。
「ストラウスだ。護衛と現場指揮担当。えぇ〜あとは、。」
「はい! 次行きます!!」
「おいおい! 俺のとき雑すぎだろ!? おい! もっと聞いてこいよ!!」
ロイはゲラゲラ笑いながら机を叩く。
八人目、オルカ・フィンブルが名乗りを上げる。
ふわふわの白髪、青いフードを深く被り、片目を隠している。
「オルカです……幻惑魔術と潜入……。短所は……人混みが苦手で……すぐ吐きます……。」
「おい待て作戦中に吐くなよ!?」
「バケツあるから大丈夫だ!」
九人目、ドルト・ハンマー。
全身鎧に身を包んだ巨漢で、背中にはハンマーを二本背負っている。
「ドルト。殴り担当。短所……隣の人と話す声の大きさが分からん!」
「お前……今も声でけぇけどな!?」
「ガハハハハハ!人のこと言えねぇけどな!お前も!!」
「どっちもどっちモフ~~~!」
十人目、サシャ・ペルルが指をくるくるしながら出てくる。
「サシャ! 情報収集と変装が得意! 短所は……変装しすぎて自分が誰かわからなくなるとこ!」
「誰だお前は今……!」
十一人目、モーガン・ドレッド。
上下裸、全身に刺青。
「モーガン。破壊と攪乱担当。短所……すぐ服脱ぐ。」
「今も裸じゃねぇか!全裸じゃん!そりゃあ攪乱するわ!!!あと、ちったー前を隠せ!
見えてんだよ!ブランブランしてるぞ!!」
「ブランブランモフ!!教育上よくないモフ!?」
「ギャハハハハ!うちの女性陣が指の隙間から見てやがるぜ!!むっつりしかいねぇな!」
「「「「「「「むっつりじゃないですけど!!!??!」」」」」」」
十二人目、エルネスト・ホーク。
鷹の羽飾りをつけた狙撃手だ。
「エルネスト。狙撃担当。短所……的以外撃ったことないから、近距離戦ダメです。」
「当てろよ!!」
十三人目、カミラ・ルーン。
謎の笑みを浮かべた巫女装束の女。
「カミラ。呪詛と霊視担当……短所は……夢遊病……。」
「お前か!最近、夜中に出る悪霊の正体は!夜中に呪いかけんじゃねぇ!!さっさと病院行って薬飲んで寝なさい!」
「お父さんみたいモフ!」
「誰がパパだって!?」
「ガハハハハハ♬」
十四人目、ファーゴ・ノーザン。
背中にクマの毛皮を背負ったオーク。
「ファーゴ……オーク……熊狩り得意……短所……血見ると焼豚思い出して腹減る。」
「お前……焼豚の顔してるよな……共食い。」
「モフ……焼豚……オーク……何……?」
「ん?……あれ?……こりゃデジャブか???」
「う~ん!分かんないから、次々!!」
十五人目、リジィ・ピンキー。
小柄な少女、二刀を携え、満面の笑み。
「リジィ! 二刀流と爆弾! 短所は……爆弾に名前つけて愛ですぎて一緒に爆発すること!」
「爆弾は愛でるな!!すぐ投げなさい!!よく今まで五体満足に活動してたな!!」
十六人目、マルゴット・シーン。
煙草をふかしながら、猫のように椅子に座る。
「マルゴット。薬物調合と毒担当……短所は……健康診断が壊滅的で嫁に毎度激怒される。」
「毒作っといてお前……!健康は大事だぞ!野菜食え!!」
【全員PR終了】
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【審議タイム】
俺は額を押さえた。
「……キャラ濃いよ……! 濃すぎるわ!」
シロモフがうれしそうに前足を挙げる。
「モフ! グリスが言うと説得力あるモフ!」
ロイがゲラゲラ笑いながら指をさす。
「一番濃いお前らが言うと説得力あるぜ!! 焼豚みたいな面してるオーク? 何なのお前? あと、白い毛玉が喋っているのも面白ぇ~!! 何だよその生き物!」
シロモフがむすっとなる。
「誰が焼豚だ!俺は半人魔、人間と魔人のハーフだ!!」
「モフ……毛玉じゃないモフ……!」
ロイが手を叩いて俺を見た。
「さぁ、グリス。誰を連れてく?」
「……全肯定マシーンに任せるよ……。」
「お前が決めろ!」
シロモフが前足を上げる。
「モフ! グリスとシロモフは固定! あと7人選ぶモフ!」
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俺は大きく息を吐いて言った。
「ディセル、マリィ、ライナー、セリカ……ここは固定だな。潜入と剣、盾役は信頼できる。」
ディセルとマリィが静かに頷く。
「ゴルドは……岩砕き担当だ。」
「山羊の名前思い出すモフ……。」
ゴルドが真面目に頷いた。
「リーアは……外せねぇ。」
リーアが微笑む。
「ありがとうございます、リーダー♬」
「ストラウスは……まぁ護衛隊長だしな。」
「俺だけ扱い雑すぎんだろ!」
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ロイが小声で耳打ちする。
「王都派遣組と辺境組とは村で合流だ。あっちは《白霧の鷹》と他は辺境組から《無銘の牙》だ。
《無銘の牙》に関しては分からんが、注意しといて越したことはない。まあ、第一は《白霧の鷹》っつうクランには気をつけとけってこった。名ばかりの精鋭だが、ヴァルツェルの犬が紛れてるかもしれねぇ。現場で炙れ。」
「……だな。」
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【決定】
こうして――
渇き村遺跡調査隊の顔ぶれが決まった。
グリス、シロモフ、ディセル、マリィ、ライナー、セリカ、ゴルド、リーア、ストラウス。
そして村で合流する《白霧の鷹》――王都派遣の選抜部隊。辺境組――《無銘の牙》。
役者は揃った。
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ロイが両手を叩いて笑う。
「よし! 総選挙は終了だ! みんな、面白おかしく行こうぜ!」
「お前が一番楽しんでただろ……。」
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三日後に迫る渇き村の再調査。
幻影の村の奥に潜む封印。
王都の影。
肩のシロモフと目を合わせ、俺は小さく頷いた。
「行くぞ、相棒。」
「モフ! おにぎりは三倍モフ!」
真実は、封印の奥に。
【第8話】へつづく!
タイトル:「クロニクルスプリント改、再臨!」
サブ見出し:馬車は音速を超える
どうも、お世話様でございます!
焼豚の神でございます。
最後までお読みいただきありがとうございます。('◇')ゞ
なんか最近、ちまたで選挙関連の話が多いので、オイラも絡めてみたでやんす(*ノωノ)
(/ω\)イヤン、総選挙なんて知らないから、つたない文章で申し訳ないけど笑って読んでくれたら嬉しいわ!
今日は、筆のノリがいいので、あと数本まとめて投稿しようと思います!
頑張れ、俺の脂ノリよ~~~~(/・ω・)/
とりあえず、3本目は17時10分に投稿予定!
◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆
グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」
→ 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。
→ 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。
モフ度
- 0~19%:平常
- 20~29%:末端ふわ化
- 30~49%:耳/尻尾ふわ化
- 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)
- 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声が可愛くなるなど)
- 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”
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