♥【間話】♥「モフモフの危機!? 俺はリーア様の玩具のようだモフ?」
今日もよろしくお願いします!
重いエピソードが続いたので、主人公とヒロインのイチャイチャ癒しシーンを見て筆者の心にも栄養を補給したいです!
ストーリーに、どれだけ脂が乗っているか…ぜひ読んで確かめてください(*'ω'*)!
朝の光は柔らかく、ギルドの窓辺にそっと差し込んでいた。
夜の間に溜め込まれた冷たい空気を押し出すように、そよ風がカーテンを小さく
揺らす。
「ふあぁ……」
グリスは椅子に腰掛けたまま、大きく背伸びをした。
爆速の《クロニクルスプリント》で馬車をぶっ飛ばし、徹夜で報告書をまとめた体は、すっかり鉛のように重い。
「……モフ。疲れてる顔してるモフねぇ。」
肩の上に乗ったシロモフが、尻尾をふりふり。
まるで意地悪な猫のように、グリスの顔を覗き込む。
「お前な……朝っぱらから人の顔を……」
「モフ度……測ったほうがいいモフよ?」
「は? まだ大丈夫だって……俺は……」
グリスは額に手を当て、心の奥に刻まれた『モフ度計』を起動する。
神様兄弟から何か渡された?今思えば強制だったんじゃね??と思わなくもない力(物語を綴る者)を譲り受けたグリスは、その力の代償.........謎の副作用――モフ度が一定値を超えると、体が物理的に縮む、という笑えない……が笑うしかない体質。
(さすがに最近は落ち着いてたはずだ……)
だが、次の瞬間、モフ度計の数値を見て目が丸くなる。
《モフ度68% 物体収縮開始まで残りわずか》
「はああっ!? 嘘だろ!?」
椅子から転げ落ちそうになったところを、シロモフが尻尾でなんとか支える。
「ほら見たことかモフ。俺のモフモフセンサーは誤魔化せないモフ!」
「お前なぁ……! これじゃまた……!やばいやばい!!」
そんな時、ギルドの廊下に軽やかな足音が近づいた。
ドアがそっと開かれ、優雅な声が空気を震わせる。
「おはようございます、グリスさん。」
いつもと変わらぬ静かな笑み。
肩まで流れる銀糸の髪が朝日にきらめき、白のドレスの袖には金糸の刺繍が花のように舞っている。
「あっ!…………リーア……。」
グリスは思わず頬を赤らめた。
昨夜――ふとした拍子に手を繋いだまま、うたた寝してしまったことを思い出して。
「あら……? もしかして、まだ眠そうですね?」
リーアはそっと近づき、彼の目線に合わせてしゃがみ込む。
かすかに漂うハーブの香りが、グリスの鼻先をくすぐった。
「……眠いんじゃなくて……ちょっと、その……」
言い淀むグリスを、シロモフが尻尾で小突く。
「モフモフ度がヤバいモフよ! ほっとくと、また掌サイズモフ!」
「ばっ……お前……!」
慌てて口を塞ごうとするが、リーアの瞳に小さな笑みが灯る。
「ふふ……モフ度、ですか。」
リーアはグリスの頬に指先を添えた。
冷たい指先が、彼の熱をそっと奪っていく。
「心配しなくても大丈夫ですよ。」
「へ……?」
リーアの指先が、グリスの唇に触れる。
「私が……ちゃんと抑えてあげますから。」
甘く低い声に、思わず肩が跳ねる。
そんな二人をよそに、ギルドの広間はいつも通りの騒がしさだった。
「おーいグリス! 報告書まだかー!? 上から催促来てんぞ!」
「乾き村の詳細まとめてくれってよ! 次の派遣決まんねぇんだからな!」
「ははっ、久々に戻ったら徹夜って……新入りも大変だな!引手あまたでよ!ガハハハハ♬」
「なあ聞いたか? 張り出された討伐依頼、報酬三倍だってよ!」
「それより聖女様来てんだろ!? 一度お目にかかりてぇなあ……!」
「やめとけやめとけ! 門前払いだぞお前なんかじゃ!」
若い冒険者たちの噂話が、廊下の向こうで飛び交っていた。
(……聖女……? また面倒が増えそうだな……)
グリスの眉間にしわが寄るが、すぐにリーアの指先がそれをほどく。
「……本当なら、乾き村の人たちだって……何でもない朝を迎えられたはずなのに。」
リーアの瞳が細く伏せられる。
シロモフも、珍しく真剣な顔で尻尾を揺らした。
「モフ……あんなの、二度と御免モフ……。」
「だから……もう繰り返さない。」
グリスの声は静かに落ちたが、その奥底に宿る決意の炎は消えない。
「必ず止める。ヴァルツェル・エルンの野望を……。」
「ええ。私も……力を尽くします。」
リーアは優しく、しかし凛とした声で言った。
シロモフが小さく息を吸う。
「とりあえず今は、グリスさまが掌サイズにならないのが最優先モフ! 癒しの儀式開始モフ~!」
「おい……」
グリスがツッコミを入れるより早く、リーアがくすりと笑った。
「ほら、グリスさん。こっちを向いてください。」
「だ、だからギルドの奴らが……」
「大丈夫です。誰も入れません。」
リーアはそっとグリスの頬を包み、額に額をくっつけた。
「.........。(リーアからめっちゃ良い匂いする~~~!誰か!頑張れ俺の理性ッ!!!)」
「可愛い人形になっても……私が全部、可愛がってあげますから。」
「おい!……」
「ふふ……私だけの……可愛い玩具です。」
ギルドの賑わいと喧騒の奥で、
二人だけの、柔らかな時間が、ひそやかに解けていった――。
【第1章 『帰還者グリス。書き直すは“日常”の風景』完】
【第2章 『蠢く影 ― ヴァルツェルの残響と聖銀の誓い ―』】明日投稿開始ッ!
どうも、お世話様でございます!
焼豚の神でございます。
今日はもう打ち止めでござるッ!
また明日よろしくでござる~~~('◇')ゞ
もう少しお待ちを。(/・ω・)/
◆グリスの「モフ度」と能力関連設定◆
グリスの能力:「クロニクルベアラー(物語を綴る者)」
→ 他者の記憶・感情・空間の“物語構造”を感知し、世界を“読み解く”力。
→ 使えば使うほど“内側の温度(感情)”が昂ぶり、モフ度が上昇する。
モフ度
- 0~19%:平常
- 20~29%:末端ふわ化
- 30~49%:耳/尻尾ふわ化
- 50%以上:ぬいぐるみ化進行、人格への影響(語尾に“ぷぅ”など)
- 75%以上:上半身下半身がぬいぐるみ化急行、人格への影響(発声NGなど)
- 100%:完全ぬいぐるみ化(意識あり)=“魂を綴る最後の綴り”
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