第1話② 「喋れないボクに、語りかけてくる神様……?」
今日もよろしくお願いします('◇')ゞ!
なんか元の場所に戻れなくなったボクは、この店でしばらく暮らすことになった。
で、なぜか「サバイバル術」の特訓をする流れになったんだけど……。
(……それ、帰る方法とは関係あるのか?)
ま、今日はもう夜遅いし、「本格始動は明日から」ってことで、今は神様兄弟と一緒に店の片付けをしている。
「器用なもんだな!グリス」
「だな。道具使っても俺らじゃちょっと雑になっちまうからな~」
「……ありがとうございます。でも、それは……料理を出すお店としては致命的な……」
(って、誰かツッコめよ!客来なくなるぞ!?)
内心そう思いながらも、ボクはそれ以上言わなかった。
なんだろう、働くって楽しい。
誰かの役に立てるって、ちょっとだけ嬉しい。
そんなことを感じながら、ボクは店の奥、本棚の掃除を任されていた。
ホコリをかぶった古い本たち。なかば放置されてるその棚の奥──
ほんのかすかに、虹色の光が差していた。
「……ん? また扉……じゃない、か」
違った。
光っていたのは、ひときわ古びた分厚い本と──重たくて黒い、一本のペン。
「なんだ……これ……?」
引き寄せられるように、そっと手を伸ばす。
その瞬間、光がピタリと止まった。
──まるで、時が止まったみたいだった。
空気が凍ったような静けさの中、背後から声がした。
「おいおい、それ触んのかよ?」
びくっとして振り返ると、ツカサがちょっと困ったような笑顔で立っていた。
「あ、ごめんなさい……」
「いや、謝んなくていいさ。ただ……」
レンジも横から顔を出し、少しだけ目を細めて言う。
「それ、うちのかあちゃんの形見なんだ。中身は真っ白だけど……どうしても手放せなくてな。なんとな~く、そこに飾ってるんだ」
形見──
その言葉に、ボクの心が少しだけ揺れた。
ボクはそっとその本を開いてみた。
でも、どのページも、真っ白だった。
まるで何も語らないボクの心みたいに。
何も書けない、言葉のないそのページが──なぜかボクをじっと見返してくる気がした。
第1話③:「書けない」ペンと「語れない」少年へつづく
どうも、お世話様でございます!
焼豚の神でございます。
今回も読了しに来てくださった皆様ありがとうございます('◇')ゞ!
また、お知らせがございます!
◎【お知らせ】投稿時間変更のご案内◎
いつもお読みいただきありがとうございます!
これまで毎晩20時10分に更新しておりましたが、
今後は「朝6時10分」の投稿に変更させていただきます。
▽理由としては、
・通勤・通学前の“ちょっとした楽しみ”にしていただけたらと思ったこと
・実際に朝の方がたくさん読んでいただけている傾向があったこと
などがあります。
夜に読んでくださっていた皆さまには申し訳ありませんが、
朝のスキマ時間やコーヒーのお供に、ほんのひとときでも楽しんでいただけたら嬉しいです。('◇')ゞ
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします!
感想・ブクマ・お気に入り、おかわり自由でお待ちしてます!
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